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伊予灘剛腕物語第27話『もろともにあはれと思へ山桜、花より他に知る人も無し…』







剛腕が最も苦手とする季節。春。
毎年絶望的な貧果を叩き出し、釣行することに億劫になる季節。
一向に克服できません。
それでも釣りに行かなければなりません。
もはや剛腕の中で“釣り”は趣味の域を超えています。
使命のようなもの。
釣れようが釣れまいが。天気が良かろうが悪かろうが。例え怪我をしてでも行かないければいけないモノなのです。




2024年3月下旬。南予方面へ釣行しました。
狙いはアマダイ。イトヨリダイも射程圏。その他、食べれる魚が何かしら釣れたらオールオッケーです。

天気予報は雨。
家を出た頃、松山周辺は大雨が降っており、頻繁に雷鳴が轟いています。

父「降り過ぎだよお~。辞めようよお~」

エサまで用意して辞めるなんてあり得ない。
愚痴を溢す父を尻目に愛媛県を南下しました。
途中、濃霧に阻まれタイムロスしましたが、午前5時過ぎに現着。
幸運にも雨は止んでいます。
早速、準備にとりかかります。
父は違う釣り場へ。ここから車で3分程離れた場所に釣り座を構えます。



PF4本並べ釣り開始です。エサは本虫と青虫。
水温はかなり冷たく、オモリがキンキンに冷えて帰って来ます。エサもそのまま。
本日も厳しい釣りになりそうです。

仕掛けを回収中に、ドン!とアタリ。
ヤツです。悪い顔つきしてますわ。エソ。
ヤツが掛かってきたと言う事はエサが残っている証拠。エサ取りすら居ない冷たい海ですがエソは元気なようです。

エソを3、4本シバいた後、エソすら姿を消しました。
エソの朝まづめが終わったのでしょうか。
剛腕に討伐されて逃げ出したのでしょうか。(は?)


一切、エサが取られず、午前9時半。
回収の為、PF2番竿を持ちました。空アワセを入れると、ちょい重め。何か付いているようです。


ガッシー

23.5㎝のホゴでした。
産卵期最終盤なのでリリースしようかと思いましたが、すでに絶命していましたのでありがたく頂戴いたします。キープします。


潮はゆったり流れており、良い感じですが、切れ藻が道糸に引っ掛かり、引っ張ってしまいます。
まだ藻が切れる時季ではないので、おそらく数日前の時化により切れた海藻(ホンダワラ)が海面を漂流しています。潮に流された切れ藻が道糸に引っ掛かり、道糸を押してドラグは出るわ、隣の道糸とクロスするわで
てんやわんや。釣りにくさMAX。


気付けば青空が覗いており、良い天気。
そんな午前11時過ぎ、

「ジャアアアアアアー」

PF2番竿にアタリ。剛腕はそっぽ向いていたのでどの竿か分かりませんでしたが、2度目のドラグ音で気づきました。
糸フケを取り、思い切りアワセを入れるも重みは無し。針掛かりしていませんでした。
エサの本虫はさっぱり無くなっていました。

アマダイ系かイトヨリダイか。はたまたイラか。正体が分からないとモヤモヤしますね。
万が一、アマダイの場合、エサを喰って反転し巣穴に潜り込むことがあります。そうなると、うんともすんとも言わなくなるので、喰い込まそうと時間を取るのはあまり良くないかと。


その後、平穏な海がのんびり続き、納竿となりました。
結果、一切雨に降られず釣行できた事は幸運でした。しかし、魚の運はありませんでした。

釣れなくても良いのです。釣りが出来る事が幸せなのです。釣りが出来る環境に置かれている自分を再認識し、これに感謝しなければいけませんね。






あ、父はボウズ食らいました。


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