俳句ポストで「けり」を使った俳句2021

俳句ポスト365で特選、秀作、佳作に選ばれた作品の中から、切れ字「けり」を使った俳句をまとめました。

【特選】
蛇の水脈は蛇めき水へ還りけり　いさな歌鈴
焚き付けの蓑虫ぢりと臭ひけり　トポル

【秀作】
睡蓮のみな水平を知りにけり　クラウド坂の上

【佳作】
たこ焼きに春の暑さを移しけり　ひでやん

縞蛇の遠心力を飛ばしけり　川岡すえよし
蛇の跡皇居の中へ続きけり　多喰身・デラックス
蛇さりて夕ぐれとほく残りけり　Mコスモ

睡蓮のみづの重さにひらきけり　ぐ

ハンガーの浴衣は肩を落としけり　城内幸江
ジョン・レノン「ユカタ」の国を愛しけり　藤田康子
昏鐘を風の浴衣となりにけり　いさな歌鈴
信金の名入の浴衣掛けにけり　よしざね弓
古浴衣バー・エヴァンスへ逃れける　寺尾当卯

大花野大磐座をつつみけり　多々良海月

蓑よりも長き蓑虫出でにけり　かもん丸茶

藁と糞とって小春を入れにけり　ほしの有紀
アルバムの気泡小春へ逃がしけり　かむろ坂喜奈子

火の痕を抱き霊山眠りけり　あずお玲子