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religion

本日はreligionです。

発音はレリージョン、っていうよりも、リリジァンっていう感じに近いと思います。


religionの意味

宗教、宗旨、信仰、修道生活など

religionの語源

語源は、ラテン語のreligioです。
re(強く)+ligo(結ぶ)+io(こと)

ということで、本日はすんなり解決しました。
では、また明日。

と、言いたいところですが、じつは、この語源も、そんな単純でもない話があるので、この先、ちょっとおまけです。

語源の語源がわからない?

現代英語religionの語源になっているラテン語のreligioにも、もちろん語源があったはずです。
ところが、古代ローマの時代、すでにこのreligioの語源について二つの対立する説が唱えられていました。

(以下の記事は、次の文献を参照しました)
Religio――宗教の起源についての考察のために 三上真司
  横浜市立大学論叢社会科学系列 2013:Vol.64 № 3

religioの語源説その1

relego/relegere 読み直す、選びなおす。

なんで、「宗教」の語源が「読み直す」なんだよ?

と言われそうですが、
古代ローマのような社会では、信仰というものは後世のキリスト教のように「心の中にあるもの」ではなかった(らしい)。
信仰は、現実の活動や行動の中に存在するものだったのです。

そうだとすると、きちんとした手順を踏んで、祈りを捧げたりする儀式を執り行うことが、とても大事になります。

いまの時代でさえ、教会、神社、寺院とかに行けば、それぞれに、ちゃんとした正しい参拝や礼拝の手順などが細かく決まっていますよね。
それを守らないといけないという感覚は、現代人のわれわれでさえ、まだ残っていると思います。

まして古代ローマ人ですから、由緒正しい、きちんとした儀式の手順書などを「読み直す」して、正しい方法を「選ぶ」ことが、信仰にとってはなによりも大切なことだったでしょう。

法律づくりで定評のある古代ローマ人は、きちんと記録することが得意な人々だったので、当然、それを読むこともまた大事なこと。
正統な手順を「読み直し」て確認することが、迷信にとらわれない敬虔な態度でもあるのです。

religioの語源説その2

religare 結びつける

普通に考えると、こちらの「結びつける」の意味の方がわかりやすいですね。
古代ローマでも、3世紀以降のキリスト教徒(ラクタンティウスアウグスティヌス)がこの説だったようです。
キリスト教徒がこう考えるのは、なんとなくわかる気がします。

宗教の意味、定義

ところでさらに脱線ついでに。。。
「宗教」っていうことばを、定義してみようとすると、意外とむずかしくないですか?
手元の辞書によると

心の空洞をいやすものとして、必要な時、常に頼れる絶対者を求める根源的・精神的な営み。また、その意義を必要と説く教え。

新明解 国語辞典第四版(三省堂)

おお、さすが国語辞典。
なるほど、すごい説明力ですね。

でも待てよ、どの宗教でもみんな「常に頼れる絶対者」を求めているか?
といわれたら、ちょっと微妙なところがあるんじゃないでしょうか。

というわけで、もうちょっと別の定義

宗教とは、人間生活の究極的な意義を明らかにし、人間の問題の究極的な解決にかかわりをもつと、人々によって信じられているいとなみを中心とした文化現象である。

世界の宗教 岸本英夫編(原書房)

まあ、ちょっと抽象的なふわっとした感じがして、難しいですが、よく考えるとなんか正しい感じがしますね。
さまざまな宗教にも、それなりにあてはまりそうな定義です。

以上、おまけの方がずっと長くなっちゃいました。

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