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【BAL】俺たち花のプロスペクト-外野手-

※ヘッダー画像は Orioles Player Development(@OsPlayerDev)のヘッダー画像より。
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是の時朝庭日に乱れて、綱紀穨阤す。膺独り風裁を持し、以て声名自ずから高し。士の其の容接を被る者有れば、名づけて登竜門と為す。
(『後漢書』より引用)

立身出世の道への関門を突き破る者たちの足音は、すぐそこまで近づいています。

こんにちは。ジャンさんです。
以前BAL傘下の内野手プロスペクトを紹介しましたが、今回は外野手を紹介します。前回とは異なり、すでに40人枠に入っている選手がいます。


1.プロスペクトたち

Colton Cowserコルトン・カウザー

本名     :Colton Dale Cowser
生年月日   :2000年3月20日
身長 / 体重   :188cm / 99kg (6' 2" / 220 lb)
出身     :アメリカ合衆国テキサス州 ヒューストン
投打     :右投左打
ポジション  :OF
ドラフト   :2021年 1巡目(全体5位)
Pros.RANK      : 全体19位 / 球団内3位

2023 Stats
26G / OBP.286 / SLG.148 / wRC+40 / OAA-1 / fWAR-0.4 (MLB)
87G / OBP.417 / SLG.520 / wRC+136 (AAA)

一人目はColton Cowserコルトン•カウザー (以下カウザー)。
この春BALの開幕ロスターに入った新進気鋭のトッププロスペクトです。
"Cow"serの名前から、Mooooooo!!と牛の鳴き声のようなコールで打席に入る際で迎えられています。

高校時代はドラフト指名がなかったカウザーですが、サム•ヒューストン州立大学時代には日米大学野球選手権のアメリカ代表に選出。その翌年には全米大学野球の最優秀選手の証であるゴールデンスパイク賞の受賞候補に選出されるほどの選手になりました。
そんな活躍もあり、2021年ドラフトでBALに1巡目指名(全体5位)されます。
※ちなみに同年高校時代の同級生だったタイ•マッデンもDETに指名されています。(24年DET傘下5位プロスペクト)

入団後は右肩上がりで成績を上げ、23年7月にMLB初昇格。昇格日のNYY戦で初安打&初打点をキメました。
しかし昇格初年度はFBの対応に苦しむなどして、8月にマイナー降格となりました。その後AAAでは結果を出し続け、OKCドジャースとのインターナショナルチャンピオンシップでは満塁ホームランを放ち、MVPを獲得しています。

2024年はSTから好成績を叩き出し、ついに開幕ロスターの座を掴みとりました。開幕ロスター入りを自身の口から両親に真っ先に伝えたかったとのことで、地元記者Andy Kostka氏をはじめとしたメディア側からのロスター情報の公表を遅らせるよう頼んだという裏話があります。

マリンズやヒックス(現LAA)が怪我離脱してもなおレギュラーを取るに至ることができなかった23年を経たからこそ、今24年シーズンにかける思いは相当なものがあるのでしょう。
願わくばそのまま熱い心を無くさずにレギュラーを奪取して欲しいものです。あご髭も増量したし。

Heston Kjerstadヘストン・カースタッド

本名     :Heston Sawyer Kjerstad
生年月日   :1999年2月12日
身長 / 体重   :190cm / 92kg (6' 3" / 205 lb)
出身     :アメリカ合衆国テキサス州 アマリロ
投打     :右投左打
ポジション  :RF,LF/1B
ドラフト   :2020年 1巡目(全体2位)
Pros.RANK      : 全体31位 / 球団内5位

2023 Stats 
13G / OBP.281 / SLG.467 / wRC+104 / OAA0 / fWAR0.1 (MLB)
46G / OBP.383 / SLG.576 / wRC+160 (AA)
76G / OBP.371 / SLG. / wRC+116 (AAA)

二人目は初見だと名前の読みを勘違いされることでお馴染みのHeston Kjerstadヘストン•カースタッド (以下カースタッド)。ファミリーネーム内の"j"は発音しないので、"Silent J"の二つ名をもつトッププロスペクトです。

テキサス州ランドール高校時代にSEAからドラフト指名を受けましたが契約を拒否し、アーカンソー大学に進学。その後COVID-19の影響で各球団5巡目までの指名になった2020年ドラフトにて、全体2位指名でBALに入団しました。
しかしながら契約直後に心筋炎を発症して2021年シーズンは全休、2022年始めは左ハムストリングの肉離れで出遅れるなど、一周どころか複数周回遅れ状態となっていました。
しかしながら22年秋のAFLではOPS1.001を残すなど、出遅れをものともしない打撃力を段々と発揮し、2023年9月14日にマウントキャッスルのIL入りに伴いMLBに緊急昇格しました。
TBとの地区優勝争いの中でBALに吹いた荒削りながらも新しい風。地区優勝M1となったBOS戦では代打でタイムリー二塁打を放ち貴重な追加点を決めるなど、少ないチャンスをモノにしつづける姿をみてすごい選手がでてきたなあなんて思ったものです。

24年シーズンはSTの低調さもありAAAスタートとなりましたが、シーズンが開幕すると打ってかわって大爆発。SLG1.026, OPS1.548, HR6を叩き出し、左腕のCade Povichとともにインターナショナル・リーグの週間最優秀選手賞を獲得しました。
既存OFが不調に苦しんでいる状況を鑑みると昇格も近いと思われますので、ぜひ注目してみてください。

③その他OFプロスペクト紹介

25年以降昇格見込みのプロスペクトを簡単に紹介します。

  • Enrique Bradfield Jr.エンリケ•ブラッドフィールド
    2023年1巡目指名, 22歳。BAL傘下5位。
    MLB公式Scouting gradesでRun:80, Field:70と評価される俊足OF。24年のSpring Breakoutでは1番CFとして出場。(相手はPITプロスペクト軍,SP:Paul Skenes)
    24年はA+よりスタート。AA,およびAAA昇格を目指す。

  • Dylan Beaversディラン•ビーバーズ
    2022年CBP-A指名, 22歳。BAL傘下6位。
    23年シーズンのBAL傘下で25盗塁を達成した選手は8人。そのうち10本塁打と30二塁打以上を記録したのはビーバーズただ一人という、飛ばせて走れる理想の攻撃型OF。
    24年はAAよりスタート。AAA昇格を目指す。


2. 再建三羽椋鳥擬

引用元:https://www.mlb.com/news/austin-hays-cedric-mullins-anthony-santander-make-playoffs-for-first-time

生え抜きのLF:オースティン•ヘイズCF:セドリック•マリンズ、2016年ルール5ドラフトで加入したRF:アンソニー•サンタンデール。
彼ら無くして、2018年から始まった球団再建の底を脱することはできなかったと思います。
シーズン勝率.300未満、5年で3度の100敗越え、泥沼の19連敗、マチャドやバンディ,マンシーニやロペスなどの主力放出。
長くて暗く先の見えない、辛いことの方が多い再建期間の中でオリオールズファンが希望を捨てなかったのは、ひとえにこの3人がプロスペクトとして、外野レギュラーとしてどっしりと構えていてくれたからなのでしょう。

しかしながら諸行無常、彼ら3人に対しても決断の時が刻々と迫っています。

引用元:https://www.fangraphs.com/roster-resource/payroll/orioles

成績や指標についてはここでは語りません。本人たちもビジネスであることをちゃんと認識しています。
彼らやチームの行く末がどうなるのか、我々はただ見守るのみです。
画面の前で口出しすることぐらいは許してください。)


3.〆

いかがでしたか?
前回の内野手プロスペクトと比べるとカウザー、カースタッドはMLB昇格経験済みなので、比較的MLBの舞台で姿を見る機会が多いかもしれません。
ブラッドフィールド Jr.やビーバーズも順調に頭角を表しているので、かなり楽しみな状況になってきています。
ガナー•ヘンダーソン、ジョーダン•ウエストバーグの活躍やジャクソン•ホリデイがいる故か、外野プロスペクトたちの存在が小さくみられる時がなんとなくあるような気がして、そうではないことを知らしめるためにこのnoteを書きました。

彼らの行く末を見守りつつ、今日もMLB.tvとMiLB.tvに齧り付いていきたいと思います。

それではまた。次回記事をお楽しみに。

参考文献

成績,指標はFanGraphs, Baseball Savant, Baseball Referenceより2023年のものを引用