英語は楽し! 第9弾「英語の世界の動物たち」
Ⅰ 今回は、英語の世界の動物たちというタイトルです。日本にもありますね。例えば、狸のイメージと言えば「のらりくらりと人を惑わす名人」、牛なら「ゆったりした力強さ」、ネズミなら「すばしっこい」といったふうに。
今回は英語の世界ではどうなのかをお伝えします。
英語は日本語の世界より幅広く、楽しいものがたくさんあることが分かるでしょう。
なお、犬と猫については本サイトで近いうちに特集しますので、今回は取り上げないことにします。
では、今回もお楽しみください。さぁ、 Here we go!
Ⅱ 本論
①ウサギ(rabbit ラビット)
ウサギ rabbit(ラヴィット)は英語の世界では「多産」のイメージとして捉えられています。アメリカで一世を風靡した男性雑誌「PLAYBOY」誌はオスの黒ウサギが象徴となっており、そのイラストが必ず記載されています。なぜか、それは、この雑誌は男性専門誌だからです。すなわちエッチな本なのです。女性のヌード写真がふんだんに記載された男性の性欲をそそる雑誌なのです。そこが多産を特徴とするウサギと重なり採用されている、というわけです。「性欲旺盛な人」というニュアンスです。「スケベ」という意味でもあります。
なお「ヌード」は英語では nude と綴られ、「ニュード」と発音されます。 なお、ウサギにはもう一つ言い方があります。 hare(ヘア)です。野に生きる野生のウサギ、野ウサギを指します。ペットとして一般に知られているのが rabbit です。イソップ物語の「ウサギと亀」に出てくるウサギは hare です。
②ワニ(crocodile クロコダイル)
日本語ではただただ貪欲で恐ろしいばかりのワニですが、英語の世界ではとてもかわいいのです。 crocodile tears(クロコダイル・ティアズ) というフレーズがあります。 tearは「涙」です。つまり「ワニの涙」というフレーズです。
「ワニは涙を流して獲物をおびき寄せ、涙を流しながら食す」という伝説(逸話)が由来になっています。しかしそれはもちろん泣いているのではありません。ただ、ワニが涙を流しているように見えるときはあります。食事の際に口の動きで涙管が刺激されたり、何時間も陸上にいたときに目の潤滑のために涙管から水分が出てくるなどです。でもとにかくワニは泣くことはできません。というわけで、 crocodile tears は、「ウソ泣き」という意味です。頭のいい子どもが親から叱られてしくしくと泣いている振りをしているときに流すのが crocodile tears です。「しめしめ」なんてほくそえむ声が子どもから聞こえてきそうなフレーズです。
ところで英語は、実に「韻を踏む」のが好きな言語なのです。例えば、英語圏の男女の代表ネームは、 Jack(ジャック) と Jill(ジル)です。これは J で韻を踏んでいます。 Jack and Jill を「ジャック・アン・ジル」と、何度か調子よく口ずさんでください。なかなか調子よくかわいいですよ。日本では「太郎」と「花子」でしょうが、韻には無関心です。
この韻の世界に crocodile が登場します。それは、 See you later, alligator. After a while, crocodile. というフレーズです。 これはその日のお別れの合言葉で、 see you later も after a while も「バイバイ」という意味です。 alligator(アリゲイタ) も「ワニ」です。「ワニさん、じゃ、またね」 「またね、ワニさん」と和訳してもなにも面白くないし、意味もないです。これは発音して楽しむフレーズです。「スィー・ユウ・レイタ・アリゲイタ」 「アフタ・ア・ワイル・クロコダイル」と調子よく口ずさんでください。
なぜこれが楽しいフレーズかというと、それは韻踏みが二か所もあるからです。黒塗り部「レイタ」の「レイ」と「アリゲイタ」の「ゲイ」とが、「エイ」という音で韻を踏んでいますね。次に、「ワイル」の「ワイ」と「クロコダイル」の「ダイ」が、「アイ」という母音で韻を踏んでいます。しばしのお別れの寂しさを、楽しくこのあいさつを交わすことで紛らわしているのでしょう。よくできたフレーズだと感心します。皆さんも是非、試してください。
同じように、 「バイバイまたね」の意味になるあいさつとして、 Bye-bye, Butterfly! なんてのもあります。「バイ・バイ・バタフライ」と「バ」を3連発です。チョウチョが登場していますね。「またね、ちょうちょさん」という意味です。また、 Take care, Polar bear! 「テイク・ケア・ポ-ラー・ベア」は「ケア」と「ベア」の「エア」で韻を踏みます。polar bear は「ホッキョクグマ」です。「ばいばい、気を付けてね、ホッキョクグマさん!」という意味です。これは北極クマの登場です。このように、英語のこの類のあいさつには必ず動物が登場するんです。ここも面白いところです。
②キツネ(fox フォックス)
キツネも日本語と英語とは重なります。 英語にはsly as a fox というフレーズがあるくらいです。 sly(スライ)は「ずるがしこい」という意味です。「詐欺師」みたいなニュアンスになります。イソップの物語の中に、「酸っぱいぶどう」という作品がありますね。背伸びしても届かないブドウの実をあきらめるときに、キツネは、「どうせあのブドウは酸っぱいんだから食べられないんだ。いらないや」とふてくされました。これを「負け惜しみ」と言います。この負け惜しみ発言がキツネに任されたのも、この辺りに理由がありそうです。ちなみに「負け惜しみ」は英語では sour grapes(サウア グレイプス)と言います。意味は「酸っぱいブドウ」です。もちろんイソップ物語から来ています。
かと思うと、ポジティブな側面もあります。キツネはよく見ると、目がきりっとしており、鼻筋も通っていてとても凛々しいです。また、オスならイケメン、メスキツネなら美人です。ということで、 fox には「とてもセクシーな男」「絶世の美女」という意外な意味もあります。
④ふくろう(owl アウル)
ふくろうは世界的に「賢者」「縁起がいい」というイメージです。フクロウは見た目にもとてもかわいいですが、それ以上に、ぐっと目をつぶってじっとしているさまは、まさに「森の哲学者」です。日本にフクロウのイメージがこのように根付いたのは明治時代以降であると言われています。というのは、日本人はふくろうに「不苦労」とか「福来郎」、「福路」などの当て字をしたからだとも言われます。日本人は古来、言霊(ことだま)を信じる民族であるとの評判もあり、ふくろうの「ふく」を「福」と捉え、縁起の良さを感じたのでしょう。ふくろうの人形が出窓などに飾られている家を時々見ますね。
また、ふくろうは夜行性なので、夜眠らないというイメージから、「夜型の人」を night owl(ナイト・アウル)と英語で言います。 owl train(ナイト・トレイン) なら「夜行列車」となります」
⑤魚(fish フィッシュ)🐟🐟🐟
fish にもたくさん楽しいフレーズがあります。 fish out of water は「水から出た魚」、つまり、「陸地に出た魚」という意味です。さて、水から出た魚が元気いいでしょうか。これは「しょんぼり元気がない」という意味です。
drink like a fish は「魚のように飲む」です。魚は決して水を飲みながら泳いでいるわけではないのですが、そう見えるところからできたフレーズです。でも飲むのは水ではありません。では何を飲むのでしょう。お酒です。これは「大酒のみ」という意味なのです。
many fish in the sea は「海にはたくさんの魚がいるよ」という意味ですが、これは例えば、彼女(彼氏)から振られた人に向かって言ってあげると効果的なフレーズです。振られた友人に There is many fish in the sea. と言ってあげると、 その人を慰めることができます。「海」は「世の中」を指します。では、 fish は何を指すのでしょう。「世の中には fish がたくさんいるよ!」で、振られた人の慰めの言葉になるとすると・・・。そう、 fish は「男性」「女性」を指すのです。「ほら、あんまり気を落とすな。世の中にはいい人はまだまだたくさんいるよ」というわけです。
To Be Continued
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