炭酸水を刺繍にした詩集を買う、素敵なアルパカ叔母さんのお話
もふもふの、首の長い動物を知っていますか？
毛色は色々です。
茶色でしたら明るい系からダーク色まで。
白や黒もいます。
マダラのマーブル系もいます。
でもね、叔母さんのように素敵な毛色は他では見ませんねえ。
アルパカ叔母さんは、歌が大好きです。
歌うのも好きだし、聴くのだってもちろん。
叔母さんの趣味は、もう、凄いんです。
なんと、地球を一周することですって。
叔母さんには相棒がいます。
人間です。
名前は忘れました。
人間は、叔母さんのことが大好きで、大きなトレーラーで移動する生活をしています。
生活の為の収入源は、叔母さんのショーです。
時々、依頼された公園や幼稚園などの施設に寄って、叔母さんが得意の芸をします。
これがまたウケるらしいです。
叔母さんが自慢していました。
ある時、人間がとあるお店の前でトレーラーを停めました。
そして叔母さんに、
驚かないでね。
と耳打ちしたそうです。
お店を出たとき持っていたのが、小さなリボンのついた紙袋。
プレゼントだよ、開けてみて。
人間はちょっと恥ずかしそうに言ったそうです。
開けてビックリ。
そこには、あの叔母さんの素晴らしいもふもふ毛色にぴったりのスカーフが。
叔母さんの毛色が知りたいですか？
それはね、夜空に炭酸水の粒をまぶしたような。
そうですね、空気の綺麗な森の中で見る星空のような。
スカーフの色も知りたいですか？
それはね、夕焼けのような朝焼けのような、ピンク色とオレンジ色と水色がマーブルマーブルになったような。
しかも、本物の炭酸水を刺繍してあるんです。
キラキラと弾いて、これ以上のものはありません。
でも叔母さんはこう、人間に言ったそうです。
あなた、これ幾らしたの？
金銭感覚が鈍ってはいけませんよ。
「炭酸水を刺繍した詩集」は、本日特別バーゲン中なのよ。
そのために寄ったのに。
人間はがっかりしましたが、すぐにスカーフを返品して「炭酸水を刺繍した詩集」を叔母さんに渡しました。
そう、これが欲しかったの私は。
叔母さんが満足そうに詩集のページを巡るのを、人間はこの上なく嬉しそうに眺めていました。
気が付いたら文字数を超えていました。ごめんなさい！
炭酸刺繍…素敵なwordに惹かれました。
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