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やっぱり景観が好き!便利よりも魅力的で気持ち良いほうに。

地元のひととお店のことを話していると「あそこは駐車場から道を渡らないと行けないから入りづらい」等という話が出てくることがあります。
「確かにそれはひとつ小さなハードルだな」とは思うものの、本当に行きたいお店だった場合に駐車場から徒歩2分、いや少しだけ遠回りしてちゃんと横断歩道(道路は片側一車線)で道を渡ったとしても3分の距離がそんなにハードルになるかな…と。

わたしの生活は…

自分に置き換えてみると、都内で暮らしていると基本は歩きなのです。
駅まで、バス停まで、コンビニまで。どれも1分とかいう距離でもなければ3分でもない。5分以上かかることも多いし、下車した先からも基本はまた徒歩です。徒歩20分未満くらいまでなら歩くこと多いかなぁ。20分以上以上は確実にバス利用を考えます。

私が生まれ育った家は、みんな歩くのが好きだったのでそのため私もそうなのかな?とも思ったのですが、都内で知り合った方たちもみんな大体徒歩20分くらいは歩いていました。

私や周りの方たちは美術館へ行くのが好きなので、そこでよく話題に上がるのは世田谷美術館が駅からちょっと遠い、という話。最寄駅の用賀駅から徒歩17分なのです。
バスに乗って行く方もいると思いますが、ほとんどの方が歩くと思います。なぜなら途中の道が遊歩道として整備されていて、景色に工夫があって面白いからです。道すがらから文化・芸術を感じられるんです。
思えば品川にあった原美術館も結構歩きます。google mapで検索したら15分と出ましたけどずっと上り坂なのでもうちょっとしてるはずです。
美術館という性格上、コンテンツさえ良ければよっぽど遠くない限りはみんな行くのです。

そこで考えてみると、ハードルになるのは目的以外の景色や情報に好奇心が持てない心・先入観なのでは?
近くに住んでいるとどうしても日常の感覚に侵食されてしまって個人の習慣・常識が邪魔をするのだと思います。
ただ、もっと好奇心や感性を養いなさい、と押し付けるのも違うと思っています。
そうするとどうしても県外や都内からの来客が目立つんだと思います。
近くに住んでない方にとっては非日常なので、見慣れない景色が新鮮に映るからです。

景色は魅力

前述した例も、公園にあるお店(カフェ)だったのですが、駐車場から歩く際の景色も良くて、のんびりゆったりを味わうことができて、このカフェに行くことは公園の景色や空気を含めての楽しみだと思うのです。
これまた自分に置き換えてみると、以前友人と香川県へ旅行へ行ったときに、レンタサイクルで美術館へ行ったり、栗林公園まで行ったり、その道すがらが楽しかったです。
慣れない道は不安もあるけどそれも良い思い出で、車よりもずっとじっくり景色を堪能できるし、歩くよりはちょっと遠くまで足を伸ばせて。
あ!と思って気になる景色があったらすぐ自転車を止めて。一度味わうとまた旅行先でレンタサイクル使いたいなぁと思います。

デザインは性能に優る?

ずいぶん前ですが、当時カメラ雑誌で働いていた弟に最新のコンパクトデジカメをお薦めされたことありました。
当時わたしはリコーのGRデジタルというデジカメを使っていました。昔のレトロなカメラのような見た目の要素もあって、そして性能も私にとってはもう十分だったのです。
最新のカメラの良さをせっかく説明してくれたけど「ふーん」と気の無い返事をしてしまった私に「こっちのがずっと性能良いのに!」と怒られたことがあるのですが。
当時の私としてはここまでくると「性能 < デザイン」だったのです。どうも性能が良くなるとデザインが好みではなくなってきてしまって…。なんなんでしょうね。これは自分の中の軸のひとつだと思います。

持ち味や魅力を忘れないようにしたい

なんだかその感覚に近いなぁと今回思いました。
どこまでの便利さを求めているのかな?と。
建物前に駐車場があることって、見た目ははっきりいってまったく素敵ではない…。コンビニですか?
建物前に車止めがあったりするのは…デザイン次第ではそこまで毛嫌いはしませんが、そこはよく深掘りしないと素敵な車止めとそうじゃない車止めがあると思います。
そしてそして、すごく魅力的で素敵だというならば、建物前もひっくるめてイメージづくりができていて、例えばそこに楽しんでいる人たちが留まっている景色まで含めての魅力的・素敵だと思うんです。

私としてはそう思いました。
場所やものによって持ち味や魅力は違うでしょうから、一概には言えないでしょうけど、それぞれの場所、建物が持つ魅力を見失わないようにしたいです。

それなので安全や安心がベースにあった上で、便利は足るを知るで多くを求めては魅力が落ちると心得たいです。
常に新鮮な眼差しで、初心を忘れずに景色を眺めたい。宮沢賢治の『虔十公園林』のように。


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