薬剤師国家試験の勉強法

進級おめでとうございます。卒論は書きましたか?今年度用の青本青問は買いましたか?もししてなければ

いますぐしろ

自己紹介

こんにちは。ぎっちょと申します。自分は昨年度の第107回薬剤師国家試験に現役で合格した元薬学生です(5/4現在、薬剤師名簿登録されたって通知がまだきてないので薬剤師とは名乗れない)。

今年薬学部6年生になった人のほとんどは薬剤師国家試験を受けたことがないはずですので昨年度に受験で死にかけた私の話をいくつかして「ここに気をつけような」みたいなことを書きます。

ちなみに自分の勉強法は大学の先生側からしたら本当に怒られるかもしれないし、自分の体験が100%なので鵜呑みにはしないでください。あくまでも自分はこうした、って話です。n=1です。

卒論

適当でいいよ。

誤解しないでください。本気で取り組みたいひとは真面目に取り組んでいいんです。ただ6年生からするのは遅すぎるのであなたが6年生なら本当に適当でいいと思います。
薬学部生として1番大事なのは国試合格、2番目は内定、3番目は卒論です。
うちの大学が適当なだけだからかもしれませんが、ある教授曰く「3日で書こう」とのことでした。
自分は4月から6月上旬(締め切り2週間前)までだらだらと書いていたので国試の勉強の時間がめちゃくちゃに少なくなってしましました。

そもそもコロナの影響とか研究室異動の関係で専門外の教授に査読してもらったので手直しの必要がほとんどなかったからかもしれない。

書き方とかわかんなくなったら即座に教授に聞こう。

就活

これもコロナの影響が強かったです。友達との会話がめったになかったので友達がいつ内定取ったのか全然知らなかった。なんなら今もわかってないですよ。

他の医療職はわかりませんが、自分(田舎の総合病院の薬剤師志望)は何の問題もなく内定を取れました。感覚としては「優秀なひとを採るのではなく、ヤバいやつを落とす」という感じです。都会とか調剤薬剤師以外の職種だと分かりませんが自分はこんな認識です。

時期としては8月に情報収集と履歴書、9月に面接、10月に内定を取った、という流れです。
これはかなり遅いと思います。遅くても簡単に内定を採れるならいいじゃん、と思われるかもしれませんが採用する側としては「なんでこんなに遅くなったんですか?」と聞きたくなります。実際に聞かれました。自分は自分の責任ではない研究室のごたごたで後れを取ったので不問になりましたが、例外中の例外の対応だったのでほとんどの薬学生では不利になる材料です。

国試対策

さて、ここからが本番です。自分は4~6月はほとんど勉強せずに7~8月は手抜きの勉強(青本を1日に40P読んだら上等って思ってた)、9月から本気で勉強しました。

4~8月の勉強内容は参考にならないので省きます。強いて言うなら空いてる時間をすべて「説明できないくらい苦手な分野をメインににつぎ込む」です。この1年間に薬ゼミの模試と学内の試験のどれかしらに各分野の問題が出ます(よく出る分野はあるけどすべての薬ゼミの模試と学内の試験に出ない問題は無いと考えたほうがいいです)。

4~7月までは青本をとにかくペラペラと読むといいです。青問を解いて確認するのもいいでしょう。可能な限り早く青本を読んでどの分野が苦手なのかを把握しておきましょう。存在を忘れていて苦手だったかどうかさえも忘れてる分野もよくあります。7月に入るまでにどこのページが苦手なのか把握しましょう。

じゃあ青本を読んで青問を解いたら国試に合格できるのかと言われたら間違いなくNOです。自分は薬剤名と作用機序を結び付けるのが苦手でした。いや、今でもそこまで得意ではありませんが今よりもひどいものでした。
薬の名前と作用機序が結びつかないせいで薬理はもちろんのこと生物や病態・薬物治療にも影響があって常に得点率は45%というひどいものでした。

得点率60%を切った生徒のみが呼ばれる反省会では常連になり、いつも先生にこれからの勉強をどうするかの話し合いでは先生から青本と青問をやりなさい、と言われました。しばらくは確かにそうしていましたが、あるときヤケになって自己流で対策することにしました。それが英単語みたいに暗記カードを作ることでした。

薬理の授業を聞いていたので「ビグアナイド系は~」とか「チアジド系は~」みたいな話をされても理解はできていました。ただ「この名前の薬はどんな作用機序だっけ...?」といつも思っていました。

そこで写真のようなカードを作りました(自分用なので字が汚いのはご容赦ください)。薬理の青本で赤文字で書かれている薬剤と実習で印象に残ってる薬をすべて書きました。それでさえも600剤くらいあると思います。

当時の自分はかなり焦っていたのでこれを書き終わったあとに24時間でぶっ続けで覚えました。そしたら今まで不動の得点率45%から55%と、10%も増えました。たしかそれでやっと薬理と病態が平均になったと覚えています。最終的に卒試の追試で初の60%超になりました。ギリギリすぎる。それからは薬ゼミの授業をすべて受けずに法規を中心に自分で過去問を解いていました。薬ゼミの授業内容は丸一日受けても増えた知識が1つ2つだったので...。
さきほど書いたように、ほぼすべての分野が模試や試験の過去問で登場します。ということは仕上げとしては今までに受けた模試と試験を復習したらいいんじゃない?と思い国試直前は模試とその解説とにらめっこしていました。

ところでたまに「青本使わずに国試合格した!」的な勉強法を見るのですがあれは青本を使う必要がないくらいにすごく成績のいい人がするアクロバット受験なのでよい子はマネしちゃだめですよ。青本と青問はいる。

国試の勉強法のイメージとしてはあなぼこの土地の穴を埋めて平らにする感覚に近いです。穴を埋めて行ったらいつの間にか穴は完全にふさがって土を盛っていき、かつては穴じゃなかったところが穴になってしまったような。国試もそんな感じで、いままで苦手だと思っていたところを重点的に勉強していたらいつの間にか得意になっていた。それはそれでいいけどじゃあ今度はかつて得意だと思っていたところを復習しようね、そうじゃないといくら得意分野と言えども忘れてしまうから、というような。

すごく当たり前なんですけど、国試は問題の求める選択肢を選ぶ問題とは限らないんですよ。
例えば5つある選択肢のうち1つを選ぶ問題があったとして「設問に適した選択肢はこの選択肢5だ!」と自信をもって答えられたらそれが最高だと思うんです。でも「選択肢5はわからないけど1~4は絶対に違うから5かな...」ってパターンもありますよね。
つまり「問題が求めない選択肢を特定すること」でも正答を導くことができます。

何を言いたいかと言うと、なにかしらの分野で完璧を求めるのではなく各分野でまあまあのレベルで知識と思考を鍛えるということです。

おわりに

ここで書いたことはすべて個人の体験で、自分の過去の経験から「自分に合った勉強法はこれだった」と思っただけの話です。先生から提案された勉強法をまずはやってみるのが良いでしょう。それでもぜんぜん振るわない、成績の上がる感じがしないのであれば自分に合ったであろう勉強法をするのがいいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?