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『睡蓮の人』の感想

Amazon primeの配信で、短編クレイアニメの
『睡蓮の人』を見ました
監督は村田朋泰さんです

https://watch.amazon.co.jp/detail?gti=amzn1.dv.gti.fab829c6-4296-7b68-d7f2-c7a80f4a6238&ref_=atv_dp_share_mv&r=web

ひとりで暮らすおじいさんの日常に、ふと現れた一匹の亀がもたらす不思議な体験の話です

おじいさんの表情は物静かで、台詞はほぼなく、BGMもほぼない、しずかなしずかな話でした
冒頭で響く、なにかを擦りあわせるようなガサガサざりざりとした音が何なのか、
それが分かるのは終盤の、助けた亀に連れられて訪れた神社の境内にある、澄んだ池のほとりでのことなのですが
きっとこれは、亡くなった奥さんに初めて会った日の大切な思い出を、亀が恩返しで見せてくれたのではないかと考えます
神社の鳥居を抜けた先での光景だったから、あの世の奥さんの元に行ってしまったのかとも思ったのですが、
その後の、元気なおじいさんのいびきと、どことなく嬉しそうに見える亀さんの動きで、死んじゃう話じゃなくて、奥さんへの愛は変わらず深いのだ、という話なのではないかと感じました

古い日本家屋に差し込む朝日、こじんまりとしてるけど整頓された屋内、夕暮れの赤が透ける格子戸、精密な爬虫類動物図鑑をめくるおじいさんの手と、畳の目の細かさ、
そして夜中に台所の籠の中で、菜っ葉をもらって食べる亀さん…!!
クレイアニメの技術と表現も、とても素敵でした

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