子どもの定型発達/発達障がいについて〈事例編〉〜お友だちとのトラブルが多い〜


年中〜小学生にかけての期間にそれまではあまりこれといった諍いが無かったのに、急にお友だちとのトラブルが増えた気がする。。。ということがありませんか?


トラブルの中心になりがちなお子さんたちに共通する点は


1.無視していると思われがち


2.無沈着


3.話が通じないことが多い


です。

男女ともにこの共通点が見られます。


このタイプのお子さんたちには、1つ前に解説した「〜人の話を聞くのが苦手なお子さん〜」とかぶる所がたくさんあります。

まず1の無視しているとおもわれがちから説明します。

1.【聞き取り困難性】という発達障害との関連が疑われている症状の可能性が高いです。

本当に周りの声や音が耳に届いていないわけではなく、音や声は聞こえているのですが、「何を話しているのか話の内容が聞き取れていない」のです。

だから「目の前の相手が何かを話していることは分かりますが、自分に対して何を話しているのかが理解できていない」状態なのです。

でも、声は聞こえてはいるわけだから、周囲の人間からしたら「無視されている」と感じるわけです。

だけど、本当に本人は無視してるわけではなくて、声が聞こえているのに話の内容が分からないのです。

こういったお子さんの場合は声を掛ける時に肩をポンポンと優しく叩いて、「今からお話するからよく聞いてね」と一声掛けてからキチンと目を見て、話すスピードを少しゆっくりめにするとこちらの話に集中するので、聞き取ってもらいやすいです。


2.無沈着についてです。

触感にあまり敏感ではないため自分が何かに当たってしまったり触ってしまったりしてプリントなどを落としてしまっても気づきにくく、更にその落としたプリントなどを踏んでしまっても踏んだ事に気付かない、などです。

この時もどこか身体の一部をポンポンと軽く刺激して「ねえねえ」と一声掛けてこちらに意識を向けて貰い、伝えたいことをゆっくり目の口調で話をすると理解してくれます。


3.の話が通じない事が多い

これは自分が話したいことを一方的に話すのはとても得意だけど、1の【聞き取り困難性】のせいで「相手の話を正確に聞き取れない」ため、こちらが質問している事が正確に理解できず、素っ気ないと感じる返答しかしてくれず、「自分の話ばかりする」という印象を受けるという状態です。


なので、

・会話のキャッチボールが上手く出来ない。

・中々真意を理解してくれない。

・とにかく話が通じない。

と、こちらが疲れてしまう状態になります。


再度【聞き取り困難性】について詳しく説明させて頂きます。

聞き取り困難症とは、聴力検査では異常がないのに、相手の言葉が聞き取れない、聞き間違いが多いなど、音声を言葉として聞き取ることに苦労する病気です。


もし今、自身のお子さんや関係のあるお子さんに「もしかして?」と思う事があれば、1度専門医にご相談してみることをおすすめ致します。


【聞き取り困難性】と診断されれば、担任の先生にその事を説明して理解を得ることが容易になりますし、見守りもしてもらいやすくなります。

また、クラスのお友だちの保護者の方々にもお話することが出来ればお友だちの理解も得られやすくなり、学校生活がよりよくなるのではないでしょうか?


自身の子どもが「障害持ちだと思われたくない!」とお考えの保護者さんもいると思いますが、隠せば隠すほど周囲からの理解は得られず、お子さんが辛い思いをするかもしれません。

目の前のことだけではなく、視野を広くして少し先の事まで思考を巡らせ、「今何をどうしたらこの子にとって有益だろうか?」と考えてあげて欲しいです。


子どもが小さなうちは自力で何とか出来ないことが多いです。
お子さんの精神衛生上のためにも、楽しく園生活や学校生活を送って貰うためにも是非、「もしかして。。。」と思うことがあればまずはかかりつけの小児科や耳鼻科の先生や発達障害の専門医にご相談してみて下さい。


※この記事で発達障害の専門医をオススメしている理由は、【聞き取り困難性】は現時点では【発達障害の一種】とは定められていませんが、【聞き取り困難性】があると診断された人に発達障害をもつ人が多いため、発達障害の専門医に【聞き取り困難性】について詳しい先生がいると思うためです。



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