読書記録 2023.7〜2023.9
長い間読書から遠ざかっていた私は今年7月に読書界隈に戻ってきた。3ヶ月とキリもいいので今月までに読んだ本をここにメモしておく。
〈7月〉
・ひと/小野寺史宜
・マリコ、うまくいくよ/益田ミリ
〈8月〉
・おいしいごはんが食べられますように/高瀬隼子
・推し、燃ゆ/宇佐見りん
〈9月〉
・西の魔女が死んだ/梨木香歩
・コンビニ人間/村田沙耶香
・アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス
・ハンチバック/市川沙央
以上、計8冊。
たくさん読んでいた感覚だったが実際はそんなこともなかった。とは言っても、これまでは年間で1冊読めばいい方という生活を送っていたのでそれに比べたら大きな進歩だろう。
「ひと」と「おいしいごはんが食べられますように」は独身時代に買って読み終えないままになっていた本だった。この機会に最後まで読めてよかった。
「ひと」は主人公の聖輔があまりにも善人過ぎて物足りなさを感じていたのだが、彼が善人だからこそ周囲の人の人間性をひねくれずに読者に伝えられたのかもしれないとも思う。
「マリコ、うまくいくよ」、「推し、燃ゆ」、「西の魔女が死んだ」はまだ自分の中で消化しきれていない。
「マリコ、うまくいくよ」、「推し、燃ゆ」はあまりピンと来ず、私がこの本を理解できる段階にないのかもしれないと思った。もっと後になってから読み直してみようと思う。
「西の魔女が死んだ」は、おばあちゃんはどうやら魔女らしいと描かれる一方で、実際は娘や孫との関係に悩む1人の母親/祖母であるという部分が印象的だった。世の中には人生を楽にしてくれる魔法など存在せず、結局は自分自身の選択なんだよなとしみじみ感じさせられる。身近な人の死についてはまだ語る段階にないので、これもまた後で読み直そうと思う。
8つの中で個人的に一番好きな作品は「おいしいごはんが食べられますように」だ。これは衝撃だった。対人関係のもやもやをこうもうまく言語化し、物語にすることができるのかと心底感心し打ちのめされた。まったく思い通りにならず最後までもやもやしているというのが、嫌になるくらい現実的だ。私が芥川賞受賞作に興味を抱くきっかけとなった作品である。
次は高瀬隼子さんの「いい子のあくび」、辻村深月さんの「かがみの孤城」あたりを読みたいと思っている。
またいい作品に出会えますように。
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