先進国という名の後進国・日本
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。
ついに《東京オリンピック》が始まりました!
ここ1ヶ月間、本当に二転三転というか問題続出で、一体どうなってしまうのだろう?という思いは、かなり多くの国民が感じていたことかと思います。
まあ、あれやこれと外から批判するのは簡単ですし、正直大会開催の意義については疑問残るものの、肝心なのはこの舞台でも己の限界に挑戦し、見るものに勇気と感動を与えてくれるアスリートたちの活躍。
「頑張れ、日本!」
勝って喜んだ人も、負けて涙した人も、この厳しい環境で必死に戦っている全てのアスリートに、心から声援を送ってあげましょう!
コロナ禍でさらに世の中に浸透
非接触型の決済システム
皆さんは、普段の買い物や外食の際の支払いに、現金を使っていますか?
あるいは、SuicaやPasmoなどの電子マネーですか?
楽天ペイやPayPay、Line Payなどの電子決済サービスでしょうか?
このコロナ禍を契機に、非接触型の決済システムが我々の社会により浸透していき、多くの方が携帯片手にササッと支払いを済ませられる時代になりました。
実際お財布を開けて紙幣を取り出して払うという行為がないので、お金を使う=支払うことに対する警戒心が薄れ、ツイツイ出費がかさんでしまうこともあるかもしれませんね、、、汗
先日2年振りくらいに新幹線を使って出張をしたのですが、その際に遅ればせながらこんなチケットレスのサービスを使ってみました。
以前田中圭さんがCMでよくやっていた、「乗り遅れますよ!」ってやつですねw
駅のみどりの窓口で並ぶことなく、駅員さんとのやり取りもなく、自分の携帯で好きな電車を選択&予約。
あとはチケットも買わずにその携帯で改札を通るだけ。
JRなどを利用する際は「ピピッ」とワンタッチでスムーズに出入りして慣れていたはずが、新幹線だとあの乗車券と特急券の2枚がないと心もとなかったのは私だけでしょうか・・・汗
それはさておき・・・
非接触型の決済システムの流れは世界的にも同様です。
もっと先のことをいえば、各国中央銀行が発行する「中央銀行デジタル通貨(Central Bank Degital Currency (CBDC)」の導入に向けて、着々と検討及び準備が進められていることは、みなさんもよくご存知でしょう。
ただ各国間でその温度感というか検討のスピード感が違って、スウェーデンやノルウェーなどの北欧、そして中国や欧州などは日本と比べて一歩も二歩も先を行っています。
この分野もいわゆるフィンテック(FinanceとTechnologyの造語)の一種ですが、我々日本は悔しいことに後塵を拝しています。
単に技術力の差だけではないように思いますが、一体この差はどこからきているのでしょうか?
先進国という名の後進国・・・涙
現金保有率が2%以下の北欧の国
日本が他国に比べて非接触型の決済システムの導入が遅れているもっともらしい理由としては、日本が世界の中でも珍しい『現金大国』であることが考えられます。
キャッシュレス化の進展度合いを示す指標の一つに《現金流通高対名目GDP比》というのがあります。
下のグラフはその指数の長期推移ですが、日米欧の先進国は2008年頃から緩やかに上昇しています。
何故か先進国では、キャッシュレス化という時代の流れに逆行して、現金の比率が伸びている不思議な現象がおきています。
もちろんこの数字はGDP対比なので、分母であるGDPが縮小していれば現金の比率は高くなるのはわかりますが、さすがにそれはありえない。
となると、「あれ?」となりますよね。。
この主な要因としては、超低金利環境下で預金に利子がほとんどつかない中、国民の現金保有(=タンス預金)が増えたという説が有力なようです。
一方で、世界でも有数のキャッシュレス先進国でもあるスウェーデンは、金利が低いという状況は全く同じ中で同比率は長期に低下し、足元では2%を切るほど相当低い水準にあります。
「えっ、たった2%!?」
最初にこの数字を見たときに驚きました。
2%以下というのは、もはやスウェーデン国内から現金が消えた!と言っても過言ではないレベルかと思います。凄いですね・・・汗
これはキャッシュレス化の進展に伴って現金の入出金が不便になったことで、現金を持ち歩かずに預金においておく人が増えたためと言われています。
スウェーデンの中央銀行であるリクスバンクの調査によると、過去30日間に現金を使った人は50%であり、すでに国民の半数が日常の支払いで現金を利用していないということがわかりました。
皆さんはいかがですか?
さすがにここ1ヶ月、現金に触れたことがないという人はまだまだ少数ではないでしょうか?
マイナンバーは色々問題あるけれど
万が一の際には強い味方かも!?
それでは、何故スウェーデンはここまでキャッシュレス化が急速に進展したのか?
第一の理由として、スウェーデンは人口あたりの国土面積が広く、冬の気候が非常に厳しいことから、諸外国に比べて現金の輸送・管理コストがかかるという点です。
うーん、なるほど。この点は日本では盲点かもしれませんね。
次に、1990年代諸島に発生した深刻な金融危機を契機に、銀行が収益性改善のためにATMや支店の削減といった金融インフラ面の効率化を進めてきたことも一員として考えらえます。
ちなみに少し前のデータにはなりますが、世界全体でもATMの台数は減少傾向にあるようで、中国やインドをはじめとする新興国では、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済が急速に普及したことが原因と分析されています。
(日本経済新聞より引用)
さらにはセキュリティの面です。
完全キャッシュレス化の店舗や銀行の支店が現金を取り扱わないことで防犯効果が高まり、実際に現金強盗の発生件数が大幅に減少することにも繋がったとの報告もあります。
また、日本では冒頭に書いたように、キャッシュレス決済の種類が豊富にあるのに対して、スウェーデンでは個人間の送金を行う際には、ほとんどの人が『Swish』というスマホアプリを使用しています。
人口約1,000万人のスウェーデンにおいて約770万人が利用しており、個人間送金は無料で利用できることや、送金の際に相手の銀行口座番号は必要なく、携帯電話番号のみで良いという利便性が高く評価された結果なようです。
また、スウェーデンは日本でマンナンバーに当たる《パーソナルナンバー》を国民全員とスウェーデンに居住許可を持つ市民が持っていて、その番号とアプリが結びついていることも、これだけの普及率になっている理由の一つ。
昨年日本でも国民全員に10万円の定額給付金を支給した際に、技術的な問題から配布に余計な時間がかかった苦い思いがありますが、そう言うことはこの国では一切ないのが羨ましいですね^^;
日本もウカウカしているとヤバイ!
あくまでもこれはスウェーデンという小さな国だからこそ出来ている事象であって、日本が真似しようとしてもなかなかすぐには出来るとは思えません。
ただ、スウェーデン以外でも、すでにCBDCの導入に踏み切った中南米のバハマ諸島や東南アジアのカンボジアなどがあります。
こうした金融インフラが弱い新興国がこのようなキャッシュレス化をどんどん進めていくことで、短い時間で大きな技術的進歩を遂げる「リープフロッグ現象」は、今後色々な国でも見られていくことでしょう。
日本もうかうかとしていられません。
日米欧などの先進国には、それぞれの事情と様々な制約があることはわかりますが、中国では実際に段階的な実証実験が本格的に進められている中で、世界の基軸通貨を巡っての覇権争いは、より厳しさを増していくはず。
実際に先週の16日には、中国人民銀行は「中国におけるデジタル人民元の調査研究の進展」というタイトルがついた白書を公表し、中央銀行デジタル通貨の正式導入に向けて着々と発行時期が近付いていることをうかがわせています。
その白書によれば、デジタル人民元の実験を始めた2019年末から今年6月末までで、デジタル人民元を使った取引回数の総数は7,075万回、取引金額は345億元(約6千億円)にまで膨らんだ模様。
現在、実験の対象都市の飲食店など132万か所でデジタル人民元が使え、デジタル人民元の個人のウォレット(財布)は2,087万個、中国の人口の約1.5%が保有するまでになっているというから驚きです。
日本がこのような大きな流れから取り残されないように切に願っていますが、最悪取り残されてしまったとしても、所詮国や社会は我々のことを守ってはくれないでしょうし、困ってしまうのはそこに住む国民。
ということで、投資の世界と同じく、こうした大きな荒波に飲み込まれないように、やはり自らが知識をつけて備えるしかないでしょう。
GIA通信の読者様はリテラシーが高い方が多いのであまり心配していませんが、もし親や兄弟に普段の支払いで現金しか使っていない人がいたら、是非こう声をかけてあげてみましょう。
「乗り遅れますよ!」w
ソフトバンクも出資!?
600億円調達予定の暗号資産ゲームとは?
弊社代表/両角からバトンタッチしまして、長谷川です*
世界140以上のサッカークラブとライセンス提携している、ブロックチェーンのフットボールゲームをご存知でしょうか?
「Sorare」です。
ソフトバンクなどから、約600億円(5.32億ドル)を調達する予定だと報じられています。
日本の取引所コインチェックは7月2日、SorareとNFT領域において連携したことを発表。
現在サービスが提供されるNFT販売プラットフォーム「Coincheck NFT(β版)」でも、Sorareで利用可能なNFTの取扱いも検討するようです。
実はこのNFT周りでは、最近日本国内でも投資家は見逃せない重大な動きが出ていますが・・
まずは、なぜ最近NFTにここまでお金が集まるのか?ー
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それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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