フランス人観光客から教えてもらったこと

六本木の居酒屋で、30代のフランス人カップルと話す機会があった。
九州、大阪など、約30日間にわたり日本を観光したカップル。
学生時代は、「政治」を学んだらしく、日本の〝政治〟にも興味津々だ。

例えば、見せてくれたのは1枚の写真。
民家の塀に、「公明党・山口那津男氏」のポスターが貼られている。
ポスターを指さして・・・

「これは何だ?」と。

私が「政党のリーダーだよ」と答えると

「日本では、自分の家に支持政党のポスターを貼ることが認められて
 いるんだね!フランスでは、禁止されているよ」と。

へー、そうなんだ。

続いて、見せられたのが、フランスメディアの記事。
日本のメディアでリベラルに物を申せるのは「週刊誌」という内容。
ジャニーズ問題を取り上げた「週刊文春」のことを指していた。

「日本のテレビや新聞は、政府寄りなの?」と聞かれ、

「そうね。政府や大企業に忖度したメディアが多いよ」と。

すると、

「フランスでも、少しずつ体制寄りのメディアが増えてきた」という。

じゃあ、市民はどうするの?と聞いたら、

「色々な情報を集めて、自分で考えているよ」と言っていた。

へー、そうなんだ。フランス国民、偉いな。

今度は、私が聞く番だ。

フランスでは、なぜデモが盛んなのか?と聞いた。

すると、答えはこう。

フランスには、「自由を勝ち取ってきた歴史がある」。
そして、その成功体験を学校で教わるのだという。

1789年のフランス革命。
絶対王政が倒され、
人々は自由や平等、人民主権などが規定された「人権宣言」を勝ち取った。

あの時、闘った先祖たちを誇りに思い、お手本とし、
その精神や成功体験は脈々と受け継がれているらしい。

自分たちの「暮らし」、「労働環境」の現状に不満ならば、
誰かが変えてくれるのを待つのではなく、
自分たちで立ち上がろう。自分たちで声をあげよう。

彼らは、幼いころから「そういうものなんだよ」と、
おじいちゃん、おばあちゃんから教わったらしい。

へーーー、と思った。
やはり、自分たちの手で自由を勝ち取ってきた国の人々って
考え方が違うんだなーと思った。日本とは大違いだな。

ただ例外もあるらしい。
いくら声を上げることが当たり前のフランスであっても、
「自分本位」の主張は、ただのワガママだと切り捨てられるとのこと。

二人の話を聞いて、大変刺激になった。
彼らは、自分たちの歴史を語れるし、
歴史が今の生活にどう関わっているかも語れる。
背景には、普段からきちんと考えて、
自分が何者であるかのベースが出来ているからだ。
二人がフランス人のスタンダードのレベルではないかもしれないが、
カッコいいなと思った。
自分は、外国人にここまで伝えることはできるだろうか。。。
むむ、頑張らなければ。

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