習近平・中国は末期症状

習近平・中国は末期症状
“シーチン”修一
【雀庵の「大戦序章」307/通算738  2024(令和6)年7/6/土】7/4から猛暑、終日クーラー。今日も33℃の猛暑、モウショウガナイ・・・老兵は死なず、ただ引きこもるのみ。梅雨子は寄り道でもしているのか? 中露北に拉致されたか? 世の中、人間、人生、思うようにはいかないから多動爺の小生はひたすら焦りまくっている。艱難汝を玉にす? 腰の具合は薄氷を踏むが如し。以下はその顛末。

今年は73歳になって終活に目覚め、猪突猛進でビルの営繕に精を出していたが、難作業を終えた5月3日の夕方から腰痛が始まった。どうにも改善しないのでカミサンに連れられて17日に整形外科医院へ。「改善するか歩行困難になるかの瀬戸際」との診断で、薬とリハビリの治療を始め、ガチガチの腰痛用ベルト(日本シグマックス)の効果もあって少しづつ改善していった。
しかし体力の衰えはいかんともし難く、営繕作業は2~3時間が限界で、一仕事終えるとフラフラ、すっかり無理のできない老体になってしまった。「華麗なる加齢」を目指していたのが「ただの加齢による経年劣化」・・・ま、ヨボヨボだが徒歩なら500m、チャリなら2時間ほど動けるだけ幸いだ。

7月3日は西側のとても狭いところに生えてきた細竹を塀に上ってできるだけ切り除草剤を散布した。除草剤を使いたくはないが、タフな竹は2か月ほどで復活するし、体力がないから除草剤にたよらざるを得ない。その作業に続いて駐車場脇の塀にある水道パイプが劣化し始めないように塗装した。やれやれと一息ついたら、カミサンが風呂場の浴槽の経年劣化したゴム製の栓をホームセンターに買いにいくというので小生も劣化した栓を持って同行、何十種類もあったがピッタリのを購入でき、ついでに浴槽を大掃除した。

ちょっとでも元気だと多動爺の血が騒いで無理をしがちになるが、メンテナンスを怠れば築40年の賞味期限切れのビルはあちこちが傷みだして修理費が結構な額になるから頑張るしかない。もっとも営繕は小生の趣味、生き甲斐でもあるから、あまり無理せず1~2日おきとかボチボチやるのがヨサゲである。今度、整形外科医院に行ったときは「おかげさまで随分元気になりました」とお礼を言おう。赤ワインでも贈るか? 受け取ってくれると嬉しいが・・・
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人生、世の中、油断大敵だ。産経2024/7/4、石平氏のChina Watch「警戒せよ 第二の『義和団の乱』」から引用するが、小生は「義和団の乱」を反政府(反清朝)運動と記憶していたが違っていた。日本国語大辞典によると――
<義和団事件: 1899~1900年、中国清朝末期におきた反キリスト教的排外運動。義和団が生活に苦しむ農民を集め、清朝の保守派とも結びついて勢力を拡大、各地でキリスト教会や外国人を襲い、ついに北京に侵入して列国大公使館区域を包囲攻撃した。日本を含む8か国の連合軍が出動して鎮圧。その結果、清朝はいっそう激しい外国の圧迫を受け、植民地化に拍車をかけた。義和団の乱、北清事変、団匪事件とも>
結果的に清朝の没落を速めてしまったよう。以下、石平氏の論稿の抜粋。

<6月24日、中国・蘇州市内で、日本人母子が刃物で切り付けられ、負傷する事件が発生した。今のところ、凶行に及んだ犯人の動機などは不明だが、日本人学校のスクールバスを待つ場所で襲撃された状況を見れば、現地の日本人を標的にした計画的な犯行である可能性は否めない。27日、一部メディアが報じたところでは、今年4月には同じ蘇州市内の路上で日本人男性が中国人に切り付けられる事件もあった。蘇州市内で「日本人切り付け事件」が短期間内で2件も起きたとは由々しき事態である。

さらに問題となるのは、事件に対する中国政府の冷ややかな態度である。25日、中国外務省の毛寧報道官は記者からの質問に答える形で事件へのコメントを行った。その中で彼女は「遺憾」と表明したものの、犯行をとがめたり、非難したりすることは一切なく、日本人の被害者に対するお見舞いの言葉もない。毛報道官は「それが偶発的な事件」だと強調し「このような事件は世界のいかなる国でも起こり得る」とも主張した。
自国で起きた外国人襲撃事件に対し、一国の政府がとったこのような態度は冷淡というよりも無責任であろう。「どこの国でも起こり得る偶発的事件だから騒ぐ必要はない」と言わんばかりである。これでは中国政府が事件の再発防止に取り組むことは期待できそうもない。

その一方で、犯行に対する中国政府の生ぬるい態度に鼓舞されたかのように、中国国内のネット上では一時、犯行に対する称賛と支持の声があふれた。「お見事、よくやってくれた!」「やった人は民族の英雄だ!」「これは、国を挙げてお祝いすべきではないのか」「日本人に言う。中国にはお前らに安全な場所は一つもない」と・・・。

これら暴言の一つ一つを見ていると、蘇州での日本人襲撃事件の背後には、より深層的な社会的要因があることに気がつく。長年の反日教育の結果、多くの中国人は日本や日本人に対する極端な憎しみの感情が根強く植え付けられているのだ。
近年の経済崩壊に伴って失業者があふれ、国民に不平不満が高まっている中で、多くの中国人たちの行き場のない憤懣(ふんまん)や怨念はハケ口を求めて「憎むべき」日本人に向かってしまう。反米感情の扇動も習近平政権の国内「宣伝工作」のテーマになっているから、不満の矛先がアメリカ人に向けられることもあろう。実際、先月10日には吉林市でアメリカ人4人が襲撃される事件が起きている。

今から124年前、内憂外患の清国政府は、爆発しそうな民衆の不平不満を政権からそらしていくために、暴民的な排外主義の「義和団運動」を奨励した。その結果、外国人宣教師やビジネスマンなどに対する無差別大量殺害というべき「義和団の乱」(1900年)が各地で広がったのである。

今の中国の政治、経済、社会状況は、清王朝崩壊前のそれと類似している。こうした中で習政権はいずれ、清王朝政府のまねをして、国内危機転嫁のために「第二の義和団運動」を発動する可能性もないわけではない。
前述のような「日本人襲撃称賛」の声が検閲の厳しい中国のネット上でいっときに氾濫していたのも、中国政府がそのときにこうした暴論を容認していたからである。そして、中国共産党政権は今も、義和団の乱を「偉大なる愛国主義運動だ」と高く評価している。

蘇州で立て続けに起きた日本人襲撃事件や吉林市で起きた米国人襲撃事件は、暴民的な「義和団運動」が中国で再び起きる前兆と見るべきかもしれない。中国の日本人やアメリカ人は迫っている危険に警戒しなければならない>以上
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中共は今も義和団の乱を「偉大なる愛国主義運動」と高く評価・・・つまり習近平は気に入らない外国人は現代版「義和団の乱」で叩き潰すと言っているわけだ。調べたら昨年7月から厳しく対処しているという。産経2023/7/22、柯隆・東京財団政策研究所主席研究員へのインタビュー「改正反スパイ法 中国は全て監視 連携し自衛強化」を転載するが、産経によると「改正反スパイ法」とは――
<2014年11月に施行された反スパイ法を初めて改正し、23年7月から施行された。中国におけるスパイ行為の定義を「国家機密」の提供や窃取などから「国家の安全や利益に関わる文書やデータ」などに拡大し、国家機関や重要インフラへのサイバー攻撃なども取り締まり対象とした。15年以降、スパイ行為に関与したなどとして拘束された邦人は17人だが、改正反スパイ法の施行で今後、邦人の拘束や日本企業の摘発が増える懸念もある>とのこと。

また、柯隆(か・りゅう)氏は<1963年生まれ。中国・江蘇省南京市出身。88年来日。名古屋大大学院修了。経済学修士。長銀総合研究所や富士通総研経済研究所を経て、2018年から現職。静岡県立大特任教授も兼務する。専門は中国経済論など。中国経済に関する論文や著書多数>と紹介している。

小生が柯隆氏を知ったのは3年ほど前で、国立研究開発法人・科学技術振興機構の「中国の科学技術の今を伝える Science Portal China」を通じてだった。中共批判が鋭かったので日本国籍の中国人と思っていたが中国籍だった。WIKIによると「1963年、江蘇省南京市生まれ。1986年に金陵科技学院日本語学科を卒業し、1988年に日本に渡る」とある。以下のScience Portal China 2021/2/12の「柯隆が読み解く 中国はハイテク分野で世界をリードできるのか」などは実に舌鋒鋭く、小生は感動したものだった。こんな具合である。

<結論的にいえば、中国産業の実力はまだ世界を凌駕するレベルに達していない。これまで多国籍企業のビジネスモデルや技術を見習って成長してきたが、これからはもっと市場を開放して市場競争のなかでさらに進化しなければならない。基礎研究を強化するなら、オープンイノベーションを含むありとあらゆる政策を実施して推進していく必要がある。仮に鎖国して内向きになった場合、中国企業のさらなる成長は絵に描いた餅になる>

これをインド太平洋制覇を目指している習近平一派が読んだら「国家のカネで学びながら中国をバカにしている、柯隆に行儀を教えろ! 逆らうなら殺せ!」となるだろう。今、柯隆氏は元気だろうか、舌鋒鋭く活躍しているだろうか、と気になった。
長くなったので氏の最新の論稿「米中新冷戦の内実――アメリカ大統領選以降の米中関係の展望」(東京財団政策研究所)は次回に紹介する。
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*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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小生の記事は以下でもお読みいただけます。
渡部亮次郎 「頂門の一針」ryochan@polka.plala.or.jp
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