忘れられない恋物語 ぼくたちの失敗 森田童子 6 輝いている男たち / 海の向こうの国々へ
洋食屋さんから歩いて15分くらいの所に、茉莉子さんの彼の住む会社の寮はあった。
コンクリート建ての一見無機質な感じの建物だが、
お洒落な感じのする建物でもあった。
大きめの自動ドアの玄関を入ると下駄箱があり、来客用のスリッパを履いた。玄関を抜けると直ぐに喫茶コーナーがあり、2人の若い男の人がいて僕たちを見つけると、
「茉莉子ちゃん、いらっしゃい。達郎、部屋にいるよ。その男の子は弟さん?」
「私の大学の1年生の後輩なんです。海外に行く仕事に就きたいと言うから、達郎さんに会わせ