浮世之介

風俗店での経験を元にフィクションを書いています

浮世之介

風俗店での経験を元にフィクションを書いています

マガジン

  • 嬢をめぐる冒険

    離れていても波長がシンクロした時に会える機会が巡ってくる不思議な女の子

  • 「ねえキスしよ」

    あの日のキスの意味...店外デートに誘ってくれた関西の気立ての良い女の子

最近の記事

嬢をめぐる冒険(N#11)

 朝に予約は入れたので仕事の昼の休憩時間にサイトをチェックした。出勤を知らせる日記が掲載されていた。  「〇〇店に遊びに行った時のお客さんが見てくれてたら嬉しいな…!」 この中には僕は確実に含まれていた。集客のためであることは明白だが、嫌な客がいたならば引き寄せたくはないだろう。 僕はこれを見る前に行くことを決めてしまっていた。そこから僕の住む街までは70kmは離れていた。これを見てはたしてどれだけの人間が彼女に会いに行くのだろうか。人によっては遠いと考えるのが普通だろ

    • 嬢をめぐる冒険(N#10)

       昼頃に「前に〇〇店に少しだけいたので覚えてるおにいさんがいたら嬉しいです!!」出勤を知らせるそんな内容の日記がサイトに掲載された。それでもその日は様子を見ることにした。 定期的に日記が掲載され、予約も入っているようだった。今回の出勤は閉店した支店しかフォローしていなかった僕には通知もされないし、彼女からは他店のアカウントを使って連絡してくる以外は手段はなかった。それは角が立つから当然できないだろう。 次の日の朝を迎えた。  「気になるなら会いに行った方がいい」 PC

      • 嬢をめぐる冒険(N#9)

        その後は彼女と会えるタイミングは巡ってはこなかった。東京の在籍店にもあまり出勤していないようだった。 ガチ恋でもないし、まったく依存もしていない。それでもふとした時に思い出してしまうのだった。 わかるのは彼女がお店に在籍しているか、出勤しているかくらいのことしかない。それがなくなれば自然と忘れていくのかもしれない。あくまでお金と時間を使った遊びなのだ。販売が終わってしまう商品と同じである。 僕の地元の彼女が出稼ぎに来ていた店は閉店してしまっていた。支店だったらしく本店は

        • 「ねえキスしよ」(Y#7)

          今はデリバリーヘルスで女の子を呼ぶ際に電話を使うこともなくなった。ネットで予約し、連絡もチャットで完結する。 利用後はお店の方からお礼の定型文がチャットで送られてくる。今回は定型文ではなかった。「Yさんまた月末には来ていただけることになりました。是非、また開いに来ていただけると幸いです」 間を開けずに随分と早く来るのだなと思った。お店と相性が良かったのだろう。それでもサイトにスケジュールが載るまでは連絡を取るのを控えておいた。 確認したわけではないが、僕が唯一の本指名客

        嬢をめぐる冒険(N#11)

        マガジン

        • 嬢をめぐる冒険
          11本
        • 「ねえキスしよ」
          7本

        記事

          「ねえキスしよ」(Y#6)

          数日過ぎるとまた会いたくなったのだった。僕の住む街では出稼ぎ嬢の多くは再び来ることがない。彼女も関東の本店には在籍がない。そうなのであれば最後に会っておきたいと思った。迷いなく出稼ぎの最終日のラスト枠を予約した。 ドアを開けると笑顔の彼女がいた。  「こんばんは。すぐに呼んじゃってごめんね。嫌じゃなかった?」  「えへへ。ありがとう」  「もうここには来ないかもしれないからね。会っておきたかった」  「ちょっと変わっているけど良いお店だと思っている。   でも次にいつ来る

          「ねえキスしよ」(Y#6)

          「ねえキスしよ」(Y#5)

          僕は大体は女の子のプレイスタイルに合わせるようにしている。彼女はいわゆる攻めるタイプの嬢だった。だから彼女に身体を委ねた。 本当に攻めるのが得意だったのだろう。僕が果てても攻め続けようとした。「もう無理」と僕が悶えているのを見て笑顔を見せるのだった。 プレイ中も力が入ると「力抜く!」と言われた。「そんなこと無理だわ」僕は可笑しくて笑ってしまった。今まで女性と肌を合わせている時にはない感じだった。小さな子供が友達と遊ぶ感覚に近かった。 事後に話す時間もたくさんあったので、

          「ねえキスしよ」(Y#5)

          「ねえキスしよ」(Y#4)

          いままでお誘いしてきた女の子で一番痩せていた。痩せすぎと言っていいくらいだった。しかし胸は大きかった。出会ったことのない体型だった。 スタイルが良いことを褒めると「おデブで困っちゃう」と言った。 「それでおデブだったら世の中の9割の女性は超デブってことだよ」僕は笑いながら言った。  「デリヘルにはスリムな子ってあんまりいないよね。」  「樽にばかり当たってる?樽が来た時はどう思うの?」  「樽か。お写真とずいぶん違うなーとは思うけどね。   その状況を楽しむよ」僕は笑いな

          「ねえキスしよ」(Y#4)

          「ねえキスしよ」(Y#3)

           「こんばんは〜」 ショートカットで金髪の華奢な女の子がそこには立っていた。 部屋に招き入れてソファに腰掛けて、「綺麗な子が来て驚いたよ」好みの顔ではなかったのだがとても可愛らしい子だった。「えへへーありがとう」くしゃくしゃな笑顔でそれに答えてくれた。 挨拶もそここに会計をお願いされた。渡した金額を数えて紙幣をテーブルの上に扇型に並べた。こんなことをした女の子は初めてだったので「仕舞わないの?」と聞いてしまった。 前に仕舞った財布から客にお金取られたことあんねん。それ

          「ねえキスしよ」(Y#3)

          「ねえキスしよ」(Y#2)

          オープニングから関東の人気嬢がたくさん来ていた。対応も丁寧で、良いお店という印象を受けた。店員からの扱いが良いと女の子も言っていた。これは定期的に来る女の子に出会えるのではないかと期待が高まった。 僕も利用してみたが綺麗、可愛い、スタイル良い女の子ばかりだった。サイトもパネルはともかく、情報を盛っている部分が少ない印象を受けた。 オープニングから1ヶ月ほどが過ぎた頃に目を引く金髪の女の子が入店した。その子は関東のお店には在籍がなかった。 見た目は自分の好みではなかったの

          「ねえキスしよ」(Y#2)

          「ねえキスしよ」(Y#1)

          その子と出逢ったのは、猛暑と呼ばれていた年の夏の盛りのことだった。 それまで利用していた店が閉店し、少しデリバリーヘルス利用から遠ざかっていた。そんな時に新しい店がオープンした。関東のあるデリバリーヘルスの支店が僕が住む街に出店したのだった。 大都市圏であればいざしらず、地方都市においては身バレについて考えなければならないのは客も同じである。僕は地元の女の子が在籍していないであろうお店を選んで利用していた。 今までお店では出稼ぎの子は一度来て、その後は来ないことが多かっ

          「ねえキスしよ」(Y#1)

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#4)

          次の月も東京に出向く予定があった。お店のサイトを調べてみると在籍から彼女の名前はなくなっていた。 連絡先の交換もしなかったし、2度会っただけだったが、個人を特定できるほどの情報を残していた。 辞めた理由は当然のことだがわからなかった。奨学金の返済の目処が立ったのかもしれないし、僕にはわかり得なかった。 僕に心許してくれてはいたんだろうとは思った。高学歴で頭の良い子だった。あまりに心許しすぎて話しすぎたと思ったのかもしれない。冷静になったときに、我に返って退店した可能性だ

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#4)

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#3)

          このお店では一人で先にシャワーを浴びる。その間に女の子は施術の準備をする。シャワーから出ると準備は整っていた。 例の際どいナース服からはTバックを履いたかたちの良いお尻がちらちらと見える。うつ伏せになりいつも通りにマッサージを受けた。 本当にいろいろな話を聞いた。主に昼職に関することだったが、個人を特定できるのではないかと思うようなことまで話してくれた。 そしてナース服を脱いでかたちの良い胸を露わにして、ローションを胸に塗ると全身を胸でマッサージし始めた。ちょっと触って

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#3)

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#2)

          その時期は月に一度は週末を使って東京に出向くことがあった。土曜日の早朝に東京に向かい、日曜日の夕方に東京を出て地元に帰る。 その日も予定が終わり夕方には帰途に就こうとしたが、先月に足を運んだメンズエステ店のサイトをチェックした。 もう一度、あの子に会ってみたいと思ったのだろう。 先月、施術をしてくれた子は出勤していた。あえて予約はしなかった。店舗の受付に着いて、その子が空いていたらお願いするくらいのつもりでいた。 店舗に着くと「すぐにご案内できますよ」とのことだったの

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#2)

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#1)

           「なんでも好きなことしてあげる」 こう言ってきたのは、初めて2度お誘いした女の子だった。まだ風俗店を利用することに慣れていなかった頃のことである。 そのお店はメンズエステ店だった。Tバックにかなり際どいナース服を着た女の子に普通のマッサージを受けるのだが、後半はナース服を脱いだ女の子がローションを使ってハンドサービスを受ける内容だった。  「お兄さんの顔、めちゃタイプです」 そんなことを言われると、自分では褒められるような顔はしているとは思っていないので戸惑ってしま

          「なんでも好きなことしてあげる」(K#1)

          嬢をめぐる冒険(N#8)

          部屋を出る前に財布の中に残っていたお札をチップとして渡した。  「仕事上がったら何か食べてね」  「いいんですか?」  「ほんとうに大した額じゃないから」  「さすがですね。チップを渡すタイミングもスマートです」 思えば彼女にチップを渡したのは初めてだったのかもしれない。入室して先にチップを渡して本番を迫る客が多い話をしてくれた。あまり愚痴らない女性だが心に封じていることも多いのだろう。 エレベーターに乗り込むとキスをしてくれた。おやおや時間はお終いなのに大丈夫なの?と

          嬢をめぐる冒険(N#8)

          嬢をめぐる冒険(N#7)

          シャワーを浴びる時間を告げるタイマーが鳴った。シャワーを浴びている間も自然な会話は続いていた。シャワーから出ると会計をしていないことに気づいた。  「お会計もらうの忘れてた」  「着替えたらお会計しなきゃね」 その日は僕はスーツを着ていた。仕事でスーツである必要がないのだが、ある特定のイベントに行くときはスーツを着る。安いがスーツもシャツもオーダーメイドである。 普通に売っているスーツと違うことは見てわかったようだった。黒いスーツだが、会社勤めの人が仕事着として着るスー

          嬢をめぐる冒険(N#7)