僕っ娘、俺っ娘、わしっ娘

ネットをだらだら眺めていると(暇人の正しい日常)、一人称に「僕」「俺」を使用する若い女の子を見かける。
そして、そこには必ずと言っていいほどその一人称を非難…とまではいかないがネガティブな表現で物申すコメントが付属している。

おそらく、そのコメントをしているのはBBARと同じ年頃の中高年だろうと勝手に偏見をもっているのだが、BBAR自身は正直どうでもいい。
他所の娘が自身をなんと呼称しようが、BBARの人生には1ミリも影響しない。
だからクッソどうでもいい。
可愛い女の子の一人称が「それがし」や「吾輩」や「麿」だったら、その子の事はフォローしたいかもしれない(「朕」なら老婆心ながら注意するかもしれん)
しかし、この多様性の時代に「僕」や「俺」なんてありきたりすぎて何とも思わんのだ。

ちなみにBBARには年頃の娘がいるのだが、彼女が自身を「うち」と呼称するようになった時期がある。
BBARは東方の魔女なので、西方の女性の一人称であるところの「うち(語尾が下がる)」ではない。
東方訛りの語尾上げ「うち」である。
西方の方にはよくわからないかも知れないが、東方でもBBARが住んでいる地域でのこの一人称は、WaiWai系の黒魔女が使う事が多かった。
(今は知らんがBBARが若かった当時はそうだった)
当然、うら若き乙女だった当時のBBARをイジメてくれたガン黒魔女も使っていた。
その時ばかりは懐XLのBBARも「頼むからそれだけはやめてくれ」と頭を下げた。

そう、頭を下げるのだ。
自分が自分をなんと呼ぼうが、それが自身の職業とは違う役職を意味する一人称でない限り自由だ。
それを、かつて自身をいじめてたガン黒を思い出すなどという超個人的理由で変えさせるのだから、頭を下げて当然である。
それがBBARの考えだ。

だが、ひとつだけどうしてもモヤモヤしてしまう一人称が存在する。
それは某グルメサイトの口コミに巣食う「小生」という奴だ。
BBARは知らない街に行く事が多く、グルメサイトをよく閲覧する。
いくつかの候補から最終決定をする際に口コミを参考にしたいのだが、それをことごとく邪魔しやがるのが「小生さん」だ。
知りたい情報は、混み具合や店の雰囲気や実際の料理の量など。公式の情報にはない細かな部分だけ行ったことがある人から教えてほしい。
それが口コミというものなのだと思うのだが「小生さん」は、まず自分語りから始まる。
やれ最近運動不足だの、コロナが落ち着いてきたから誘いが増えただの、久しぶりに遠出しようだの…聞いてねぇ〜よ!というような事をだらだらと書き連ねる。
中には自分語りのあと当該店舗に行く前に立ち寄った別の店から始まり、その後の足取りを説明したのち、小寒い親父ギャグでしめるという強者も存在する。

小生というのは男性が自身をへりくだって言う一人称だ。なので、おそらくは中高年の男性であろう彼らが小生を名乗るのは何の問題もない。
だが、グルメサイトに出没する「小生さん」とSNSに存在する「僕っ娘、俺っ娘」には明確な違いが2つある。
1つは前者が検索をメインとしたサイトであるのに対し、後者がコミュニケーションを目的とした場である事。
もう1つは他者からのリアクションの有無である。

「僕っ娘」や「俺っ娘」は、そう呼称する自身と仲間との交流を目的としてコミュニケーションサイト(アプリ)を利用し、リアクションがある事も承知している。
中にはアンチや荒らしと闘う猛者もいるかも知れないが、それはそれで責任を負っているとも見える。
だが、「小生さん」は店舗検索を目的とした相手に、一方的に長々と自分が語りたい内容ばかり語り尽くしリアクションをさせない(っていうか機能的に出来ない)。
そんな身勝手な行為を平然とやっているくせに、小生などと自身をへりくだって見せている辺りに、BBARは脂ぎった昭和オヤジ特有のイヤらしさを感じてしまうのだ。

まだ、リアルでもネット界隈でもお目にかかった事はないが、アニメ・マンガ界のキャラクターには若い姿の女性として描かれていながら「わし」の名乗る「ワシっ娘」というのが存在する。
儂というのは、現代においては男性が同輩や下の人間に向かって使う一人称だ。
リアル界の若いお嬢さん達が使い始める前に、グルメサイトの小生さんには是非とも儂を使用していただきたい。
尊大な態度には、それに相応しい一人称を。
それくらいの潔さがあった方が、まだ可愛げがあろうというものだ。

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