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リスナープレゼンツ特別企画 「ラジオ劇場」風仕立てで配信!

2月のリスナープレゼンツ第8弾では、Mさんが切り取り場面に合う挿入歌的に選曲してくれました。これがすこぶる評判だったことから、次は一場面だけではなく、一つのストーリーの中に曲を入れて…ということで、60代男性Jさんによる「ラジオ劇場」仕立てで、シナリオ作成及び選曲をお願いし、特別企画でお贈りしました!

以下は、Jさんのシナリオです。どうぞ大きな心で、想像力を働かせて読んでみてください!


(本日の登場人物)
田中ひろし
独身30歳、働き盛りのサラリーマン、彼女いない歴2年。
陽子
28歳、地方から都会に出てきて一人暮らし。今は彼氏なし。日々の生活に少し疲れている。

 
【第一幕(出会い)】
ひろし:「街はイルミテーションに包まれて、若いカップルが楽しそうだな。今年もクリボッチか。帰って一人でもケーキ食べるか」
とひろしは仕事帰りにコンビニに立ち寄った。

陽子も、同じ境遇でコンビニ入ろうとした時にひろしと遭遇した。
 
物語は「クリスマスイブの日」から始まります。
 
挿入歌【クリスマスイブ】(山下達郎)

コンビニの店頭で、
陽子:「ひろしさん?」
ひろしは、見覚えない女性に声かけられて、
ひろし:「はいそうですが、失礼ですがどなたですか?」
 
陽子:「陽子です。幼馴染の」
ようやくピンと来た。ひろしと陽子は同じ出身地で地元では近所同士だった。二人が会うのは高校以来。
 
ひろし:「陽子ちゃんか。ずいぶん大人の女性になって綺麗になったので気づかなかったよ。この街に住んでいたのか。偶然だね」
 
2人は一言二言交わして、連絡先を交換その日は分かれた。
 
1か月ほど連絡を取り合い、昔話しや、近況で盛り上がった。
ひろしはその頃には陽子を異性として気にするようになっていた。
 
ひろし:「今度映画でも行かない?」
ひろしは、思い切って2人で会おうと切り出した。
陽子:「行きましょう」
ひろしにとっては陽子との初デートなので色々プランを考えた。
この手のことには慣れていないので結局は手っ取り早い映画観賞に。
後から思ったが、2時間沈黙して2人で前だけ見ているのはもったいないなと思った。
 
初デートは生憎の雨、この後、幾度も会うがその度に雨の日が多かった。
 
挿入歌【はじまりはいついも雨】(ASKA)

この歌の歌詞はハッピーエンドだが、2人には暗雲が近ずいていることはこの時点は知る由もなかった。
 
ひろし:「映画どうだった?」
陽子:「うん、面白かったよ」
 
ひろしは陽子の表情をうかがったが、自分を異性として見ているかはまだ分からなかった。
 
ひろし:「今度はドライブに行こう!」
陽子:「いいわね」
 
何度か合う度にお互い惹かれあっていった。
 
ひろし:「同棲しようか」とひろし。
陽子:「うん」
 
2人はほどなくして同棲生活を始めた。
2人にとってのこの頃は絶頂期であった。
 
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第一幕終了です。
この先、この2人どうなるか楽しみですね。

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【第ニ幕(暗雲)】
 
今日は同棲始めて1年目の記念日。
陽子は手調理を作って待っていたが帰ってこない。
同棲直後は、仕事そっちのけで真っすぐ帰宅したのに。最近は仕事の付き合いが・・・とかの言い訳
 
結局、その日はひろしは帰宅せず。陽子はまんじりともせず朝を迎えた。
 
挿入歌【恋】(松山千春)

でも、ひろしの事は嫌いになれない陽子。
 
陽子:「昨日帰って来なかったね。何していたの?」
ひろし:「仕事に付き合い。徹マンだよ」
陽子:「昨日何の日か覚えいる?。同棲はじめて1年目の記念日」
ひろし:「そんなのいちいち覚えていれるかよ!」
 
ひろしは怒ってアパートを1人飛び出した。行先はたまに行く近所の小料理屋。
 
ひろし:「こんばんは」
女将:「いらっしゃい。たーさん」
ひろし:「今日は冷えるねー。熱燗もらえる?」
 
この店の切り盛りはこの女将一人でやっている。小股の切れ上がった和服が似合う美人女性。
年齢はひろしより一回りくらい上に見えていた。
独身なのかも分からない。こんな女性と。。。
 
ひろし:「俺、いつからこんな妄想族になったんだろう。」
と一人呟いていた。
女将:「何ニヤついているのよ。たーさん」
ひろし:「何でももないよ」
こんな他愛の会話が楽しい。
 
挿入歌【紅い花】(ちあきなおみ)

この店に来るたびにこの歌が頭をよぎる。カウンター越しから見る風景はいつもと変わらない。
少し離れて数名のグループが楽しそうに会話している。
現実を離れて一人ほろ酔いに浸った。
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第二幕終了です。
この後、ひろしと陽子はどうなんるんでしょうね?
突然、現れた女将との関係は?
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【第三幕(揺れる心)】(付箋紙交換)
 
ひろしと陽子の関係は並行線のまま続いていた。些細なこと事ですぐに喧嘩、仲直りの繰り返し。
そんなある日、陽子が切り出した。
陽子:「私、ひろしさんに隠していたことがあるの」
ひろし:「何?」
陽子:「実は私、一度結婚に失敗したことがあるの。バツイチなんです」
 
陽子はひろしとの関係ももう終わりだろうと思っていた。少しすっきりした様子だった。
ひろしの方は、陽子にはどことなく影があることには薄々気づいていたが、まさかの告白に。
 
ひろし:「そ、そうか。正直に言ってくれてありがとう...」

ひろしはそれ以外は一言も言わなかった。
 
陽子は会社での人間関係にも疲れ、ひろしとの関係もうまく行っていないし、地元で見合い話もあると親から聞いていて、仕事もやめて田舎に帰ろうという気持ちに揺れていた。
 
挿入歌【ラヴ・イズ・オーヴァー】(生沢佑一)

 休日のとある日、部屋の掃除していた陽子はラジオから流れる歌に聞き入っていた。
 
挿入歌【元気を出して】(竹内まりあ)
 
陽子:「この歌、そっと背中を押してくれるようで好きだわ~」

もうちょっと、ここで頑張ってみようかとも思い始めていた。
 
実はこの時点でひろしも重大な決断をしていた。
その事は今は陽子は思い知るはずもなかった。
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第三幕終了です。
この最終段階に突入です。
この後、どういう展開になるかみなさんどう予想(妄想)されますか?
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【最終幕(あえてタイトルなし)】
 
実は陽子はひろしにとって初恋の女性であった。
当時、人見知りのひろしはそんなこと言いだせるはずもなく、2人は進学、就職と別々の道に進んで行った。
 
挿入歌【涙のキッス】(サザンオールスターズ)
ひろし:「初恋の当時を思い出すとなぜかこの歌がよぎるな。すっぱい思い出や」
と独り言。
でも今いざ付き合ってみるとなんか想像してのと違うとなと心の中では思っていた。
 
とある日。
 
陽子:「今日は帰り早かったわね」
ひろし:「ああ」

とだけ言ってひろしは浴室へ向かった。
今日のひろしは浮かない表情に陽子は見えた。何か不吉な予感さえした。
風呂から上がり、夕飯も早々に済ませたひろし。
 
ひろし:「話があるんだ」

いつもと違うひろしの様子に陽子は覚悟した。
とうとう別れを切り出されるなと。
2人の間にはしばらくの沈黙があった。 
 
ひろし:「今まで色々あったけど、陽子とこの先もずーと一緒にいたい。大好きだ。結婚しよう!」
陽子:「・・・・、よろしくお願いします」

涙が止まらない陽子がそこにいた。
 
折しも、その日は同棲をはじめて3年目の記念日だった。
 
挿入歌【花束のかわりにメロディを】(清水翔太)
 
-完-


という感じでした。
なかなか、俺の演技力がままならなかったわけですが、みなさんに楽しんでいただいた内容であったと思います。
これは、今年3月9日にお贈りしました!

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