ザコシショウという生き方

ハリウッドザコシショウという芸人をご存知だろうか。
芸歴30年の大ベテランにしてR1最年長王者。
そして私が最も敬愛する芸人である。

ハリウッドザコシショウ(以下尊敬の念を込めてシショウと記載)に対して皆さんはどんなイメージがあるだろうか。
半裸パンイチで下品なネタをする芸人。大方そういった見方をする人がほとんどだろう。
だが、それ以上にシショウの芸は人生の真理を示していると私は考える。

シショウはよく「ええやん!ええやん!」と言う。
最初聞いたときは「何いってんだw」とただ単に笑っていた。
しかし今となっては、自身の座右の銘ともいえる言葉となった。

言霊と喩えられる通り、言葉というものは想像の範疇を超えた力を持っている(と思っている)。

人生なんて、上手くいかないことの方がほとんどなので、ついつい下向きな言葉を放ちそうになる時もある。
そこでグッとこらえ、シショウのように「ええやん!ええやん!」と呟いてみるとあら不思議。
何だか少し前向きになり、悩んでいたことが馬鹿らしくなってくる。

この"ええやん"は二種類の役割を担っている。
第一に、多少のことがあってもええやん、とマイナスな感情をプラスに変換する役割。
第二に、気づかずに通り過ぎてしまうような日常の小さな幸せ、喜びをええやん!と拾い取り昇華する役割。

ということなので、大概のことはこれで乗り切っていける気がする。
だが、そうは言ってもどうしてもええやん!とは断言出来ないような物事だってある。
そんな時は当然、あかんやん!あかんやん!と声高らかに発していきたい。
そこを妥協してええやん、とするのは明らかな間違いである。
あかんものはあかんのだ。

シショウは知れば知るほど、色物芸人ではなく実力派芸人であることを思い知る。
3年連続でR1審査員を務めていることがなによりそれを証明している。

おいでやす小田氏はR1のインタビューでシショウについてこう語っている。

「あの人以上に異常な人はいない。」
「常識の真反対の芸をしてるから、その間のことは全部分かってる」
「それ故にあの人のアドバイスが最も的確」
おいでやす小田氏

2000年代初頭、まだ若手の頃からシショウは既に今の原型とも言えるネタを披露していた。
そして現在に至るまで、シショウの芸風は全くブレていない。
まさに継続は力なりを体現している。

名前通りの師匠肌で、後輩からの信頼も厚い。
先日自身のYouTubeチャンネルにupした動画は、一見売れない後輩たちをdisるようなタイトルとなっている。
だがその実、内容は後輩たちへの愛のこもった叱咤激励動画だった。
どうにか売れて欲しい、というシショウの想いがひしひしと伝わってくる。

ここまで散々魅力を語ってきたが、改めてシショウほど生き様がかっこ良い芸人はいないと私は信じてやまない。


これからもついて行きます、シショウ


※今年のエイプリールフール企画の動画。マジで腹捩れるほど笑った。この世のニュース全部これでいいのに。

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