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「起業家に必要な才能」 |日米企業を30年研究してきたスタンフォード特任教授へのインタビュー 1/4

この記事はGHOVCのYouTubeチャンネル1/4 「起業家に必要な才能」 |日米企業を30年研究してきたスタンフォード特任教授へのインタビューを元に作成しています。


| Speaker

リチャード・ダッシャー博士:GHOVC Mentoring Partner / スタンフォード大学 US-Asia Technology Management Center 所長 各国の研究機関、科学技術プログラム、非営利団体の顧問・アドバイザーを歴任 三菱総合研究所・上級顧問、Stanford Angel and Entrepreneurs・Mentor
安永謙:GHOVC Founder/Managing Partner / アメリカにてVCを共同創業・海外投資家から資金調達 元INCJベンチャー投資のManaging Director 内閣府・文科省・経産省のStart-up関連委員を歴任


スタンフォード特任教授、リチャードダッシャー氏のキャリア

安永謙(以下:安永):皆さん、こんにちは、Global Hands-On VC、GHOVCの安永です。今日はスタンフォード大学のダッシャー先生をお招きしていろいろお話を伺っていきたいと思います。

リチャードダッシャー(以下:ダッシャー):よろしくお願いします。

安永:まずは自己紹介のお願いできますか。

ダッシャー:スタンフォード大学の中の一つの研究センターを運営しております。また、アジア米国技術系研究センターの所長もしております。そのセンターは、要するに、新しい技術は産業の形態及びダイナミックにどのような影響を与えるか、具体的な技術に関する研究も出ますし、大手企業とスタートアップカンパニーの関係をメインにしていると言ってもいいですね。

安永:ダッシャー先生何でそんな日本語上手なんですか。

ダッシャー:大昔私は大学院の時に集中的に日本語を勉強しました。それから日本に住んだこともあり、あらゆる面で日本を体験してます。まず、米政府の外交官の身分を持って、私は大使館の付属の仕事をしております。その後、大手の民間企業の取締役になって、東京の中小企業でしたね。今は私の仕事の3割以上は日本語ですね。

これでも日本との関わりも結構多いんですよね。例えば東北大学だとかそうですね。大学が法人化した時に最初外国人として選ばれた理事になったんですね。それから大学のアドバイザーをしてますし、東北大だけじゃなくて九大とか、幾つかの県の県知事のアドバイザーをしたこともあり、今日本政府の大きな科学技術に関するグラントプログラムのプログラム委員会にも入ってます。

一つ私は説明した方がいいことがありまして、私の本職はスタンフォードですね。ですがスタンフォードの雇用条件としては週に1日まで自分のプライベートコンサルティングは許されています。そのプライベートコンサルティングを利用して、私、GHOVCのパートナーをさせていただいてます。

私どものセンターは、日米で30年前に始まったんですが、2000年からアジア米国に広がりました。ですから、真剣に私はスタートアップカンパニーの機械とか、企業システムの進化について、研究したり、ゲストスピーカーを選んだり、私どもよくパブリックプログラムを主宰しましています。

ちょうどこの四半期でタイからもフィリピンからもマレーシア、インドネシア、中国、韓国、プラス日本の講演者などにスタンフォードに来ていただきました。

安永:すごい世界的ないわゆる研究開発の産業化というところで、いろんな研究をされている先生ですので、ダッシャー先生がおっしゃったように、今、GHOVC、我々のパートナーにもなっていただいて、これから日本のスタートアップをハンズオンでサポートしていこうということを一緒にやっていく方です。

ダッシャー博士が考える起業家に必要な才能

安永:さっそく質問です。博士はスタートアップがもたらすイノベーションについて研究していますね。日本の大手企業の多くもシリコンバレーに進出したり、イノベーションのために現地のやりかたを学んだりしてます。そのスタートアップはどのように革新をもたらすのでしょうか?

ダッシャー:まずスタートアップは変化を恐れません。大企業は自分たちの資産を守ることを第一に考えます。

つまり、大企業の変化は漸進的で今ある実績の上にじっくり積み上げていく方式です。スタートアップはゼロから始めるので大企業に比べると、大きな変革を起こすのが容易なのです。この変化を恐れない精神こそがアントレプレナーの最も大切な特性だと思います。

安永:でも、変化をもたらしたいと思ってる人はたくさんいますよね。

ダッシャー:確かにそうですが、最後までやり抜く気骨と努力が必要です。「業界を変えてやる」と言うのは簡単ですが1年経っても顧客が見つからなかったらどうでしょう?

自分のアイデアをどんなに説明してもなかなか取り込みたい客層にその価値を理解してもらえなかったら?そこでやり抜く気骨が問われます。

ある人がこの精神を日本語で的確に表現してました。アントレプレナーに大切なもう1つの特性は「執着」。

安永:執着?

ダッシャー:自分が提供したいアイデアに執着し、徹底的にコミットすることです。

ちょっともう一つは私の背景について申し上げたいことに、私のところで勉強する学生の中でベンチャーキャピタリストになった人は12,13ぐらいいまして、ある大手VCファンドの人もいます。私どもが行ってる分析はこのようなスタートアップの育成に役立つのではないかと思います。

失敗は成功への一つのステップ

安永:ありがとうございます。学びだなと思ったのが執着っていう言葉。やっぱりスタートアップって失敗できないので、それだけ本当に執着して集中して本当に時間とリソースを捧げていくことで、成功するまで続ける。

失敗しながらも成功するまで続けるっていうところの先にあるっていうのはあるじゃないですか。失敗を恐れずやっていくっていうところにイノベーションっていうのが生まれる。これも起業家にとって重要な才能なんですね。

ダッシャー:大手企業の中で、どうしてもうまくいかないプロジェクトは3年間ぐらいの寿命があります。1年目に予算が立ちます。2年目に開発費用を投下して、3年目ではこれがうまくいく、いかないが分かります。

どっちかというと、スタートアップカンパニーは1年半ですね。ですから、経済学の上でスタートアップカンパニーの方がこの1年半の間に新しいビジネスに切り替えたり、新しい用の用途を探したりとか、そういう柔軟さがあるから強いですね。

安永:確かに。だから結局失敗を恐れない。失敗しても、それはその成功のステップの一つだっていう風に考えると、次に進めることを早くやることも大事だし、新しいことをやっていくピボットをしていく。だからもう何か物事をきれいにしないっていうことですよね。

ダッシャー:だからこそ、一人のアイディアだけではないですね。
安永:今このセッションがちょっとここで終わりますけれども、その次にですね。ハンズオンとかとですね、それからグローバルっていうところ、また聞いていきたいと思います。

この記事はGHOVCのYouTubeチャンネル 「起業家に必要な才能」 |日米企業を30年研究してきたスタンフォード特任教授へのインタビュー」を元に作成しています。



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安永謙プロフィール:https://www.ghovc.com/team
安永謙X:https://twitter.com/ken_yasunaga
リチャードダッシャープロフィール:https://www.ghovc.com/team


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