【連作短編】先輩ちゃんと後輩君 その7
第7話 先輩ちゃんは「生」について真剣に考える
塾のバイトの帰り道。高田 春人のスマートフォンが軽やかに鳴った。ダウンジャケットのポケットから取り出してアプリを起動。青山 陽葵から送られてきた内容を一瞥して考え込むような表情となった。
『今日は私の給料日! 駅前商店街の北口に午後六時に集合だ!』
以前にも似たようなメッセージを目にしたことがある。給料日を声高に主張していながら一文のどこにも「奢る」の言葉が見つからない。その時は割り勘になった。
「……またですか」
冷や