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伊予灘剛腕物語第17話『~前哨戦~貴殿ノ活躍ヲ期待ス』





9月末頃、ようやく我が無敵竿隊が出撃しました。
南予でアカアマダイを仕留めて以来、
※当物語第14話参照
約2ヶ月ぶりの出撃です。
その間、剛腕はあちらこちらへ浮気しまくり。どうにか釣果を上げてきたものの、褒められたものではありません。剛腕の本業を2ヶ月もおざなりしたツケが回ってきます。
因果応報ですね。

重量級の投げ竿タックルを2ヶ月も振っていないと、感覚が違うと言うか…
どこかしっくり来ないんですよね。
これからの時季、投げ釣り主体になる剛腕の釣行予定。早めに身体を慣らしておき、来るべき本番に剛腕の感覚が遺憾なく発揮出来るよう、前哨戦として今回の釣行となりました。

近所の波止へ午前5時頃到着。
持参エサは青虫(アオイソメ)のみ。
午前10時には納竿予定ですので、1000円のみ購入。
やる気あんのか?と言われんばかりですが、
日々、金欠の剛腕には今日はこれが精一杯。
後々大きな出費もありますし、ひと月の使用金額を抑えています。
お金を使う為に貯金しています。
(それ、金欠とは言わないんじゃ…)


砲撃開始

とりあえず、PF4本セッティング。
全て青虫の房掛け(当たり前か)
ハリス6号1m。ハリは丸セイゴ16号。
約60m沖で水深は4~5m位かな。
広く投げ分けて探ります。

剛腕の身体を慣らす事が目的なので釣れなくてもいいんですが、とりあえずチヌ狙い。
"とりあえず"と言ってしまうとチヌの反感を買ってしまいそうですが、松山近郊では最も安定した釣果を出せる魚種ではなかろうかと思います。(真冬を除き通年釣れると思う)
キスやアジはまとまって釣れないと荷にならないですからね。。。
異論は認めます。
キャッチ&イートを信条としている剛腕は、食べれる魚。食べて美味しい魚を釣りたい。
その為、リリースという概念がありません。
サメやエイ、フグ、ゴンズイ、ボラ、磯ベラ(ササノハベラ)ぐらいでしょうか。
リリースする魚は。
小さい魚は、元気ならリリースですね。

チヌのデメリットは居着きがあまり美味しくない事でしょうか。
季節関係なくガリガリに痩せ細り黒っぽい魚体をしています。
夏場は本チヌよりもキビレのほうが美味しかったり。
逆に、2年前の11月に三津一文字波止で釣った回遊個体の本チヌ(48㎝)は驚く程美味しかったことを覚えています。背身まで脂まみれで、体高や身の厚さが凄まじく、良く引いた魚でした。


話が脱線しましたので戻ります。
開始早々、ウミケムシの猛襲。
触る訳にはいかないのでハリス切ってお帰り願います。
時々、フグも混じる散々な有り様。
泣きっ面に蜂。

よくよく考えれば、剛腕の身体の感覚を呼び覚ます為に投げ釣りに来たのに、フルキャスト出来ない青虫を付けていたら意味無いんじゃね?と正気に戻る剛腕。
(これは世紀の大発見)
青虫が千切れても良いので思い切り投げる事にしました。
両腕の角度、脚の開き方、腰の回転など隅々まで動作を一つずつ丁寧に確認していきます。


投げ釣りって"大艦巨砲主義"みたいですね。
今や、技術の進化により様々な釣具が細く、軽く、丈夫になっているこの時代に、砲弾のような鉛を太く硬い竿で遠くへ飛ばす。
時代遅れと言うか時代逆行と言うか。
投げ釣りファンを批判している訳ではありませんし、投げ釣りを否定している訳でもありません。
投げ竿や道糸は細く、丈夫になった現在でも、投げ釣りの形態は変わりません。
ルアーのランガンのように釣り人側から仕掛けていく釣りが当たり前になってしまった今の釣り。
それでも剛腕は投げ釣りを愛していますので投げ釣りを辞めるつもりはありませんし、
他の釣法から投げ釣りにフィードバック出来る事があるのではないかと思っています。
これにより、投げ釣りの釣果が増加する事もあるかも知れませんね。
その為には投げ釣りも他の釣法ももっと精進ですね。


誠に申し訳ありません。
再び脱線してしまいました。
話を戻しまして、時刻は午前6時50分頃。
先程までエサが取られまくっていましたが、突然、丸残り。PF4本全て青虫が帰還しました。
新しく付け直し、投げ返します。
出来るだけ青虫が千切れないように。
午前7時過ぎが満潮潮止まり。
おそらくその為にエサが残ったのでしょう。
しかし、この日初めてエサが残ったのでこれはチャンスと捉えます。

剛腕の読みはすぐ的中しました。
午前7時05分。
PF4番竿にアタリ!

「ジャアアアアアアアアアアア」

颯爽と唸るドラグ。
しっかりドラグノブを締め込み、竿を立ててアワセを入れます。
グングンと首を振る抵抗を感じながら、リールを巻きます。
剛「おーん、そりゃそうよ。」
某監督の口癖を呟きながら魚種を確信。
本命に間違いないでしょう。
順調に足元まで寄せて来た頃、急に反転!
足元に激しい突っ込みを数回。
剛「おおん?」
PFを溜めて凌ぎます。チヌにしては元気。
良型なのかも知れません。
ようやく海面に姿を見せた魚影は赤く光りました。
これはびっくり。しかし、玉網を用意していませんので一気に抜き上げます。
完全に抜き上げた瞬間、PFがテンションを失い竿先が天を仰ぎます。
剛「ヤバい!」
ハリから外れましたが、波止上で暴れるマダイ。タオルで押さえ込み事なきを得ました。

しゃくれてない?

41㎝の奇形マダイでした。
天然物か、稚魚放流事業等で放流された養殖か、どちらかの奇形種かも知れません。

しっかり血抜きを行い、クーラーへ仕舞い、新しい仕掛けを結び、青虫を装着。
投げようと海を眺めると、海の表情は豹変していました。
引き潮が始まり、流れが出て来ていました。
PF4番の仕掛け投入後、他の竿を回収すると、青虫失踪。
エサ取りが復活していました。
ウミケムシも良く掛かって来るようになり、仕掛けの消費も増えてきました。
やがて、青虫があっという間に無くなってしまい、納竿。
予定より少し早く、午前9時納竿となりました。


まだまだ海は夏模様。今年は暖冬になると言われています。
海水温はなかなか下がらないかもしれません。

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