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Layered-読書の堆積は人生の記憶の堆積 #1

|その時|を象徴するキーワードに対して直観的に選ばれた「本」を
|その時|の表象として、記憶として、レイヤーしていく試み。  

2020年の「Layered」:Keyword

2020年秋、コロナ禍(Covid-19)の行方がまだまだ不透明な中、私たちの東京の拠点である清澄白河エリア周辺で初開催された「本と川と街」という地域アートプロジェクトに私たち gift_で出展したプログラム「Layered」ーレイヤード。積み重ねられたもの、地層。

選ばれた本を手に取り実際に読むことができる [ 選書図書室 ] の巡回展と、その本を選んだ理由を選んだ人たち自身が解き語り合う [オンライントーク] とで構成し、継続的な「現在」の定点観測プロジェクトとして、年を重ねていくことを前提に、アートプログラム「Layered」は歩きはじめました。 

地球規模のシフトチェンジに遭遇した2020年のキーワードに選んだのは、” Switch”。局地的な災害でもなく、戦渦でもなく、国境を越えて、人種を超えて、文化を超えて、グローバルに突如として襲来したコロナ禍。

それはあらゆるものの歩みをいったん止め、地球全体が強制的にスイッチ・オフとこれまでのライフスタイルや働き方のRe-Thinkを迫るものでした。

この ” Switch” は何を終わらせ、どこへ向うのか。

2020年は、さまざまなジャンル/媒体で、キュレーション/編集で時代を紡ぎ出す作り手である方々との ” Switch” を巡る選書と対話で「2020年の現在地の記憶」を試みました。

“ Layered” by gift_  information
https://layeredbygift.tumblr.com/
https://www.facebook.com/layeredbygift/


2020年の「Layered」:Traveling Library

4組8名の紡ぎ手にお声がけをして、選んでいただいた本は全24冊。「本と川と街」の開催エリアである清澄白河域内のそれぞれ個性の異なる会場3ヶ所を毎週末引っ越しながらの巡回図書室を開催。

gift_として独立した頃に入手した、だいぶ年期の入った古い図書館ワゴンと台車に、選ばれた本と本棚代わりのワイン箱を積み込んで、ごろごろと街を移動して運びました。客観的にはかなり不思議なというか奇異な光景だったのではないかと。とはいえ、移動そのものもおそらく作品。

このノックダウンできる、可動である、どこにでも行ける、行く先々のその場所の状況に応じて展示を組み替えられる、積み木のような展示ユニットは、"移動"が常態と言っても過言ではない私たちの、いかにも私たちらしいスタイルであったなと思います。

2020年11月1日〜8日
Traveling Library@LYURO 東京清澄 by THE SHARE HOTELS

初日の朝に gift_labからLYUROへ [ 選書図書室 ] を運ぶ。

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LYUROは隅田川のほとり、清洲橋のすぐ側に立つシェアホテル。エントランスロビーに隣接するギャラリーをお借りしました。朝食後に窓際の席でくつろぐ宿泊のお客様を目の端で気にしつつ、15分ほどで設営完了。

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2020年11月20日〜23日
Traveling Library@アトリエタキグチ

LYUROから一度gift_labに戻って、その翌週の連休の週末は老舗の材木問屋さんの旧社屋で、お相撲さんの寮を経て現在は上階がアーティスト・レジデンスになっている古いビルの1階のギャラリースペースをお借りしました。「本と川と街」の会期中に常設展示されていた映像作品 [ SILENT CITY ]が投影されている奥のギャラリー手前の小部屋を図書室化。行く先々の場所の椅子を読書用にお借りしましたが、ここでは何ともレトロな昭和な内装にふさわしい味わい深いスタイル。

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gift_labからアトリエタキグチさんへは、資料館通りといういかにも下町らしい商店街を抜けていきます。この域内だけで50を越すといういくつもお寺や新旧さまざまな商店の前の舗道には同時期に開催されていた「アートパラ深川」に出展された絵画作品のイーゼルがずらりと並んでいました。

元々、「本と川と街」はお膝元の東京都現代美術館 MOTで毎年開催されることになっていた「TOKYO ART BOOK FAIR」との連係企画として発案されたものでした。11月中このエリアでこうした多様なスタイルとアプローチでアートイベントが同時多発している状況は、MOTや隅田川沿いの倉庫跡地のギャラリーコンプレックス、そして街なかに点在するユニークな個人ギャラリーが大好きでこの街に越して来た私たちにとって非常にウェルカム。

さらに遡れば、大学時代に足繁く通った伝説のオルタナティブ・スペー「佐賀町エキジビット・スペース」があった土地でもあり、現代アート好きにはある種、聖地のようなエリアで、こうして新たに地域の人たち発でそれぞれのやり方で紡がれる、それぞれのアートイベントたち。まさに「生えて来た」ような。これからもすこやかにすくすくと、それぞれのペースで続いていってほしいと願っています。


2020年11月13日〜15日/11月27日〜29日

Traveling Library@gift_lab

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今回4組8名の紡ぎ手にお声がけをして選んでいただいた全24冊の本と選書クリエイターの方々との対話については1組ごとに綴っていこうと思います。

Layered-読書の堆積は人生の記憶の堆積 #2へ
つづく

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