インドネシア語検定C級を取る3つのメリット
昨年1月、インドネシア語検定(正式名称「インドネシア語技能検定」)のC級試験を受験し、無事1回目の挑戦で突破することができました。
この記事では、インドネシア語検定C級試験の概要とC級を取得することによるメリットについてお話ししたいと思います。
本記事は以下の方を対象にしています。
最近インドネシア語検定D級に合格された方
インドネシア語検定C級を受けるかどうか迷われている方
近い将来インドネシアで生活する予定がある方
インドネシア語学習と検定全般については下記の記事をご覧ください。
1 インドネシア語検定C級の概要
1 概要
まず初めに、インドネシア語検定C級の概要について、D級と比較しながら見ていきましょう。B級との比較については以下の記事をご覧ください。なお、試験の詳しい内容については、日本インドネシア語検定協会(以下「協会」)の公式HP(https://www.i-kentei.com/)をご覧ください。
C級は、上から数えて4番目、下から数えて3番目に位置し、中級レベルのインドネシア語運用能力を判定する試験です。
2 問題構成と解答時間
出題形式はすべて四者択一のマークシート試験で、問題構成は以下のとおりとなっています。問題数は各項目10問ずつの合計50問で、D級は項目4の作文が5問しかなく合計45問となっていることから、D級よりも5問多いということになります。
項目1:読解
項目2:語彙
項目3:文法
項目4:作文
項目5:リスニング
解答時間は合計95分で、D級の75分よりも20分長くなっています。項目5のリスニング試験はどちらも15分ですので、項目1~4で20分の差があることになりますが、これは、問題数が5問少ないことと、難易度・分量の差を考慮してのことだと考えられます。
3 難易度
難易度について、公式HPでは以下のとおり記載されています。
これに対し、D級の難易度は以下のとおり記載されています。
D級では「簡単な」という単語がこれでもかと出てくることから、D級が日常生活における「簡単な」インドネシア語の運用能力、C級は日常生活における一般的なインドネシア語の運用能力を測るものであることがわかります。
なお、D級との難易度の比較について、公式HPは以下のような記述もあります。
4 まとめ
これまで見てきたように、C級とD級の問題構成は同じですが、問題数がD級よりも5問多い点、文法的・語彙的に難易度が高くなっている点、そしてそれらの点などからリスニング以外の解答時間が20分長くなっている点が違いとして挙げられます。
2 C級を取得することによる3つのメリット
それでは、C級を取ることによりどのようなメリットがあるのでしょうか。いくつかあると思いますが、私自身の経験も踏まえ、ここでは以下の3点を挙げたいと思います。
1 インドネシアで特に支障なく日常生活を送ることができる
上でも述べたとおり、C級取得により、一般的な日常生活におけるインドネシア語の運用能力があると認められます。これは、インドネシアで生活を送る上で必要な現地語の言語能力を有しているということを意味します。
もちろん、日常会話であっても、ネイティブ同士の高速かつスラング・現地語たっぷりの会話になるとわからなくなることもありますが、例えばレストラン・ホテルの予約・注文やお店での買い物など、日常生活の様々な場面において、十分なコミュニケーションを取ることが可能になります。
私自身も、C級を取得した当時は日本に帰国していたものの、その半年前にインドネシアに滞在していた当時は、食事や買い物の際はもちろん、アパートメントの解約・退去時の交渉(その前提となる契約書の確認)、職場でのインドネシア人スタッフとのコミュニケーション、銀行口座の解約や日本への送金・両替などもインドネシア語で行っていました。このように、C級に合格できる能力があれば、一般的な日常生活だけでなく、ビジネスの場面でもある程度インドネシア語を使うことができるようになります。
2 留学や仕事で有利になる
大学によっては、C級取得をインドネシア語科目の単位認定や交換留学制度の派遣条件としているところがあり、大学生の方は、C級合格により、そのような制度を利用する資格を得ることができます。
また、社会人の方にとっても、英語の能力に加えてインドネシア語の能力も持っていれば、勤務先に対して大きなアピールポイントとなり、既にインドネシアで働いている方はもちろん、これからインドネシア駐在・派遣やインドネシアでの就職を目指す方にとっても有利に働きます。
というのも、インドネシアで働くためには、まず現地で生活できる能力があることが求められるからです。外国、特に非英語圏で生活するに当たり、現地の言語について一定の能力・スキルを持っていることはとても重要です。また、勤務先には必ずインドネシア人の役職員がおり、インドネシア語でコミュニケーションを取る場面が数多く存在する、ということもこの資格が就職などで有利に働く理由として挙げられます。
その際、D級でもアピールにはなるのですが、やはりD級は、上で述べた難易度も表しているように、日常生活における「簡単な」コミュニケーションができるという評価にとどまってしまいます。これに対し、C級であれば、日常生活における意思疎通は問題なく、ビジネスの場面でもある程度インドネシア語ができると評価される可能性が高いと言えます。
私は、これまで、C級保持者でインドネシア語で仕事をしている方を数多く見てきました。もちろん、その中には、C級取得後更に努力してビジネスレベルまで能力を引き上げたが、B級は様々な理由により取得していないという「実質B級」の方もいるとは思いますが、C級があれば、ビジネス初級~中級の実力を備えていると言ってもよいのではないかと思います。
3 大きな達成感・充実感を味わうことができる
B級の解説でも述べましたが、B級になるとビジネスレベルに突入する(協会は「平易な」という点を強調していますが、私はB級合格はビジネス中級~上級の実力があると言っていいのではないかと思います。)ことから、日常生活レベルのインドネシア語という基準で考えると、C級がひとまずのゴールになると考えられます。
とはいえC級はそれほど簡単な試験ではありません。語彙レベルだけ見てみも、一般的に4000語程度の語彙レベルが必要となります。単純な比較は困難ですが、英検2級が一般に4000~5000語レベルと言われていますので、インドネシア語検定C級は、語彙レベルだけでいうと、英検2級相当、つまり中学・高校と6年間英語を授業でみっちり学んできて到達できるレベルに匹敵するということが言えます。
合格率も決して高いとは言えません。下の表は過去10回分のC級の受験者数・合格者数・合格率をまとめたものですが、C級の合格率は25%前後で推移しており、概ね4人に3人は落ちる試験となっています。これは3人に1人が受かると言われている英検2級の一次試験(ただし、英検は合格率を公表していませんので、これは公表されている数値から算出された推計値です。)よりも低い数値で、難易度の高い試験となっています。なお、全65回の合格者数も約4600名と絶対的に少なく、希少性のある資格です。
語学は「終わりなき旅」であり、語学試験は、その長き道のりにおいて、有効な「マイルストーン」となりますが、日常生活レベルのインドネシア語を目標としている方にとっては、このような難易度・希少性の高いC級を取得することは1つの大きな到達点となります。そして、日頃の努力が難関資格の取得という目に見える形になって残ることは、単にスキルを証明するだけにとどまらず、達成感や充実感、モチベーションなどにもつながっていきます。このような達成感や充実感を味わえることは、難関資格取得の大きなメリットの1つと言えるでしょう。
3 まとめ
これまでC級の試験の概要とC級を取得することによる3つのメリットについて述べてきました。C級はその「C」という響きに反してレベルの高い難関資格ですが、学習期間6か月間ほどで受かる方もおり、基本を忠実に守り、効果的な勉強を継続的に行うことができれば、比較的短期で合格することができる試験でもあります。
具体的な勉強法については別の機会に詳しくお話ししたいと思いますが、B級やA級を目指す方や将来ビジネスでインドネシア語を使いたいという方は基礎固めの中間目標として、インドネシア生活の充実のためあるいは趣味としてインドネシア語を勉強されている方は、C級合格を1つのゴールとして目指してみてはいかがでしょうか。
また、C級とB級は出題形式がほぼ同じであるため、将来ビジネスレベルを目指している方で比較的時間がある方には、両級の併願もオススメしています。より難しいB級の勉強にも取り組むことによって、C級をより簡単に攻略することができますし、仮に併願時にB級が不合格になってしまったとしても、次回すぐに再チャレンジすることができるというメリットがあります。
もしB級にも関心がある方は、以下の記事も是非ご覧ください。有料部分をご購入いただいた方には、C級の勉強にも役立つ素敵なプレゼントをご用意しています。