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2夜連続ライブと多様性について

GWももう最終日。
皆様いかが過ごされましたでしょうか。
私はどハマりしているINIひたひたweekを過ごそうと思っていましたが、前から入れてた別件のライブもあってその事を含め今日は書いていきたいなと思います。

1.AREA DIP in Tokyo

"AREA DIP"は、アジア各国のシティ・カルチャーを牽引するアーティストを世界に発信することをコンセプトにしたプロジェクト。Nulbarichのボーカル/プロデューサーであるJQがキュレーターとして参加している。
過去開催イベントとしては
2022年8月 SUMMER SONIC内コラボ
2023年4月 SPRING WAVE(台湾大型フェス)内コラボ
イベントとしては第3弾、単独イベントとしては初開催だった模様。

Act(ステージ順)
Sincere(O.A.)/Klang Ruler/春野/LlNION/Aile The Shota/chilldspot

どのアーティストもライブは初見だが、chilldspotとLlNIONが揃うとあればmusicが生で聴けるであろうということでチケットを購入した。

春野

ライブに行く前に各Act数曲ずつ聴いてから臨んだ。この時点でそれまで知らなかったけど好きだなぁと思ったのが春野くん。

少しくぐもったハスキーな声。
だけど引っ掛かりがなくソフトな声。
強く張り出さなくても耳に残る声。

シティーポップやジャズ、ヒップホップにジャンル分けされるような曲が多い印象。
どの曲もオシャレで彼の声に合っている。
(自作なので当たり前か)

SET LIST
Kidding Me
Love Affair
Limbo
Venus Flytrap feat. 佐藤千亜妃
D(evil) feat. yama
KID
U.F.O
Angels

ステージに1人、トラックを流しながら時に演奏もしながら歌うスタイル。
Kidding Meを歌い終え挨拶をする時、Kidding Meのイントロが少し流れてしまった。
「やらかしましたね。」
柔らかいトーンでそう言う彼を見て、あぁ、この人のMC絶対好きだと思った。
ゆるっとクスッと。

曲については初めて聴いたものもあったが全部聴いてて気持ちが良かった。
ステージ中、彼の曲と声にほろ酔っていた。
(少しハイネケンは入れていたが)

特に好きだったのはLimboとD(evil) feat. yama。

Limbo
深夜を彷彿とさせるトラックに"澱み狂え""忘れないで"などで聴けるファルセットが堪らない。


D(evil) feat. yama
鍵盤とトラックの混ざり方、yamaとの声の重なり方が好きだった。


事前に聴いた時から思っていたが春野くんはfeat.作品だけでなく共作もかなり多い印象。
MCトークを聴いて納得したが、人としてとても柔軟な方なんだろうと思う。
今月アルバムが出るとの事でその柔らかさから生まれる新しい作品をぜひ聴いてみたい。

LlNION

chilldspotとの作品から知った彼は台湾のシンガーソングライター。作品からBLACK MUSICの影響を受けてるのかなという印象だ。

SET LIST
Oh Girl
99
Mountain Dude
Room 335
Holiday Only
Her

彼のステージ直前に客入りが増えた。
どうやら台湾の方々のようだった。
このことによってそれまでの周囲の感じよりライブの楽しみ方が開放的になった。
もう2度と会わないかもしれない人の前だし。
好きな音楽があるんだし。人の目を気にするよりその場を楽しめた方が幸せだなと思いながらその光景を眺めていた。

Mountain Dude
Fusionに区分されそうな曲。マイナスイオンと心の栄養を同時に摂取できるような気分になる好きな曲。生で聴けてよかった。


Holiday Only
私の中ではStevie Wonderを毎回思い出してしまう曲。(おそらくAメロのシンセとベース音から来てると思うが。)
徐々に爽やかなPOPSになる曲調で、サビでクラップしながら輪唱するパートがあってライブでも一体感が出ていた。


最近台湾アーティストの曲を少し聴いているのだが、そういえばLlNIONさんに限らずAメロ/Bメロ/サビといういわゆるJ-POPの曲構成が多いかもしれない。少なからず日本の影響もあるのかな。だから聞き馴染みがいいのかもしれないな。
ステージ後そんなことを思った。

chilldspot

待ってましたの大トリ、本命chilldspot。
1年以上作品のファンで今回が初見。
一体どんなライブになるのか、セットチェンジ中からやっと見れる期待感でワクワクしていた。

SET LIST
ネオンを消して
dinner
Groovynight
music
BYE BYE
Like?

最初から最後までMC含め期待以上だった。
彼らは作品毎に曲のテイストがかなり変わるバンドだが、全てを繋ぐ一本筋のようなものがVo.Gt.の比喩根ちゃんの歌声だと思っていて。
ライブでその歌声は音源よりもよりダイレクトに届くしあの気持ちいい比喩根節(と勝手に呼んでいる)が炸裂していた。MCも冗談も交えながら盛り上げており、プチプチとエネルギーが弾けそうな存在感で、比喩根ちゃんが比喩根してるなぁと嬉しくなった。
chilldspotもワンマンが控えている。平日は行きづらいと思って迷っていたがもう行こうという気持ちに傾いている。

Groovynight
中奏のguitar playが大好きな1曲。ライブでももちろん最高だった。

music
ライブ参加の決め手になったこの曲は思った通りLINIONさんとコラボステージでやってくれた。実はこの2組、今回が対面するのは初めてとのこと。そうか、コロナ禍で制作されたこの曲は一緒に披露するのももちろん初めてか。言われて気づいた。

言語や文化が違っても、コロナ禍で生活様式が変わっても、好きな音楽があるだけで日々の嫌なことを忘れられる瞬間がある。小さく幸せだなって思う。
そう思える曲を生で聴けて幸せだった。


2. TOKYO FM LIVE INCLUSION 2023

“多様性などを受け入れていく”、“多様な価値観を持った人同士で一体感を持って楽しむ”というコンセプトのラジオ局主催の初開催ライブイベント。

出演Artist
INI/Creepy Nuts/GENERATIONS from EXILE TRIBE/yama

私のお目当てはもちろんINIだったが、Creepy Nutsとyamaも一緒に見れるなんて!とこちらも発表されてからすぐに申し込んだ。

ブレブレにぶれている…。

yama

代表的な曲を何曲か知っていて、どんなライブをするのか興味があったyamaさん。
今回は今後控えてるツアー同様のアコースティック編成でライブをされていた。

SET LIST
春を告げる
色彩
光の夜
slash
ストロボ

春を告げると色彩は知っていたがアコースティックバージョンで聴くとyamaさんの特徴的な声がより届いた。
slash/ストロボの2曲は新曲。
slashはガンダム アニメ新シリーズに起用されている。自身でもこれまでに無く強い曲と言われていたが、初めて聴いてもその強さが届く楽曲だった。

ライブ中のMCで言っていたか別のソースで見聞きしたか記憶が曖昧になってしまったが、yamaさんは顔出しが必須だったら音楽の道は選ばなかったと言っていた。ライブを観て、本人の希望に叶う形で表に出て声を届けてくれる事は一介の音楽好きからしても有難いし、そういう形を受け入れる世の中になってきていてよかったなと思った。

INI

今回の大本命。初生INIちゃん。
Next  Artistでアー写が映し出された時の高揚は2日通しても一番だった。

SET LIST
Rocketeer
BOMBARDA
SPECTRA
Do What You Like
We are
Runaway
HERO

まず、このセットリスト!
ゴリゴリ音ハメで踊る姿も、楽しさ全面に出てる姿も、柔らかい振りを踊る姿も、ハンドマイクで歌う姿も…もうてんこ盛り。
ファンはもちろん大満足だが、新規の方が見てもいろんな面が出せていて好きになる曲がひとつはありそうな並びだ。メンバーが考えたのかスタッフが考えたのかはわからないが勝手に満点をあげたい気持ちになった。

BOMBARDA
始まる時「武道館のみなさんさんこんにちは。まだまだ盛り上がれますか?Leeet's Go!」
洸人くんが観客に向かって声を掛けたのだが、その言い方が気怠いとかわいいの間の絶妙な言い方で堪らなかった。
他に洸人くんに関して言うと生でフロアが見れて感激した。他のライブ動画でも思っていたが腰を上げるところの型がいつも綺麗で、顔の残し方もよかった。
(配信は抜かれていなかったので双眼鏡チッケムしていてよかった)

この曲は

洸人くん:BOMBARDA
匠海くん:失くしかけた光を掴んで
京介くん:胸の炎を高らかに燃やそう

の部分がダンス構成も歌声も1番の見せ所と思っていて、このライブでも綺麗に決まっていて素晴らしかった。 


Runaway
この曲は、『わからない中でも一緒に進もう』ってMINIに向かって歌ってくれているような気もINI自身の仲間に向かって歌っているような気もする曲で、彼らの楽曲の中でも好きな曲。
このステージでは匠海くんが観客の方に向かってまっすぐ想いを届けようとしている様な眼差しで歌っていたのが特に印象に残った。
あと、かわいそ可愛かった場面として、洸人くんが"やっと君見つけられた この手繋ぎI'm not lonely"を歌いながら隣の匠海くんに手を差し出したが、前のパートでフェン匠ハモリがあって匠海くんは洸人くんと反対側を見てたので全く気付かず。苦笑いで手を正面に戻してたの。ここもライブでしか見れなかったはず。
(ちなみに、この歌詞をたじくんが書いたと教えてもらって、それを洸人くんが歌っている事にドス鯉時からの絆を感じて感慨深いなと思っている。)


GENERATIONS

正直AGEHAしか知らなかったが、ファンの方にSNS上で曲紹介してもらって予習して臨んだGENERATIONSさんたちのステージ。
結論、予習していって大正解!さすがに経験が豊富で知らなかった曲でも乗せるの上手いなぁと思ったが、知ってる曲の方が多くより楽しめた。

GENERATIONS SETLIST

ワンダーラスト
サビの振付がとにかくキャッチー。ダンス未経験でもすぐ真似ができそうで、ステージの端から端まで大きく使って踊っていたのが印象的だった。歌詞も社会人中堅に差し掛かっている自分にはよく響く内容で好きな曲になった!


AGEHA
日プ2で知ってから聴くだけでテンションの上がる曲ではあったが、コラボしてるところを肉眼で見れるとは…本当にラッキーだった。
このステージがきっと1番会場のボルテージが上がっていたと思う。
こういうライブで観客が一緒に声出しして盛り上がれる曲があると楽しいなぁと改めて。


Creepy Nuts

曲もラジオ(ANNお疲れ様でした)も以前から聴いていて現場に行ったことはなかったけど絶対いいライブされるだろうなと楽しみにしていた。
だが、最初のR-指定さんのMCでハッとした。
そうか、今日はボーイズグループ目当ての人がたくさんいるペンライトキラキラ会場。
アウェイ感を感じざるを得ないか…。
そう思ったのも束の間。イベントのコンセプト説明から会場を巻き込むMC。一気に会場の空気を味方につけ一曲目が始まった。

SET LIST
数え唄
よふかしのうた
堕天
のびしろ
かつて天才だった俺たちへ
生業

数え唄は知ってる人も知らない人も曲に合わせて自分の手を使って参加できる、こういうイベントの導入としてもってこいの曲。実際この曲まで座ってた人たちもいたけど、一緒に指で数えながら空気が上がって行って次の曲ではみんな総立ちになってた。

ここからおそらくコアファンでなくても知っている曲が続いた。

かつて天才だった俺たち(一コマ)

本人たちも言っていたが、前日アラバキで翌日この光景は高低差ありすぎだろうと思う。
(私もフェスは昔から行ってたがペンライトキラキラ会場はまだ慣れない)

MCが本当に上手だったし、クリーピーについてるコアファンも面白い方がいて会場全体が声を出して笑うような場面もあった。やっとイベントで観客側が声を出せる状況を喜んでくれていて1番盛り上げ上手だった。

そして最後に生業。最高潮に会場を盛り上げて最後にこれで締めて自分たちの矜持を見せ去っていく。カッコよかった。


3.2夜連続ライブと多様性について

ここまでライブ所感を長きにわたって書き連ねてきたが、2つのライブについてまとめて書きたかったのには訳がある。
たまたま複数組の出るライブ、しかもそれぞれの曲のテイストも全く違うライブを2日連続で観て、すごく当たり前のことを改めて思ったからだ。

私たちはこんなに多様な音楽を受け入れて楽しめる。人それぞれ好き嫌いはあれど、それは色々なものがあるからこその価値観だし、いくら好きなものでも毎日それ一辺倒なんて事はほとんどない。だけど、こと人間関係や仕事、政治など日常に取り囲まれているものについては自分の正義以外のものを受け付けられないことがままある。
だから、これは自分自身への反省を込めて、自分の物差しで他人を図ったりましてや自分の価値観を押し付けたりしてはいけないなと改めて心に刻みたい、そう思えたイベントになった。

with コロナの世の中になり、これからこういった多様性を受け入れるきっかけになる様なイベントが益々増えるのではないか、そう予想している。楽しめて意義も感じられるイベントにお金を使える事は幸せな事だ。