「ウエストワールド(1973)」はイマーシブシアターの先駆けかも
どうも、ポテトです。
皆さん、遊園地などは行かれてますか?
最近では、お台場に存在したヴィーナスフォート(現在は閉館)の建物を利用したイマーシブフォートが今年にオープンして話題になったのが記憶に新しいですね。(私はまだ行けていないです。)
その中でも目玉となっていたのが、自分がその物語の住人になったかのような体験が楽しめるイマーシブシアターです。
イマーシブシアターというのは、
こういったものになっていて、近年では海外のみならず日本国内でもいくつか開催されるなど盛り上がりを見せています。
今回ご紹介する映画に登場するテーマパークは、それらの究極系ともいえる体験ができるのですが…
今回ご紹介するのは1973年に公開されたSF映画「ウエストワールド」です。
今作に登場するテーマパークである「デロス」では、 西部開拓時代のウエストワールドを含む3つの世界が存在し、選択した世界の中で訪問客は自由に過ごすことができます。
また、訪問客、従業員、技術者以外は全てロボットとなっており、中央部にて技術者によって管理されています。
余談ですが、現在の観点からいうと、「ロボットそれぞれにAI的なものが搭載されていて各々が状況に合わせて行動するんじゃ」と感じるところですが、作中の技術者を見たところ、中央部がプログラムしたシナリオ通りに行動しているみたいなので、中央部には技術者以外にも腕利の脚本家が沢山雇用されていたりするんでしょうか笑。(どうなんでしょう)
そういった部分からも分かる通り、価値観や概念の違いによる描写の異同が今見ると楽しい映画です。
主人公は6ヵ月前に離婚しており、リピーターである友人に元気を出すようにとデロスに誘われたことで訪れることになります。
この誘ってくれた友人がリピーターだからかは知りませんが、結構ノリのいい人でこういう人とテーマパーク行くと楽しそうですね。
そんな友人に対して、主人公は序盤イマイチ乗り切れていない感じで、自分もテーマパークとか好きなんですが、場の盛り上がりに比して自分を出しきれず乗り切れないことがあるので主人公に共感を覚えました。
主人公一行が酒場で飲んでいるところに見慣れたガンマン(ユル・ブリンナー)がやってきます。
私が好きなのもありますが、登場すると盛り上がりますね。
今作の脅威として登場するガンマン406号ですが、ユルブリンナーの代表作の一つである「荒野の七人」に登場するクリスと同様の服装をして登場します。
「荒野の七人」では、人情のある腕利のガンマンを演じていましたが、打って変わって今作では冷徹なロボットガンマンを演じています。
造形物によるロボット表現は中盤の修理工場での改修シーンや、それ以外では終盤の酸による損傷後ぐらいだと思うのですが、しっかりと序盤の方もロボットらしさ、不気味の谷感を感じるのは瞬きの回数が異様に少なく、違和感があるからではないでしょうか。
基本的に表情が少ないのですが、今作の起点となる場面である、ノリのいい友人がガンマン406号との決闘に負けてやられてしまうシーンにて、驚く主人公に対して行う不敵な笑みが非常に恐ろしいです。
やはり今作、このガンマン406号がどこまでも追い続けてくる恐怖の印象が強いのでどうしてもターミネーターなどをイメージしがちですが、ガンマン406号自体は無敵マシーンとかそういったものではなく、もちろん、ロボットであることによる、人間よりも優れた点(酸をかけられても動く等)もありますが、あくまでも各エリアごとの時代の人間を再現したものであるので、後半のねちっこさが余計に怖く感じるんじゃないかと思います。
後半のサスペンス逃走劇のイメージが強い今作ですが、前半の空想テーマパークシュミレーションのパートも面白く、「早朝のガンマンの襲撃」「酒場での乱闘」「深夜のロボット回収シーン」等、個人的には見どころがいくつもあり、後半のサスペンス展開に至るまでの間も楽しい映画です。
個人的に好きなシーンは、
・後半の修理場にて主人公を追跡するガンマン406号が薄暗い廊下をコツコツと歩きながら近づいてくる場面
→個人的に最も気に入った場面です。
製作側も手応えがあったのか、予告編でも多く使われていた場面となっています。
・ガンマン406号の使用する銃がバッテリー切れになる場面
→あの場面で銃がアップで映りますが、バッテリー切れとは一体どのような仕様の銃だったのでしょうか。
シリーズとしては現在も新作が製作されている有名作品「ジュラシックパーク」も手掛けた巨匠マイケルクライトンが脚本・監督を務めている今作。
基本プロットが似ていることなど、その後のジュラシックパークに繋がるエッセンスなんかを感じられたりもする作品であるので、是非未見の方はご覧になってみてはどうでしょうか。
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