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絶対評価に惑わされない

他社と比べて不良品が多い会社はマイナスイメージが先行してしまい評価を下げざるをえない。しかし、その会社との取引の総数が多ければ話は変わってくる。一方で取引の総数が少なければ不良品を起こしてもそんなに目立たないかもしれない。

こんな風に規模を考慮せずに絶対数しか見ないで間違ったイメージを先行させてしまうケースは意外と多い。


例えば、CMやマスコットなどメディア露出が多い家庭用事業よりもあまり一般家庭の目に触れない業務用事業の方がその企業の売上の大半を担っているといったことも珍しくない。

逆もしかり、絶対数を見失って間違ったイメージを植え付けてしまうこともある。

トヨタ自動車の豊田社長はEV事業について「絶対台数で評価していただきたい」と述べた。たしかに海外のEV新興企業と比較すると、全リソースに占めるEV事業の割合は低いが、販売台数に限らずトヨタがEV業界に寄与するポテンシャルははかりしれない。
(個人的にはEVと銘打った西洋式枠組みよりも、素材からプラットフォームまでモビリティとしてのイノベーションを舞台にした抗争を見たいのだが)


絶対数がもたらす間違ったイメージ先行は政界でも横行する。昨年の総裁選·衆院選は、ひとことで世論といっても世代や地域によってその様相が異なることを知らしめた。

女性総裁としての期待から一部でムーブメントが起こり、今回の総裁選には男女平等のイメージがついたように見えた。しかし、蓋を開けてみれば党員票で女性が最多票を得たのは47都道府県中2県のみだった。
また衆院選では、維新が野党第一党に迫るのではという期待もあったがその躍進も一部地域にとどまった。


SNSやメディアの普及で絶対数が見えにくくなっている今、間違った排斥や助長が頻発しているように見える。

多様性が謳われる今世では、絶対評価と相対評価を正しく使い分けるもしく併用する力がさらに問われるようになるのかもしれない。


e karas

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