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密にできないコイ

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男嫌いの仁和は、中学生の頃ある祭りで不登校になった。そのせいで偏差値の低い奈留高等学校しか受けることが出来なかった。そして新種のウイルスが拡大を増し、1ヶ月弱も休校が続いた。その…
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#恋愛小説

あとがき

あとがき

 皆様。初めましての方は初めまして!そうでない方は久しぶりです。『密にできないコイ』の作者、古波蔵くうです。毎回、今作は随分と長めになりました。後半、短すぎたけど。実は、この話……半分ノンフィクションです。登場人物も全てモデルが存在します。一つネタバラシしておくと、侑久さんは私のアシスタントです。主人公である仁和は、アシスタントさんが当時好きだった人がモデルです。仁和さんの過去は、私の想像で書きま

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Last Episode 名付け

Last Episode 名付け

 2028年。ゆっきーは2つの紙を見比べている。実は後5ヶ月で私とゆっきーの子供が生まれる。紙には、私の名前と、ゆっきーの名前が書いてあった。
「子供の性別でどっちだっけ?」
ゆっきーが聞く。
「何回も言わせないで! 女の子だよ!」
私はゆっきーに毎回『子供の性別どっちだっけ?』と聞かれる。さすがに、娘が生まれると分かって欲しい。すると、ゆっきーは2つの紙を切って名前を提案した。
「こんな名前はど

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Last Episode プロポーズ

Last Episode プロポーズ

 2027年3月8日、嘉穂団地亀山家。私は専門学校を卒業後、在宅ワークをしている。仕事場所を選ばなくて、良い職業だと思う。ゆっきーは、国立大を卒業後気象予報士の試験を受けている。今まで六回受けて来たけど、全て不合格。合格率は5%で狭き門だと思われる。今日は合格発表日だ。
ーーリード♪
ゆっきーからLEADが来た。
『ゆっきー:合格通知きた!』
『ににゃ:どうだった?』
『ゆっきー:今から開ける』 

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Last Episode 克服

Last Episode 克服

 8月中旬。私の専門学校もゆっきーの大学も夏休みに入った。今は、ゆっきーと一緒に喫茶店でティーを飲んでいる。すると、私の後ろに着物姿の男性たちが素通りしていった。
「そういや、もう祭りの季節か……」
ゆっきーが呟く。
「そうか……レイノも落ち着いて来たから開催するんだね」
私はうつむく。中学の頃の黒歴史が蘇ってくる。
「仁和? 祭り好きじゃないの?」
ゆっきーが問いかける。
「好きじゃない……黒歴

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Episode.5 高校卒業

Episode.5 高校卒業

 2023年3月1日。今日は卒業式。今は、式も終わりみんなお菓子の首飾りや帽子を被って帰っている。
「仁ー和ーちゃん♪」
ゆっきーも何個かお菓子の首飾りしている。
「合唱部は部員いた?」
私はゆっきーが合唱部に所属していたことは知っていた。
「廃部にならないといいけど……」
ゆっきーは卒業アルバムの部活紹介で1人しか写って無かった。
「そうだ!」
ゆっきーは制服のネクタイを取って、私の首に巻いた。

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Episode.5 恥

Episode.5 恥

 2月上旬。私は今日もゆっきーの家に行く。
「今日は、義姉さん達はいる?」
私が聞くと
「今日は夜まで買い物するとか言っていて居ないよ」
ゆっきーは答える。
「服着ていっているよね?」
私が次の質問を投げかける。
「ネーネーはそこまで倫理観欠けていないから」
ゆっきーがドアを開ける。
「なんか菓子とか、飲み物持ってくるか」
ゆっきーが台所に向かう。私はソファに腰を下ろす。部屋の辺りを見渡すと、少女

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Episode.5 秘密【侑久side】

Episode.5 秘密【侑久side】

 1月13日。仁和にネーネー(従姉)を見られて、2日が経過した。仁和はあの日から学校に来ていない。たぶん、俺のことを視界に入れたくないのだろう。
《今日……謝りに行こうかな? 大晦日に過ごしたから住んでいる場所は分かる》
俺はクリスマスが終わった後、岩田から
「仁和の住んでいる場所知りたい?」
と。言われた。
「知りたい……」
俺はどうせなら知りたい。ネーネーもいない部屋で1人は寂しいから。
「で

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Episode.5 三学期

Episode.5 三学期

 2021年1月10日。私はゆっきーと一緒に下校していく。
「俺の家、ホントなら従姉居るんだけど高校入試の1ヶ月前に沖縄に行っちゃって……」
ゆっきーの家系は両親の都合で従姉の家に居候しているらしい。
 源家。ゆっきーの従姉の家は、大金持ちなのか、かなりの豪邸に住んでいた。
「ちょっと待ってて」
ゆっきーが先に、家の中に入る。
「あれ? ネーネーの靴がある……」
ゆっきーが、何かを発見したらしい。

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Episode.4 大晦日

Episode.4 大晦日

 12月31日、亀山家。私は源くんと2人で紅白を見ている。なぜ、源くんがいるのかというと18時ぐらいに
「俺、今1人で寂しく年を越したくないから……亀山と一緒に年を越したい……泊めてくれないかな?」
と。押しかけて来た。私は源くんを家に上げた。あまり広くない間取りだけど。今、源くんは沖縄出身の6人組アイドルグループのダンスを狭い私の部屋で踊っていた。
「源くん? 下の階の人に迷惑が掛かるよ?」

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Episode.4 クリスマス

Episode.4 クリスマス

 12月24日。寒さがより一層強まったクリスマスイヴ。気温が下がりきって雹が降っている。私は次の授業、世界史の教材の一つ、ファイルを開くと手紙が入っていた。送り主は源くんだった。手紙を開くと
〈放課後……4階の視聴覚室横のベランダで待っている〉
と。書いてあった。しかも、すごく綺麗な文字。源くんはこんな字は書けないはず。
 放課後、四階視聴覚室横。ガラス戸を覗くと、マフラーに手袋をして学ランで立ち

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Episode.4 誕生日

Episode.4 誕生日

 11月6日。今日は遠足の日。そして私の誕生日。私はこの日のために塚本くんと別れた。私達はクラTとジャージを着て、集合場所に向かった。バスに乗ると、源くんが小さな箱を持っていた。
「仁和ちゃん! ゆっきーの隣」
席は自由のはずなのに、音琉は私の席を指定する。私は源くんの隣に腰を下ろす。なんか、すごく恥ずかしい。源くんは窓から外の景色を眺めていた。外には別クラスが乗るバスが止まっている。
 砂月ビー

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Episode.4 フル【両side】

Episode.4 フル【両side】

 侑久side。11月2日、特別教室棟2階生物教室。
「島崎! ちょっと話があるから来てくれ!」
俺は島崎を呼ぶ。島崎は席を立ち、俺の後を追う。
 特別教室棟4階、音楽教室前。
「すまんな……数ヶ月弱ぐらい告白の返事先延ばしにして」
俺はまずソウタのように謝罪する。
「大丈夫! ゆっきーの返事はわかっているから!」
島崎はエリと同じセリフを言い、俺に抱きつく。今はソーシャルディスタンスの時代だ。

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Episode.3 新たな友達【侑久side】

Episode.3 新たな友達【侑久side】

 10月16日、トイレ前の水道。俺は、歯を磨いていた。清潔感のためと、単純に口の中が気持ち悪いから歯を磨く。俺が歯を磨き終えると畳が来た。
「侑久! 情報を入手したぞ!」
と。どうやら、光と亀山の情報を教えてくれるらしい。
「教えてくれ!」
俺は畳に階段近くの踊り場へ連れてこられた。
 踊り場。
「侑久、メモ帳と書く物は?」
畳が持ち物を確認する。
「持ってる……」
俺はブレザーのポケットから無地

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Episode.3 友達になる

Episode.3 友達になる

 10月1日、特別教室棟3階。特別教室棟には奇数階は女子トイレのみ、偶数階に男子トイレのみが設置されている。時差分散登校も無くなった。私は今、夏澄、音琉、勝山命風、勝山凌で女子トークをしている。
「ねぇるね、好きな人できたの……同じクラスなんだけど」
音琉ちゃんがモジモジし始める。耳も赤くなっている。とても恥ずかしいのだろうか。
「誰なの? 同じクラスって言われても分かんないよ?」
命風ちゃんが問

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