父を海洋葬で送る
昨年10月、早春に亡くなった私の父を海洋葬にて送りました。
海洋葬ってあまり聞きなれない言葉ですよね。
まぁいわゆる 海への散骨 です。
散骨って、花咲か爺さんよろしく、
灰をまき散らす
海に向かって遺骨を撒く
みたいなイメージですが、実際は違います。
まず、お骨をパウダー状にしてもらいます。
ほとんどの海洋葬の会社でやってくれます。
そして、それを水に溶ける紙で作られた袋に入れます。
なんと、Amazonで売ってました。
私たちは、この袋にメッセージを書いて、海に入れました。
そうすると、一瞬で溶け、ふわっと広がって沈んでいきました。
その後、花びらを手向けて、手を合わせました。
だいたいの流れはこんな感じです。
もちろん、料金体系はいろいろあります。
プライベートクルーズなのか、
他の方と一緒なのか、
代行してもらうのか。
私たちは家族だけのプライベートクルーズにしました。
いろいろなサービスが含まれており、
船のチャーター代
桟橋使用料
乗船保険
粉骨
骨壺の処分
水溶紙袋
献花用の花びら
撮影した写真データ
当日の案内
当日の運営
海図付き散骨証明書
このようなプランでした。
それでだいたい20万円くらいです。
2022年10月時点での金額です。
人数にもよりますが、ひとり増えるごとに5,000円UPくらいでした。
船がより豪華になると、料金もあがります。
また、献花がさらに増えると、料金もUP。
あとは、ペットと一緒に散骨したい、などのサービスもあります。
位牌を処分してくれるオプションもあります。
えー?!散骨?!って思われる方もいらっしゃるでしょう。
そのあたりは、個々の考え方の違いですので
ご自分の考えや、故人の意向に沿った形で送ることができれば
それでいいと思います。
うちの両親は早くから、墓はいらない 墓参りもしなくていいし
たまに海に向かって手を合わせてくれればいいから と、言ってました。
なので、海洋葬はとても合っていました。
横浜から船に乗り、法律上散骨してもいい場所まで行きます。
船には水溶紙袋に入ったパウダー状のお骨が人数分用意されており、
そこにメッセージを書きました。
(書いても書かなくても自由です。)
3匹の犬をかわいがっていた父ですので、犬と今頃会えているかな?
数十年後には、私も行くからね、と書きました。
散骨するポイントに着くと、母から順に袋を海に入れました。
本当にあっという間に溶け、広がってから沈んでいく様子が見えました。
そして、たくさんの花びらも用意されていて、それを皆で撒きました。
その間、船はだいたい同じ場所にいたのですが、終わってから
花びらが浮いているところの周りを周回して、お別れを告げ
港に戻りました。
だいたい1時間弱のクルーズです。
私たちがお願いした会社は、
散骨後にお時間があれば湾内をご案内しますよ、と
提案してくださったのでお願いし、直接港に戻らずに、
大型のタンカーなどを見たりして、楽しい気分にしてくれました。
いつも高速道路から見えてるところだ!とみんなうれしそうでした。
このキリンのような機械がとても近くに見えました。
しかも、いろいろと説明までしてくれて、大変勉強になりました!
父もこの船に乗って見たかっただろうなぁ~なんて考えてしまいました。
こんなことでもなければ、船をチャーターするなんてことはないので
とても貴重な経験でした。
海洋葬、よかったです、本当に。
いろんな会社がありますので、それぞれの会社で違うとは思いますが
思い出に残る印象深い日になりました。
東京湾や相模湾、湘南の海などいろいろな場所で海洋葬は行われています。全国に500社以上あるそうです。
80代の母によると、お友達に海洋葬のことを伝えたら
意外と皆さん好意的だった、と。
そして、お骨の状態で何年も、何十年も家に置いてある人が
結構いるみたい、って。
お墓を買おうかな、それともビルみたいなところで
お骨を管理してくれる方がいいかな、
どうしたらいいかな、
って思っているうちに、何年も経ってしまっているようでした。
うちは、だいたい亡くなって半年ほどで海洋葬にて送りました。
真夏は暑すぎて避けたので。
今は父の遺影だけがあります。
お骨の一部を小さな入れ物にいれておいておく、とか
キーホルダーやペンダントにする、ということもできます。
でも、母が亡くなったり、自分も亡くなるようなことがあると
それらをどう処分したらいいか、残った人を悩ませてしまうので
すべてのお骨を海におくりました。
母の話を聞いて、うちも海洋葬にしようかしら、と考える人も
いたようです。
お墓を買うよりずっと安いですし、墓を管理する手間もなく
墓じまいもなく、海を見たら父を想い出す、本当によかったなぁと
思っています。
あ、ちなみに、海洋葬は喪服厳禁!と言われましたので平服です。
みんなが楽しい気分でみなとみらい地区で過ごしている中に
喪服集団がいたら、あまりに異質なので、周りの雰囲気を壊さない
平服で、と言われましたので、私たちも従いました。
天候により、船が出せない日もありますので
そのあたりも会社によって違います。
海を見ると父を思い出します。
母も同じようにしてほしいと言っています。
私も同じ気持ちです。
この記事がどなたかの参考になりますように。
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