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きらきら英語 第12弾 Part2 「英語の合理性」  - 英語は命名術のチャンピオン

 
Ⅱクイズ形式で行きましょう。ヒントがあればほぼ全問正解できるのではな      いでしょうか。
 
 <水生の生き物>
①  clown-fish(ピエロ魚)   ② ribbon-fish(リボン魚)                          ③ killer-whale(殺し屋鯨)  ④ frog-fish(カエル魚)                          ➄ catfish(猫魚)                     ⑥ sea-cucumber(海のきゅうり)  
sun-fish(太陽魚)            ⑧ devil-fish(悪魔の魚)
 
 マンボウ       ニモ(クマノミ)  ナマコ  タコ                                     リュウグウノツカイ  ナマズ  シャチ  アンコウ
 
前回は②までの解答・解説をしました。さぁ、あと6問。全問正解を目指してください。( ①は「ニモ」、②は「リュウグウノツカイ」でした)
 
 
<正解と解説>
  次に③ killer-whaleラー ホエイル) は「シャチ」です。水生動物の頂点に立つのはこのシャチであると言われています。なにしろ、あの ジョーズJaws(ホオジロザメ) をもまた捕食するらしいのです。シャチは哺乳類ですので鯨の仲間です。その攻撃の獰猛さと狡猾さを特徴として捉え、「殺し屋鯨」 killer-whale と名付けられました。orcaーカ)とも言います。蛇足ですが、シャチは獰猛さだけでなく「賢さ」でも有名です。「鴨川シーワールド」のユーチューブを一度ご覧になってください。
  なおホオジロザメは great-white-shark(グイト ホァイシャーク)と言います。「でっかい白いサメ」とイメージでとらえられています。
  また補足すると、killer は「殺し屋」ですので「痛み止め薬」は   pain-killer と言います。 pain は「痛み」、「ペイン」と発音します。「痛みの殺し屋」というわけです。


釣りをする魚 angler-fish アンコウ

 次は④ frog-fish(フログ フィッシュ) ですが、これは「アンコウ」です。 frog とは「カエル」です。ウェブでアンコウの顔を正面から撮った写真を見つけてください。100%納得しますよ。カエルもアンコウも口がまさに右から左まで長く伸びていますよね。だからです。共通点は顔の右から左まで伸びる長い口です。  またアンコウはもう一つ、 angler-fish とも呼ばれます。 angler(アングラ―) とは「釣り人」のことです。ほら、アンコウは上唇から餌の付いた釣り竿のようなものをヒラヒラさせて小魚を呼び寄せ捕食するじゃないですか。だから「釣り人さかな」とも呼ばれるわけです。


ネコさかな ナマズ

cat-fish は何でしょう。ズバリ、「ナマズ」です。これもナマズの顔を真正面から見たら頷けます。これはナマズの長いひげを猫のそれと連想して付けられているのです。 自分でナマズの顔の真正面からのイラストを描いてみてください。ひげがキーポイントです。
  cat-fish にはもう一つ面白い意味があります。それは「SNS上で他人に成りすまし、特に若い女性を誘い出し、悪いことを企んでいる男」という意味です。ナマズの顔がそんな悪人の風貌に見えるということでしょう。ナマズには失礼かもしれません。
  ⑥  sea-cucumber(シー キューカンバ) は「ナマコ」です。ナマコには赤ナマコと青ナマコがありますが、もちろん青ナマコからの連想です。色と形がキュウリを連想させるわけです。
  ナマコに似た生物にウミウシがいますが、これは sea-slug(シー スグ) と言います。 slug とは「ナメクジ」のことです。「海のナメクジ」という意味です。これもまた特徴をとらえたピッタリとくる名前です。
  ⑦  sun-fish は「マンボウ」です。マンボウは体がほぼ真ん丸ですね。この特徴を捉えた名称です。 sun(太陽)という名前をもらってさぞかし誇らしく思っているでしょう。 sun-flower はご存じ「ひまわり」ですね。
 余談ですが、マンボウは一度の産卵で約3億個の卵を産むそうです。日本の人口の約2倍ですよ。すごくないですか。ただし成魚になれるのはそのうち、2、3匹くらいらしいです。自然界は厳しい!


悪魔の魚 マンタ


悪魔の魚 タコ


  ⑧  devil-fish(デビル フィッシュって何でしょう。「悪魔のような魚」が直訳です。悪魔ですから外見がグロテスクな水性の生き物に違いありません。さぁ、想像してください。正解は「タコ」です。西洋ではタコは一般に食べません。食べないどころか、 devil とあるように、「恐ろしいもの」と捉えられています。タコの足は英語で tentacleンタクル)と言いますが、1977年には「テンタクルズ」という、巨大なタコを主役としたパニックホラー映画が大ヒットしました。(タコは一般に octopus  クトパスと呼ばれています) 


  また devil-fish は別の水生動物の名でもあります。やはり「悪魔」を想像させる生き物です。それは両翼8メートル、体重3トン。角(つの)のような突起を頭部左右に一本ずつと数メートルにもなる細長いしっぽ持ち、海の中をゆったり堂々と泳ぐ魚です。正解は「マンタ」、「イトマキエイ」のことです。
  
  さて、何問正解できましたか。どれもこれもまさに合理的に命名されていることがお分かりにになったことだと思います。日本語も同じような要素はあるかと思いますが、英語はこの点が極められています。
 
  おまけ。 star-fish って何でしょう。そう、「ヒトデ」です。やはりよくできてますよね。説明なんかいりません。では five-finger とは? これも 
 「ヒトデ」なのです。「なるほど!」ですよね。ヒトデは「星形」であり、 「五本指」が」特徴ですので。gold-fish も説明不要ですね。 「金魚」です。よくできてます。英語の命名術の合理性の話です。
 
 
<補足>
  ここで補足です。みなさんは fish は「魚」と覚えましたね。ところが実は英語の世界では fish は必ずしも「魚」ではないのです。例を挙げると、 jelly-fish(くらげ)、 shell-fish(貝、またはエビ、カニなどの甲殻類)、 star-fish(ヒトデ)、cuttle-fish(イカ)などがあります。つまり、 fish の本当の意味は、「魚も含めた一部の水生動物」だったのです。これも覚えていてください。何かの余興に使えるかも! (発音は jelly が「ジェリー」、 shell が「シェル」、 cuttle が「カトル」 )です。 
 
 
  以上、「英語は生き物や事物の特徴を捉えて名称を考え出す天才的言語」であることを、「水生生物」という観点から考察しました。次回は別の視点からやってみます。お楽しみに! では、Bye-bye!

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