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ショートショート

その一。
Aさんの家の庭。四隅には、満タンの水瓶が置かれている。毎日、祖父が水瓶に水を注いでいるからだ。けれども不思議な事に満タンの水瓶一口(いっこう。水瓶の数え方)に対し、毎日バケツ2杯分の水を注いでいるのに、一度も溢れる所を見た事が無い。

その二。
「ママとパパのところにくるまえは、ママとパパがいじわるしてたひとだったよ」と、子供が言った。

その三。
小学校6年生のA太くん。B子ちゃん。C男君の仲良し3人組でコックリさん。をした時の話。
「コックリさん。コックリさん。おいでになられましたら、はい。の方へ動いて下さい」
動き出した10円玉。
順番に色んな質問をしていき、コックリさんの返答に一喜一憂する3人。お調子者のA太くんはこう聞きました。
「この3人の好きな人を教えて下さい」と笑いながら。
10円玉はこう動きます。
「ええたはびいこがすき。びいこはしいおがすき。しいおはええたがすき。」
暫くの沈黙が続き、コックリさんにお帰りいただき、3人も帰りました。

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