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佐渡島採集遠征記 後編

初日で狙いのサドマイマイカブリを採集した一同は
悪天候予報の二日目を迎える。

二日目


午前8時ごろに起床、部屋から外を覗くと、、、

部屋からの景色。晴れてる!

晴れている!!!!!!
悪くなるかもしれないが善は急げ。一同大急ぎで身支度を済ませ出陣。
小佐渡方面へ車を走らせ初日同様よさげな立ち枯れを探しながら進みます。
探索開始から約30分、二日目第一号を発見!

完品の綺麗なサドマイマイカブリ

この個体はとりあえずまだ出せていないY氏に譲ることにしました。
サドマイマイカブリは立ち枯れの樹種や地面からの高さ、内部の湿度などにこだわりがある他、集団では越冬しないタイプのようで良い物件が少ないと苦戦を強いられてしまいます。
果たしてY氏は自己採集することができるのか。初のマイマイカブリ採集に期待がかかります。

しばらくして雨脚が強まってきたので撤退。離島や慣れない自然奥深くでの採集では引き際の判断が重要となります。限界採集を美徳としてはいけません。

撤退した一同はせっかく佐渡に来たということでトキを見に時の森公園へ。

入り口にはトキのポストが。ちょっと怖い


トキの森公園では日本最後のトキ「キン」のはく製や、中国からの支援を受け復活させたトキの飼育繁殖が行われています。
写真でしかみたことがなかったトキを生で見る日が来るとは思ってもみませんでした。
トキは非常に憶病で神経質なようで施設内でも刺激を与えないよう様々な工夫がなされておりました。
Y氏は本格的なカメラを使ってトキの美しく気品ある姿にシャッターを切っていました。

日本産トキ「ミドリ」の剥製
飼育されているトキ達
望遠鏡とスマホを駆使してして撮影した一枚

そうこうしているうちにお腹もすいたのでお昼を食べに。
二日目はこれまた佐渡名物のブリカツ丼!
寿司 長三郎にて。

寿司 長三郎



佐渡の天然ぶりを使用したブリカツ丼。
身がもうふわっふわでめちゃくちゃ美味しかったです!

めちゃくちゃ美味かった


大満足で店を出るとなんと雨がやんでいるではありませんか。
これは行くしかないと一同再び山へ向かいます。
今までは道路わきから浅い場所でしたが、より奥へと良い材を求め歩いていきます。各々が目を付けた材を調べていきます。

体を張って探すY氏


するとここでY氏がサドマイマイを発見!
しかも2匹同時です!初採集でダブルヒット!この男、もっている。

初採集に満面の笑みのY氏

丸一日雨予報の二日目に全員が自己採集を達成。思ってもみない成果に
安堵した筆者。
雨もだんだん強まり、一同寒さに耐えかね二日目の採集はここで終了です。
ちなみにこの日の気温は5度。そこに雨と風のダブルパンチ。
あまりの寒さに一同は温泉へ。

寒さに凍えながら温泉に到着した筆者。

新穂潟上音泉に到着。天然温泉独特のあの体の内からぽっかぽかする感じ溜まりませんね。滑る斜面で踏ん張り続けた脚、一日中つるはしを振りかざし続け酷使した腕、寒さで冷え切った体が生き返ります。

温泉でぬくぬくになった一同は二日連続で回転ずしへ(笑)
二日目は廻転寿司 弁慶へ。初日のまるいしの2トップらしいのでこちらも。

廻転寿司 弁慶


こちらの方がのどぐろが少しお安く楽しめるようですがK氏、今回は見送るようです(笑)
こちらもまた鮮度抜群のネタで一同舌鼓を打ちます美味い〜

カワハギの肝のせ
中トロ!


またまた贅沢に海鮮を満喫した一同。
宿に戻り、最終日に向け作戦会議です。
二日目は悪天候もありましたが、そもそも松の立ち枯れが少なかったため思うように採集できませんでした。
最終日は松林を狙いうちにすべく様々な地図をあわせポイントを絞っていきます。明日は昼過ぎまで天気は良いとのことなので早朝突撃です。
最後の戦いにむけ早めに就寝。

最終日


午前6時、起床。
いよいよ佐渡島遠征も最終日を迎えました。
お世話になったホステルに別れを告げ、早朝の佐渡の街を走り抜け松林へと向かいます。

最終日の朝、天気は大丈夫!さぁ行こう!

目をつけていたポイントに到着。読み通り松林が広がっていました。
材も多く各々目ぼしい材に飛び掛かっていきます。
事前情報と上陸後の採集パターンを照らし合わせ材を選ぶも中々当たりません。
とここでK氏がこの日第一号を採集。Y氏がパスした材からの採集です。

サドマイマイカブリ


昨シーズンまでは筆者が取りこぼし回収係だったのに今や回収する側となったK氏。彼の進化は止まりません。

私も負けじと教科書のような立ち枯れから採集!少し乾燥気味の材でしたがいましたねぇ。

立ち枯れから出土したサドマイマイカブリ

この日はなるべく多くのポイントを開拓したかったので、30~1時間を目途に移動していきます。
次のポイントでは谷底にある背の高い立ち枯れから採集。
斜面でジャンプしながら掘り進め何とか採集できましたが、足元に鋭利な倒木が多数ありましたので皆さんはマネしないでください。

谷底からひょっこりする筆者

ここまでなんとか天気は持っていますが時折霰や小雨が降ってきました。
連日の雨でぬかるんだ地面が体力を奪います。

先ほどのポイントからしばらく移動。
急斜面を上り切った先に松林を発見。登りきると平面になっており歩きやすかったのでここを重点的に攻めていきます。

途中見つけたキノコ。
サルノコシカケ的なやつでしょうか?

歩き進めると岩や倒木の上に倒れ、地面から高さのある松材が。
先端部は触るだけでほぐれるほど柔らかい。手から伝わるこの感触を信じ掘り出すと、、、

ダブル!!


きました!!!!ダブルヒットです!!これまた美しい個体!
ん?描きだした材から何か細長いもの
が、、、、

なんと3体目!もしかすると神材かもしれない!

3匹目!


そう思い反対側もチェックしてみると

またもやダブル!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
またもやダブルヒット!!なんと5匹も掘り当ててしまいました!
最後に優良物件を引き当てた筆者。
脳汁ドバドバダダ洩れです。
撤収後K氏、Y氏にどや顔報告したのは言うまでもありません。
以降採集時の生体写真が続きます。

そうこうしていると時刻は13時を過ぎレンタカー返却の時間も迫っていました。
次で最後にしようと車を走らせた一同に悲劇が

某マップアプリを信じ進んでいたところ荒れ放題で微かに轍が残っているような悪路に侵入してしまいました。枝も道にはみ出しまくっており、降りて枝を抑える役がいないと進めない状態に。もうこうなると歩きと変わりません。
抜けた先の大通りまでは果てしない道のり、、、
さらにここでガソリンも残り1メモリを切る終い。
無理に進めばスタックの可能性もあります。
迫る返却時間、傷一つ許されない緊張感。
既に一同サドマイマイのことなんて1ミリも考えていません。

枝をどかすK氏。これでもまだマシな方でした…


皆無事に抜け出すことだけを考え必死でした。
ここで一同、道を引き返す選択を取ります。
転回するスペースはほぼなかったので
可能な限り障害物をどかし何とか転回に成功。
来た道を戻るころには悪路にも少し慣れ、行きよりもスムーズに進んでいきます。
引き返し約30分、やっとアスファルトの路面に戻ることができました!
人生で初めてアスファルトで感動した瞬間、
一生忘れないですね。

死に物狂いで悪路を脱出した一同は
無事返却時間に間に合い事なきを得ました。
もろもろの手続きが終わり空を見上げると
虹がかかっていました!
まるで我々の苦労を労うかのような、美しい景色でした。いやほんとに良かった……

港にかかる虹。美しい

フェリーの時間までお土産を物色。
そこで目を引いたのがこちらのカニコーラ。
お疲れの意味もこめて皆で乾杯!

乾杯!!


んーーーー、美味しいけどカニはどこに???(笑)
なんとも不思議なコーラを飲み干したところでフェリーに乗り込みます。
帰りはカーフェリーでゆっくりと帰ります。
ジェットフォイルと比べると
揺れも小さくゆったりと進んでいきます。


遂に2泊3日の佐渡島遠征が幕を閉じます。
結果はサドマイマイカブリのみとなりましたが十分な数を採集することができました。
悪天候もあり思うようにいかないことも、トラブルもありましたがそれも採集の醍醐味。
美味しい海鮮、温かく迎えてくれた佐渡の人々、豊かな大自然。
本当に素晴らしい島でした。全てに感謝です。

どんどん離れていく佐渡島。
ありがとう!


長くなりましたがご覧いただきありがとうございました。

以上、佐渡島採集記 [完]


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