コーチの存在意義

少年サッカーコーチを始めて半年。
まだまだ日は浅いですが、何度か対外試合を外から見させてもらいました。

とにかく弱い!

勝ったところを未だに見た事がない…。

そして一番気になるのが、サッカーが楽しそうにみえない。

確かに友達とふざけたり、喋ったりしてよく笑い声の聞こえる仲のいいサッカークラブですが、大人も子どもも含めて試合中が一番静かです。
ふざけあったりして楽しい時、試合待ちをしている時はみんな喋って声をあげるのに、一番声を出して欲しい試合の時にはなぜかみんな静かです。

私がみているクラブは(選手同士で喧嘩や悪口を言ったりも多々ありますが)個性的で本当に気のいい子達ばかりで、楽しい子達だと思います。

それだけに大人の責任を感じます。
子ども達は負けたくて負けているわけではない。
負けたくてサッカーをしに来るなら練習にも来ないし、そもそもスポーツを好きにならないと思います。
大人はどうすれば上手くいくかの方法を知っています。
試合に集中する。考える。コミュニケーションをとる。作戦を立てる。最後まで諦めない。等。
ただ、その方向性や指導に問題があるのかもしれません。
そこで私たち大人が紳士になり、子どもを大人へと導いていかなければいけません。

子ども達はなぜサッカークラブに入ったのでしょうか?

純粋にサッカーが好きだから。プロサッカー選手になりたいから。仲のいい友達がいるから。誘われて何となく。親が強く勧めたから。友達を作りたいから。等々、色々な理由があると思います。
私自身、子どもの頃野球をやり始めた理由なんて、それ以外のスポーツを知らなかったからってだけだったと思います。そもそも本当の理由なんて正直覚えてすらいません。それでも今も野球は見ますし、機会があればいつでも参加して野球がしたいです。
その理由はとても単純で、楽しいからです。
子ども達もサッカーを始めた理由は色々あると思います。でも楽しそうだと思った部分は少なからずあるのではないでしょうか?

少し話は逸れますがスポーツという語源をご存知ですか?

「sports スポーツ」の語源はラテン語の「deportareデポルターレ」にさかのぼるとされ、「ある物を別の場所に運び去る」が転じて「憂いを持ち去る」という意味、あるいはportare「荷を担う」の否定形「荷を担わない、働かない」という語感の語である。これが古フランス語の「desporter」「(仕事や義務でない)気晴らしをする、楽しむ」となり、英語の「sport」になったと考えられている。
Wikipedia参照

では子ども達はどうでしょうか?
知らず知らずのうちに子ども達はサッカーを仕事に感じ、合間の休憩時間を楽しむようになってしまっているのではないでしょうか?
もし、そうであるなら気づかない間に我々大人がこのクラブを「職場」にしてしまっていたのではないでしょうか?

サッカー(スポーツ)の原点は「遊び」。

大人で例えると、仕事に行くのは辛くてしんどい。でも趣味の釣りへ出かける時は夜明け前の早起きでもへっちゃらです。そこで満足のいく魚が釣れた時はどうでしょうか?もう夢中になってしまいます。次の釣りが楽しみになると思います。ひょっとしたら仕事中でもそのことを考えているかもしれません。

それは自分が楽しいことだから「ワクワク」しているのだと思います。

子ども達にも同じことが言えると思います。
強いチームの選手は高校野球でも少年サッカーでもきっとそのスポーツのことが大好きで、ワクワクして毎日でもしたいと思っているのではないでしょうか?
時には上手くいかなくて辛い時期もありますが、「できた!」「勝った!」の喜びを知ってこそ、耐えれるのだと思います。
大人は勝つため、成功するために辛いことがあっても、経験から辛い時期を乗り越えることの大切さを知っています。
ですが、子どもにいきなり辛いことや楽しくないことを強いることは、稀に成功するかもしれませんが、それ以上にサッカー(スポーツ)を嫌いになってしまう原因となってしまいます。

子ども達にサッカーの難しさを教える前に、気のいい友達と一緒にサッカーボールで楽しい時間と空間を提供してあげることの方がとても大切だと思います。

保護者は選手にとって一番のサポーター(ファン)

保護者の力が大きく必要です。
楽しむ選手(子ども)を応援して、くじけそうな選手(子ども)を励ますことはプロ選手でも一番の力になります。
保護者は選手(子ども)にとっての一番のサポーター(ファン)です。
もちろんコーチは子どもを楽しませる仕掛けを何重にも施さなければなりません。
練習毎に常に研究と検証を重ね、常に楽しい方法を探さなければなりません。
そして、選手(子ども)だけではなく保護者(サポーター)にサッカーの楽しさを伝えることも重要な仕事の一つだと思います。
サッカークラブに携わる大人はコーチと保護者です。
コーチと保護者の力で、選手をワクワクさせてしまうような環境があってこそ、選手は持てる最高の力を発揮することができると思います。
そんな選手の笑顔に勝利が転がり込んでくるようなクラブにしたい。
そう導いていけるコーチに私はなりたい。


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