日本と韓国 結束できるか(2)

日本と韓国 結束できるか(2)
“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」148/通算580 2023/3/8/水】多摩川土手の東京側を下ると河津桜が3本ほどあり今を盛りの満開だった。我が街の用水路や緑ヶ丘霊園でも染井吉野の寿命が尽きた後に河津桜を植えている。河津桜は開花期間が長く、手入れもしやすいようで、20年もすれば、桜と言えば河津桜となるのかもしれない。

勢い良く咲いて、勢い良く散る染井吉野。♪貴様と俺とは同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く 咲いた花なら散るのは覚悟 みごと散りましょ 国のため・・・染井吉野の潔さ、日本男児はそうでありたいね、と小生は思うが、ロシアや中国、韓国などでは国に愛想を尽かして他国に移住する人が増えているらしい。亡国の兆しか? どうなるのだろう・・・日本は大丈夫なのか?

朴正熙も憂国の人だった。韓国人のダメさ加減を示し、随分辛口なことを言っているのは、再起を鼓舞するためだったろう。しかし1000年間の悪弊的、病理的な国民性を改めるのは容易ではない。悩ましいことだ。前回に続いて「朴正熙選集」から主旨の引用を続ける。(補足)は小生による。

<【事大主義=自主精神の欠如】李朝の悪遺産を論ずるには、韓半島という地政学的位置から(強国に仕える、従う、属国になる)「事大主義」的対外政策を取らざるを得なかった李太祖の建国理念と、当時の極東情勢から始めなければならない。

(補足:李太祖はベトナム人。1009年に李朝を開き、中央官庁に中国風の科挙制度を導入し、官僚制を整備。儒教・仏教・道教をともに保護した)

李太祖が政治的理由で導入した事大主義は、儒教の「慕華思想」を広め、社会制度、生活様式まで中国風を真似る「模倣文化」を推進した。

(補足:「慕華思想」は「小中華思想」「中国事大」とも。 世界の中心は中国であり、中国から離れれば離れるほど野蛮人という思想。 東北アジアでは「朝鮮 (韓国)は中国に近いので野蛮人ではないが、日本は中国から遠く離れているので野蛮人である」と見る。日本人は鎌倉時代中期に蒙古・朝鮮(高麗)連合軍の大艦隊の襲来(元寇、蒙古襲来とも)を受けて以降、報復として倭寇(褌姿で長ドスを振り回す海賊)が朝鮮半島やシナ沿岸を荒らしまくったから、そのトラウマから今なお「日本は恐ろしい蛮族」として記憶されているようだ)

したがって、価値判断の基準が、自己の判断力とか自民族の文化にあるのではなく、「中国ではどうしているか?」に照応して受動的に決定し、自民族の現実や伝統の中で自ら探求しようとしない「事大依存的習性」を創り上げたのである。

それ故に民族自立性、民族的主体性が形成されず、外来文化や思想の「既製服」のみを着ようとする傾向に流れ、これが(1947年の)独立後、「救援物資依存的民主主義」となったと言えよう。

結局、この事大主義意識は、1)地政学的に強大国との事大外交を不可避にし、2)歴代王朝に事大外交を止揚(良い方向へ転換)する実力、創意も身に付かず、3)高麗以後は先代の国学的史風と民族固有文化を抹殺し、儒教など外来文化輸入に傾倒し、4)新羅が統一のために唐の援兵を利用して以来、国内問題が解決困難の場合に外国の軍事力を招致する悪習が生まれた――などの弊害をもたらしたと言えるだろう。

【怠惰と不労所得観念】李朝の社会構造は、農業のような生産活動や勤労精神が委縮するように作られていた。怠惰は後進国の一般的な特徴ではあるが、韓国的怠惰は「両班(≒特権貴族)観念」など、韓国史に根深い特権意識、不労所得観念とも緊密な関係がある。

李朝の土地制度は両班を特権地主に仕立て、両班は収租権に関心があっても農業経営には無関心であった。やがて両班は「閑良(ハンリヤン)」「フアルヤンイ」(≒無為徒食の特権階級)と呼ばれるようになった。その意味は「カネを湯水のように使い、色事に浮き身をやつす遊び人」である。

両班は実質的には金欠で、虚勢を張るものの、やがて家や身を亡ぼすのだが、虚礼を事とし上部(うわべ)ばかりを飾ろうとする形式主義そのものだ。こうした社会の雰囲気の中では貯蓄観念が生まれず、「その日暮らしができれば結構」という刹那主義が潜んでいる。

官僚的専制が土地制度上に強く働いて、農民の財産や土地は常に官憲の影響を受けるようになり、土地国有制と農業近代化を掲げて「土地利田化」(田畑の開墾整備などによる農業振興、農民の生活改善)を目指したものの両班の抵抗で促進できなかった。(手入れしなければ劣化する)「弱き財産」である農地に対する愛惜も少なかったのだろう。

このような(農地を大切にして生産性を高めても収奪されるだけだからやる気なしといった)農民の思いは「勧酒歌」「愁心歌」などの民謡にもうかがわれ、「今を思いきり楽しもう」という快楽主義が広まった。

しかし基本的に問題なのは、怠惰で無為徒食の両班など上層階級、不労所得階層だった。田舎両班の客間での空論がその標本で、火鉢で暖を取りながら虚勢を張り、家門の自慢話で終日を送り、髯ばかりをしごく懶惰な両班生活・・・これでは健全な職業観念が発達しようもなかったのである。

ドイツもそうだが、日本人の姓の中には“先祖の職業”を表すものが多い(機織り→服部、金打ち→鍛冶など)。ところが我が国の姓名は金、李、朴などで“先祖の職業”を表していない。何故か。

李朝以来、職業観念が薄弱で、誰もが官僚になることのみを心掛ける「官尊観念」が非常に強いからである。その弊害は実に大きく、農家であっても自分の子は楽に飯を食える官途への勉強(法科、政治科など)をさせたがるのだ。(引用終わり)
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【小生の見解】当時の模様を伝えるのがイザベラ・バード著「朝鮮紀行 英国婦人の見た李朝末期 」だ。アマゾンの解説から引用すると――
<本書は、著者が1894~1897年にかけて、4度にわたり朝鮮を旅したときの紀行である。当時の東アジアは日清戦争前後の激動の時代で、朝鮮半島においても各国の思惑が入り乱れ、著者自身幾度か謁見したことのある閔妃が殺害される事件も起きている。

当時の朝鮮はまた、開国間もない時期であり、外国人に対する偏見も根強く残っていた。ただ、それだけに伝統的風土・民俗・文化等が色濃く残り、特にシャーマニズムについては著者自身も大きな関心を抱いたようで、悪霊払いのプロセスを延々と紹介している部分もある。これらの伝承は記録としては残りにくいものであるから、貴重である。

時代が時代であるだけに、日本人についての記述も少なくない。著者自身は日本を先進国入りしつつある国、と認識している様子で、朝鮮に対する影響力を徐々に強めていることに関しても、帝国主義が当然の時代とはいえ、淡々と描写している。ただし、秀吉による侵略以来の「恨み」については何度も語っているので、朝鮮人の反日感情は、著者の目にもあからさまのものだったのだろう。

この時期の朝鮮について、政治的な思惑なしに、これだけ広範囲のことを記述したものはほかにない。それだけに、資料としての価値の高さがあるとともに、素顔の朝鮮があざやかに見て取れる名紀行でもある>

同書を久し振りに読み返しているが、朝鮮の歴史は苛烈すぎてため息が出るほどだ。巨大な中国とロシアに頭を抑えられ続け、大戦後に日本統治が消えると今度は朝鮮戦争で南北に分断された。イザベラ・バードが観察した120年前でも気の毒だったが、今もなお休戦状態という冷戦が続き、左右対立で政治は安定せず、先が読みにくい国であり続けている。120年前!にバードはこう嘆いている。

<気候は素晴らしく、雨量は適度に多く、土壌は肥え、内乱と盗賊団は少ないと来れば、朝鮮人はかなり裕福で幸せな国民であっておかしくない。

もしも「搾取」が役所の雑卒による強制取り立てと官僚の悪弊が強力な手で阻止されたなら・・・もしも地租が公正に課されて徴収されされたなら・・・もしも法が不正の道具ではなく民衆を保護するものとなったなら・・・朝鮮の農民は間違いなく日本の農民に負けず劣らず勤勉で幸せになれるはずなのである。しかしこの「もしも」は余りにも大きい!

どんな産業分野にせよ、勤勉に働けば利益の得られることが保証されれば、無気力無関心な人々も変身するはずである。そのための改革は日本によって行われてきたが、日本も自由裁量権が与えられているわけではなく、また改革に着手した(と私は心から信じる)ものの、役割を果たし、調和のとれた改革案を立てるには未経験過ぎた。

改革案が成立したにせよ、それを実行すべき官僚たちがほとんど例外なく因習と慣例の両方から堕落してしまっている。改革は断続的断片的で、日本は枝葉末節にこだわって人々を苛立たせ、自国流の干渉をほのめかしたので、「朝鮮を日本の属国にするのが目的だ」という印象を、私の見る限り朝鮮全土に与えてしまった。

旅行者は朝鮮人が怠惰であるのに驚くが、私はロシア領満州にいる朝鮮人のエネルギーと勤勉さ、堅実さ、そして快適な家具や設備を揃えた彼らの住まいを見て以来、朝鮮人の怠け癖を気質と見なすのは大いに疑問だと考えている。朝鮮中の誰もが、貧しさは自分の最良の防衛手段であり、自分とその家族の衣食を賄う以上のものを持てば、貪欲で腐敗した官僚に奪われてしまうことを知っているのである・・・>

結局、1910年8月「日韓併合ニ関スル条約」により韓国/朝鮮は日本の領土になり、日本敗戦まで朝鮮総督府の支配を受けた。韓国人、特に特権階級の両班にとっては利権を奪われて無念だろうが、圧倒的多数の農民など被抑圧階級にとっては「解放」ではなかったか? 次号で考えてみたい。
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