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野球の世界ランキングについて

1月21日、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)は最新の世界ランキングを発表し、日本は1位をキープしました。

日本人としては喜ばしいことですが、こちらのランキングに対しては疑問の声も多い。「これは本当の強さ順じゃない」「野球の世界ランキングなんて意味はない」みたいな意見も多数。

1~12位
13~24位

確かにアメリカが5位、WBCで2大会連続準優勝中のプエルトリコが16位なのは違和感を感じる方も多いでしょう。私もリアルな強さは以下のような感じかと思っています。

世界ランキングが歪な理由

こうなってしまう理由を考えてみました。

ポイント制
野球に限らずスポーツの世界ランキングは、国際大会の成績からポイントを加算し、直近数年間の合計ポイントにより格付けされます。大きな大会で高い成果を残せばそれだけポイントが多くなります。
とはいえ国際大会というのは、国や地域によって出場機会の多さが異なります。地域(欧州、アジア、南米など)によって国際大会の数は異なり、地域別の国際大会(欧州選手権など)を多くやっている地域であればポイントも増えやすい。
また多くの国際大会に出場するには資金力が必要ですが、それを調達できるかは国の豊かさや文化によっても異なります。

他スポーツを見ても、リアルな強さが上手く反映されるポイント算定ってなかなか難しいのです。サッカーのFIFAランキングでも算定方法の改定を重ねられていて、今では実際の強さ順に近いですが昔は???と思うことが多かった。

年代別の大会もポイントの対象
では野球の場合、①で述べたポイントの対象となる大会は何か。もちろんWBCやプレミア12、五輪などは対象ですがそれだけではありません。
実は年代別の大会であるU-23、U-18、U-15、U-12の大会も対象。小中学生の大会の結果も対象というのはあまり知られていないのではないでしょうか。ちなみにU-18、U-15、U-12の3大会で優勝するとWBCで優勝するより多くのポイントは入ります。

とはいえ小中学生年代の強さと国全体が強さは全く違ったりもします。これも一つの要因です。

メジャーリーガーが出れない国際大会
世界の強豪国の大半は、トップ選手がメジャーリーグでプレーしています。彼らが出場できる国際大会はWBCのみですが、ポイント対象の大会は他にも多数。特にプレミア12なんてWBCより多くポイントが加算されます。
WBCで2大会連続準優勝中のプエルトリコが世界ランキングでは16位でした。プエルトリコはメジャーリーガーが多くいるものの人口が少ないため選手層は薄く、メジャーリーガーが出れない国際大会では格段と実力が落ち、結果が残せておりません。こういう国ではベストメンバーを組んだときの実力と世界ランキングに乖離が起きます。

世界ランキングをどう捉えるべきか

ここまで述べましたが、だからといって世界ランキングに意味はないかと言えば、そうではないかと思います。日本が世界ランキング1位なのは誇って良いことかと。

メジャーリーガーが出場しない国際大会でも日本が好成績を残せるのは、自国にレベルの高いリーグがあり、またメジャー移籍で選手が抜けても戦力が大きく落ちない選手層あってこそ。
また年代別の大会を含め多くの国際大会に日本は出場していますが、それができるのは日本球界全体の手厚いサポートあってこそ。同じく上位の台湾やメキシコも含め、世界ランキングはその国の球界全体の努力の結晶とも言えるでしょう。

とはいえ国際大会のときは正直アテにしてはいけないかと。国際大会で対戦国に対して「この国は世界ランキングが低いから格下」と思うのは禁物。野球ファンは分かってる方も多そうですがメディアが国際大会のときこういう感じで報じてることも何度か見かけ、なんだかなぁとは思ってます。実力を図るにはもっと細かく戦力分析が必要ですね。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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