正しいことばかりが正義じゃない

とんでもなく悲観的になり、同時に世界が憎たらしく感じる日がある。こんな日は、渋谷の地面に転がっている吐瀉物も怖くはない。私が1番下で、何よりも下で、そう感じるから。

いっぱいいっぱいになって爆発したときの、あなたのその面倒くさそうな顔。全てが顔に書いてある。彼女は1度、私にこんな言葉を掛けてくれた。
"私の方が辛くてしんどいのに、泣いたもん勝ちじゃん"
貼り付けたような笑顔。いつもより少し大きな声。
「ありがとうね」
怒っている。隠す気があるのか、無いのか。
そんな顔を見てまた、私も涙を浮かべる。
「ありがとう」

ありがとうとは何だろう。文字にしてしまえば全て同じだけれど、言葉にすれば憎たらしい言葉に化けることもできる。

とりあえず、東京は嫌いだ。

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