声をあげる先人たち

今週読んだ東京新聞の記事

世界的な活動へと発展した原水爆禁止を求める署名運動。
ムーブメントを起こしたのは、
杉並区の魚店の女将さんと、その周辺に住む女性たちだった。

今からおよそ70年前に行われたビキニ環礁での水爆実験。
「第五福竜丸」の乗組員と沿岸を泳ぐ大量の魚が被ばくした。
その影響で、当時魚店では魚が売れなくなり、
地元の魚商組合は、「原水爆禁止を求める」署名運動を行うことを決定した。

署名運動への協力を呼び掛けたのは、一軒の魚店の女将さん。
講演会で大勢の人々が集まるなか、
震えながら手をあげて「魚が売れなくて困っている」と訴えたという。

彼女の勇気ある行動を見た講演会の参加者たち。
「これは、魚店の女将さんだけの問題ではない…」
みんなで考えなければいけない問題だと、彼女の問題提起は賛同を呼び、
わずか2カ月あまりで、杉並区だけで27万以上の署名が集まり、
やがて署名運動は、全国に広がったという。

そこで大きな役割を果たしたのは、杉並区の女性たち。
当時はまだまだ女性の社会的地位は低かった時代。
「〝署名〟することは、自分の意思を表示する手段だった」という。

その女性たちの写真が残っている。
しっかりとカメラの方を向き、堂々とした表情。
いい写真だなと思う。
自分たちの声が、世の中に発信され、大きなうねりとなる。
世の中が変わっていく。
どんなに、誇らしかっただろうと思う。

女性とか男性とか関係なく、
社会問題に対して、声をあげた人々が報われると
自分もなんだか嬉しく感じる。

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