サッカー未経験コーチの憂鬱

「サッカーは少年を大人にし、大人を紳士にする」

日本サッカーの父と称されたデトマール・クラマーさんの言葉です。
私がJFA公認D級コーチの研修を受けた時に教えていただいたこの言葉に、私はとても感銘を受けました。
これは、私なりの解釈ですがこの言葉の持つ意味を書いていこうと思います。

この言葉をストレートに捉えると、スポーツを通して子どもが成長し、大人も成長していくということ。
その「成長」とは生きていく上での力を身に付けていく過程のことだと思います。
私達大人はいつの間にか仲間を作り、仕事をし、社会を形成する一員となり大人になります。
もちろんこの国では20歳で成人ですが、ここでの大人という意味は自身が子どもから大人になったと自覚し、周囲から大人として認められて生きていくようになる時の事です。

子どもは知らず知らずのうちに成長し、必ず大人になる時が来ます。

サッカー(スポーツ)はそんな「知らず知らずのうちに」を意識することができるツールなのだと私は思います。
仲間を作る。仲間と分かち合う。相手と競う。相手を敬う。自分の意志を貫く、ルールを守る等挙げればキリがないほどの体験をプレゼントしてくれます。
サッカー(スポーツ)はそんなプレゼントを試合の中で可視化してくれます。

私達大人にとって、子どもの成長する姿は何よりのプレゼントです。
そんなプレゼントを受け取った大人は、成長する子どもを目の当たりにして襟元を正される思いになり、紳士になる。と言うより、紳士にならざるを得ないと思います。

私達大人は成長をする過程で失敗が必要不可欠なことを知っていますし、誰かに応援される喜びを知っています。

こうしたサッカー(スポーツ)のような子どもの成長が可視化された場面で失敗を叱り、考えて進もうとしている子どもに厳しい規律で縛りあげてしまうと萎縮し、意志表示できなくなってしまいます。そして、自ら考える事をやめてしまいます。

私達大人も共に成長し、指示や規律を与える刑務官では無く、見守り、応援し、考える手助けをする紳士であるべきだとクラマーさんは説いているのではないかと思います。

サッカーでも社会でも本当に強い人は必ず考える力を持ち、集中して力を注ぐことが出来る人だと思います。

そんな紳士を目指そうと思いながらもついつい叱ってしまい、自己嫌悪に陥る日々を戒める文章でした(´;Д;`)

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