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チェット・ベイカー写真集『Young Chet』について思うことを少し
1988年5月13日オランダ・アムステルダムのホテルの窓から転落したチェット・ベイカーの遺体が発見されたのは、ちょうどいまから35年前の今のころの話しになる。
それを予言したかのようにその前年から取材撮影を行っていたブルース・ウェーバーの「Let's get Lost」が公開される。
皮肉なことにチェット・ベイカーの人気は再燃する。それは日本だけではなく世界中で。
なぜか、それまで、ほとんどの人がチェット・ベイカーについて忘れていたのだ。ような気がする。
1887年、翌年の1988年にチェット・ベイカーは来日もはたしている。今だったら、即二秒でソールドアウトだろう。
「Young Chet」ウイリアム・クラクストンによってこの撮影が行われたのは1952年~1957年である。
この写真集はずっと昔からあるものとばかり思っていたが、実は1993年に発刊されたものなのだ。
「そういえば、チェット・ベイカーっていいトランぺッターだったよな。歌もなかなか良かった。あの声は当時の女性たちを魅了した」
この写真集は、そんな人々の声を代弁するかのように発売されたような気がする。
![](https://assets.st-note.com/img/1684375278042-92MHfPDPgo.jpg?width=800)
チェットが麻薬に手を出したのが1958年頃からといわれている、この写真集にはデーモンに憑りつかれる以前のチェットの姿がある。
当時のアメリカの人々にとって、これらモノクロ写真は、卒業アルバムからかっての知り合いの姿をさがすような追憶のような感傷もひめられていたことだろう。
村上春樹が語った「チェット・ベイカーの音楽には、紛れもない“青春”の匂いがする」が、まさにここにあるような気がする。
![](https://assets.st-note.com/img/1684375403682-OCV3j3RXkE.jpg?width=800)
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