古き指輪はかく語れり
私は中古ジュエリーを眺めるのが好きです。
なぜ新品でなく、わざわざ"中古"かと言うと、それはかつて一度は誰かの手に渡った品だからです。
新品は流行にのっとったデザインや無難なデザイン等、万人受けを狙った物が多いように思います。
反対に中古は、誰かが"いいな"と思って買った品(結局は手放してしまっているのだけれど)なので個性的な物が多く、中には作家物やオーダーメイドやアンティーク並みに古いものもあったりします。眺めていると、"えっ、こんなデザインあるんだ!"とか、"こんなの買う人がいるんだ!"なんてびっくりすることも。
でも、私の場合はあくまで見てるだけ。購入はほとんどしません。
これいいな、と思ったり、これはお買い得、と思ったりすることがないわけではないのですが、そういうものは後から後から出てくるので、見つける度にいちいち買っていたらお金がいくらあっても足りません。
そんな私でしたが、つい先日一つの古い指輪を買いました。
最初見つけた時、いいな、とは思ったのですが、前記の理由もあって買おうとは思いませんでした。それに、いいなと思う指輪はこれまでにもいくつも出逢ってきていました。この指輪もその一つでしかなく、時間が経てば忘れてしまうだろう、そう思っていました。
ところが、見つけてからしばらく経つとなんだか気になって、売っていたお店を探し出しまだ残っているか確認する、ということを何度か繰り返すようになりました。
とにかく気になるのです。
なぜ気になるのか?それは自分でも説明のつかない気持ちでした。
もしかしたらこの指輪が謎めいていたからだったのかもしれません。
ぱっと見は普通の金のリングです。でも内側に謎の刻印や下手くそな手彫りの文字がありました。
なんだか怪しい。
思い切ってお店の人にいくつか質問をしてみましたが、分からないというお返事で謎は解けませんでした。
お店の人でさえ詳細が分からないなんて、もしかしたら偽物(貴金属製ではない)では?と疑いながらも気になって仕方がないのです。
それでかなり長い間悩んで、一時はもう忘れようとしたりもしたのですが、結局買ってしまいました。
購入してみて"惚れ込む"とはこういうことなのか、と思いました。
これまでに指輪やネックレスなど買ったことはありましたが、ファッションの一部として捉えていたので、何にでも合うものや、襟ぐりの開いた服の時に着けるもの、などといった選び方をしていたのです。
今回購入した指輪は見れば見るほど"好き"という気持ちが湧いてくるのです。どんな服にでも合うから、とか、ちょっとしたお出かけにぴったり、とかそういうのではなくただ好きで眺めてると惚れ惚れする…こんなのは初めてのことでした。
以下その指輪をシャーロックホームズのようにプロファイリングした話を書いていきたいのですが、個人的な備忘録ですし、自慢話に聞こえるのも嫌なので有料にしておきます。
追記
好き勝手に書き散らしているので、有料に設定しておけばわざわざこの先を読む方はいないだろうと思っていたのですが、意外にもお付き合いくださる方がいらっしゃったので、時既に遅し、かもしれませんが、以下不思議な話もスピ系の話も出てきませんことを書き添えさせていただきます。
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