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【②家具やインテリアを計画してみよう】01:3/3エントランスを作る @アンダイの家具


6.現場で組み立てる

いよいよアンダイのエントランスに建て込みます。
当日は建具屋さんが2名でいらっしゃいました。

今回の現場で気になるのは2点です。
一つは傾斜地に建っている建物なので、高さの基準をどのようにとるかということです。
もう一つは、建物に対して斜め(18度)に組み込むため、これをどのように計測するかということです。

高さに関してはある程度予測して大きさ違いのアジャスターを用意しているので、これで調整します。
まずは基準となるレンガブロックの上に西面の格子を建て、北面と南面の格子を組み合わせます。
アジャスターの高さは必ずしも予想通りではなかったのですが、レーザー墨出し器を使用して調整しました。

一方でやっかいなのが、斜め18度をキープすることです。
建物の内と外で別のパーツがつながって立方体を構成するように考えているのですが、間に太い柱が入っているためレーザーで直線を出すことができませんでした。
1か所は18度をキープしたのですが、目測で組んだため若干矩(かね=直角のこと)が出ていない部分があるようです。見る人が見れば立方体のつなぎめがずれているのを指摘されそうです。
(細かいところですがチェックしてみてください)

当日は雪だったので店内に部材を広げています。
まずは屋外の格子を建てます。 その前にアジャスターを取り付けます。
北/西/南の各パーツを建てる位置に仮置きします。
コーナー部分の連結には3人がかりでした。
高さがうまく決まらないのでアジャスターを調整しながら連結しました。
無理な力がかかって連結部が割れた!
まだ仮組状態なので水平が出ていないようです。
アジャスターで高さを調節するとともに、この斜めの角度が18度になっているか調整しました。
こちらは部屋内のアジャスターです。
屋外はステンレスですが屋内はユニクロにしています。
黄色いテープは墨です。

1日目は格子の組み込みまでで終了。2日目に躯体との固定を行いました。
サインと照明は次回となりますがなんとか形になりました。
思った以上にたいへんでした。

7.レーザーでサイン等の加工を行う

レーザー彫刻機を入手しました。
中華ブランドのとても安価なものです。
一般的にしっかりしたレーザー彫刻機は彫刻するものを箱に入れた状態でレーザー加工します。
そのため自ずと彫刻できるものの大きさが決まってきます。
当初は森林組合さんにお願いしていたのですが、サイン(看板)が大きすぎて入らないということになり、私が自分で彫刻を行うことになりました。
私が入手したものは彫刻するものの上にかぶせるように置くタイプで、これだと大きなもの(例えばドアとか)にもレーザー彫刻が可能です。
実験を兼ねてチャレンジしてみました。

まずはこの形に組み立てました。 いらないベニヤやMDFを使用してテストしてみます。
高価な彫刻機は焦点を決めるのですが、こちらはざっくりしています。
他の方のサイトを見ながらレーザーの出力、移動スピード、彫刻の方法等を実験してみました。
こちらは彫刻を制御するLaserGRBLというアプリです。
大きなものを彫刻すると2時間くらいかかったりするので、パソコンを別途用意しました。
なんとか彫刻できました。 色は茶色というよりかなり黒に近くなりました。
出力を落とすか移動スピードを速めるともう少し薄くなるようです。
こちらの看板は幅が730mmあるため一度に彫刻できませんでした。
うまく3分割になるようにレイアウトしなおして3回に分けて彫刻しました。
たいへんでしたが思ったよりうまくつながりました。
天井に貼るボードはφ900とかなり大きいものです。 6回に分けて彫刻しました。
若干のミスはありましたがなんとかできあがりました。

レーザーはこれ以外にポストの住所表示にも使ってみましたが、いろいろ癖がありそうなのでまだまだ実験が必要です。

8.照明と天井の加工

さてあとはできあがったサインと天井パーツを取り付けて照明工事を行うだけです。

照明本体は自分で購入し電気屋さんに来ていただき工事をしてもらいました。
エントランスの内部と外部の配線は今まで使用していなかったので、使えるか分からなかったのですが使えることが判明しました。


OPEN/CLOSEサイン部分
アンダイメインサイン部分
室内の天井への間接照明

サインは格子の切り欠きが甘かったので削ってはめ込みました。
OPEN/CLOSEについては、ケンドン式にして下部をマグネットで固定します。これで裏表ひっくり返すことができます。


メインサイン
OPEN/CLOSEサイン
OPEN/CLOSEサイン

天井のモニュメントは地震で落ちてこないように取付方法に苦心しました。
使用する合板は森林組合にお願いしスギの12mmとしました。けっこう軽いものです。
まずベースとなる直方体の板を蛍光灯の枠にタッピングビスで12か所固定します。天井から吊り金具で固定されているので大丈夫と電気屋さんのお墨付きを頂きました。ビスが見えるところはビスキャップで隠します。
これに円形の合板を取り付けるのですが、悩んだ末に鬼目ナットを埋め込んで化粧ビスで取り付けました。
『一人で施工しやすい』『ビスが抜けづらい』『板が交換できる』というのがその理由です。

ベースの合板にタッピング用の下穴を12か所開けます。 鬼目ナットを6か所取付
ベースの合板に対して円形の合板を化粧ビスで取り付けるのですが、
軽いスギとは言え押さえながら天井につけるのは難しく
開口部分と鬼目がなかなか合ってくれません。
1時時間くらい苦労した末に鬼目に割りばしを差し込みガイドとすることを思いつきました。
やっと貼りつけることができました。
きれいについています。 ディズニーシーっぽい!!

これで一通り完成しました。

9.これで完成です!!


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この原稿を書いた人【インテリアプランナー:鹿野勝則】

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