強いチームとは 私的解釈

「強いチームと弱いチームの差とはいったいなんなのか?」

これは弱いチームを指導するにあたっての最初で最大のテーマの一つでした。
今までたくさんのチームと試合をさせてもらいましたし、審判もさせてもらいました。
そんな中で強いチームと弱いチームの差が私なりに理解できてきたので自分が忘れないためにもここに記録しておきたいと思います。

強いチームにあって弱いチームにないもの

選手が子どもである以上、大人の力はチームには必要不可欠です。
そんな選手やコーチに必要なもの。
それは「自信」だと思います。
弱いチームと見比べることで明らかです。
弱いチームは
「早く打て!」
「なにをしてるんだ!」
「前へ早く運べ!」
「1人で抜け!」
こんな言葉がよく飛び交っています。それも怒号のように。
逆に強いチームのベンチは本当に静かなものでした。
もし、試合に本当にこれらの言葉が必要なら、なぜ試合前に伝えて説明してあげないのでしょうか?
そんな展開を予測していない?そんなことを教えていない?
それなら私はコーチの怠慢だと思います。
現状のチームの状況をしっかりと把握し、評価する。そして足りないところを練習し、再び評価する。
これができていればなぜ同じことを試合で言う必要があるのでしょうか?
それもゲームの邪魔をするほどに。

実はコーチほど曖昧に指導している現実

コーチは選手の模範となり、進むべき道を示す指導者です。
そんなコーチほど曖昧な指導をしている現実があるのではないかと私は思っています。
サッカーを教えるコーチなのですから経験則だけではなく、まずはサッカーの成り立ちや原則、そういったものを体系的に教えないといけません。
そしてチームとしてどういったサッカーを目指しているのかをきちんと掲げる必要があると私は考えます。
さっきまで引いて守れと言っていたのに急に前でボールを奪えと言われても無茶な要求です。
このコーチはそんな経験をして上手くいったのかも知れませんが、道理を欠いてそんなことを言われるとそりゃあ選手にとってたまったものではありません。
しかし、こういったことが実際の試合であるのも事実です。
こんな指導を見るたびになんて場当たり的で相手に合わせてくれる楽なチームなんだと思わされます。
ましてや相手選手が上手いチームであればあるほど対策も打てますし、相手チームのスタイルがうまくいっていることを教えてくれているようなものです。

試合はコーチにとって答え合わせ

私はあくまでも試合は「答え合わせ」だと思っています。
自分たちが目指しているサッカーは正しいのか、目指しているサッカーを選手が理解してくれているのか、選手の能力を的確に評価できているのか、選手にサッカーを好きになってもらえているか等、その時々によって多少テーマは異なりますが、そういったテーマをもって必ず試合に挑みます。
選手は子どもだろうと大人だろうと勝つことに一生懸命だと思います。
そんな選手に試合中にサイドコーチングをするようなことはテストでカンニングを勧めているのと同じ行為だと思います。
そしてカンニングで得た効果は長続きせず、身に付かないことは、大人なら誰でも知っていることです。
それに、サッカーは「ゲーム」です。
TVゲームをやっているときにコントローラを奪って大人が勝手にクリアしても子どもは喜びません。
だからこそ大人は応援し、命令をするのではなく、提案をするまでで止めておくべきです。
そうでないとテストで正しい答え合わせなんかできるわけがなく、正しい点数を知ることが出来なくなるのです。

だからこそまずは「自信」を与える

試合前に必ずやることがあります。

それは選手のモチベーションを上げることです。

選手は私たち少年サッカーの場合まだ子どもです。
そんな選手が相手を見て怖くなってしまったり、自信を無くしてしまうことは極々普通のことです。
しかし、そんなふうに自信を喪失してしまっている状態では全力なんて出せません。
勝ち負けに関わらず、全力を出していない状態では選手やチームの評価を正しく行うことが出来ません。

どんな相手だろうと自分たちのやってきたことをしっかりと出し切る。

これに尽きるのではないでしょうか?
子どもたちにとって負けてはいけない試合なんかありません。
サッカーで飯を食っているわけではないのですから。
だったら試合を最高に楽しめるように演出し、最高のパフォーマンスを出せるように舞台に立たせることが試合でのコーチの仕事です。
その結果が惨敗であったとしても、その試合結果は糧となり、日々の練習を頑張れるのです。
だからこそ不安や恐怖はピッチの外に置き、自信を胸に戦って欲しいと私は思います。

最後に

この考え方が本当に正しいかどうかなんて私にはわかりません。
私自身、サッカー経験=サッカー指導経験ですし、人生経験も浅いです。子ども達からみればただのサッカー好きのおじさんです。
ですが私は、自分自身・チーム・選手に100%の自信を持って試合に挑み、コーチングすることを課しています。
だから私は、
サイドコーチングはしません。
怒鳴ったりしません。
サッカースタイルを曲げません。

負けても選手個人のせいにはしません。
そんな姿勢を示すことで「強いチーム」になるのだと私は信じています。
口だけで「自信」を語るのではなく、コーチ自身が試合中に姿勢で示す。
こんな理想論はサッカー教本から得た浅知恵だと思われる方もいると思います。
しかし、サッカー経験=サッカー指導経験の私には成功している実例を忠実に実行していくことしか出来ません。
私自身経験を重ね、子ども達と一緒に成長していくしか私には「強くなる」方法がないのですから。


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