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ローグライクハーフd33用シナリオ『幻惑の街ロロリス』ver2.5



ローグライクハーフd33用シナリオ『幻惑の街ロロリス』ver2.5

ghostwriter
2023年8月25日ver1.0
2023年8月28日ver1.5
2023年8月30日ver2.0
2023年8月31日ver2.5



「ローグライクハーフ」 /FT書房 作:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ
「ローグライクハーフ」基本ルール入手先URL ftbooks.booth.pm/items/4671946

本シナリオは、下記の作者によって、下記を想定して作成されています。

・作者:ghostwriter
・作成日:2023/8/25 
・プレイヤー(人数):1〜2
・プレイ時間(分):20分〜40分
・対象年齢(歳):10~99歳
・ゲームマスター:不要
・ジャンル:ファンタジー
・レベル:中級(レベル16以上推奨)
・難易度:easy
・形式:シナリオ(d33)
・世界:オリジナル

(AIイラストくんで作成)

1.背景

 その街はドゥノス砂漠の中に突如現れるという。
その街の名は【ロロリス】。名前こそ付いているが、地図には載っていない。高名な探検家などによって何度も調査がされたが、現れる場所が決まっていないからだ。
魔法使いによって造られた魔法の街とも、砂漠の魔神の気まぐれで作られる幻の街とも言われているその街は【幻惑の街】と呼ばれていた。
街の中も幻のように、歩いていた路地を振り返るとそこは行き止まりだったり、泊まった宿で目が覚めると墓場だったり、声をかけてきた物乞いに施しをしなかった次の瞬間にドラゴンに変わっていたりするという。
そして、【幻惑の街ロロリス】に入って街に魅了されてしまうと、街から出られなくなるとも言われている。

2.プロローグ

君たちキャラバンは、新たな交易路の開拓にドゥノス砂漠を旅している。旅の途中、不意の砂嵐によって何頭かのラクダが逃げ、従者が数人行方不明になり、進む道を見失なってしまった。
隊長である君は焦りを押し殺し、交易の神に祈りを捧げ、信じた進路を進んだ。
照りつける太陽で体力を奪われる日中は砂を掘り、日陰を作り体を休め、底冷えする夜に星を頼りに進むこと5日、皆の消耗が激しくなってきて、骨になった動物の死体があちらの世界に誘ってくる幻覚が見え始めた頃、突然目の前に街の門が見えた。
蜃気楼かと疑ったその刹那、門は君たちキャラバンを迎い入れるようにゆっくりと開いた。
仲間の一人が呟く。

「神のご加護か、悪魔のいたずらか。ここは幻惑の街ロロリスに違いない」

3:冒険とゲームの勝利

このゲームの勝利とは、シナリオにおける使命を達成することです。『幻惑の街ロロリス』では、砂漠で消耗した主人公たちは何が起こるかわからない街で体力を回復させ、無事に街を出るのが使命です。 1d3(1d6の1〜2=1、3〜4=2,5〜6=3)を片方十の位、もう片方を一の位とすることで、できごとを決めます。これをd33といいます。1回のd33での結果は街の1区画とし、2区画、3区画と3回繰り返したあと、4つ目の区画は中間イベントとして固定になります。中間イベント以降は5区画、6区画、7区画と進め、8区画目は最終イベントになります。『幻惑の街ロロリス』は主人公が最終イベントをクリアして、再び交易路を進めるようになるまでを一回の冒険として遊べるようにデザインされています。

4:ゲームの終了(冒険の成功と失敗)

主人公が死亡したら、冒険は失敗で終了します。最終イベントを終えた場合にも、ゲームは終了です。そのときに条件を満たしていれば、冒険は成功に終わります。 冒険が成功した場合、主人公は1経験点を獲得します。冒険に失敗した場合には、これを得ることができません。

5:『手がかり』について(『幻惑の街ロロリス』の場合)

『幻惑の街ロロリス』では、手がかりは、最終イベントで使用します。手がかりを入手していることで『魅了されている』ことになり、最終イベントが変化します。『幻惑の街ロロリス』では、手がかりは装備品にはなりません。
※僧侶のキャラクターの【天啓】は手がかりを得る為ではなく、『魅了されている』状態を一度だけ解除できます。

6:幻惑の街ロロリスを遊ぶ上で

砂漠を彷徨って体力を奪われた為、ゲーム開始時の主人公の生命点の現在の値は1d3+1点減っています。
食料は1つだけ持っています。
砂嵐で従者が行方不明になった為、従者が1d3人少なくなっています。戦う従者、戦わない従者の中から任意で減らしてください。
ラクダを数頭引き連れていますが、従者や乗り物には含まれません。
『幻惑の街ロロリス』では隊列は関係がありません。呪文を唱える際は『広い場所』となります。基本的に日が出ている間の行動になるので、ランタンを持たなくても、【判定ロール−1】のペナルティはありません。
 『幻惑の街ロロリス』はレベル16以上まで成長させたローグライクハーフのキャラクターでの冒険を想定しています。
新しくキャラクターを作成して遊ぶ場合、10+6経験点と金貨10枚+150枚を持ったキャラクターで能力値を決め、特殊能力や装備、従者を得てから冒険に出てください。

7:できごと(d33)

11.『迷路のような裏路地(Labyrinth of back alleys)』
12.『怪しげな占い師(shady fortune teller)』
13.『空から降ってくるガラクタ( junk falling from the sky)』
21.『壁の巨大な口』(huge mouth on the wall)
22.『幻の宿』(Phantom inn)
23.『バンザイゴブリン(ゴブリンの突撃兵)』
31.『回復の泉』(fountain of recovery)
32.『エルフの輩』(elf gang)
33.『乞食』(beggar)
10※以降を参照してください。

8:一本道モード

一本道モードでは、あなたは分岐を気にすることなく、d33によってできごとを決定していきま す。『幻惑の街ロロリス』では、1枚目、2枚目、3枚目のできごとを体験した後に、4枚目の中間イベント(固定)に進みます。そこから先は、5枚目、6枚目、7枚目と進み、8枚目が最終イベントになります。
一本道モードで遊ぶ場合、基本ルール「42:逃走」は、『幻惑の街ロロリス』においては一つ前のできごとにもどることになります。その際、戻ったときのできごとに2度目に訪れた時のことが書いてあればその指示にしたがってください。書いていなければ何も起きません。
※『幻惑の街ロロリス』は、一本道モード専用のシナリオです。
※『幻惑の街ロロリス』は出目が同じだった場合もできごとが重複して起こる場合があります。各できごとを見てください。
※中間イベントおよび最終イベントでは、逃走を行うことができません。


9:宝物表(Treasure Table)

○宝物表(Treasure Table)≪1d3で決定≫
出目1〜2【1】異国の金貨3枚
出目3〜4【2】風変わりなアクセサリー。(金貨1d3✕5枚の金貨に相当)
出目5〜6【3】宝石の原石(1d3×10枚の金貨と同等の価値。)
出目7以上【4以上】 【魔法の宝物表】でダイスロールを行う。
●魔法の宝物表(Magic Treasure Table)≪1d3で決定≫
出目【1】『魔力の石(magic stone)』
魔力が込められた石。魔術師の魔力吸収の魔術に使用できる。これがあると貴重な魔法の装備品を犠牲にせずに魔力吸収で魔術点を回復できる。
魔術師以外にとっては金貨60枚相当の品でしかない。
※主人公たちが『魅了されている』状態であれば、一度だけ解呪することができます。再度『魅了されている』状態になると、解呪はできません。『魅了されている』状態を解呪すると、魔力の石は砕け散ります。

</>価値がありそうな綺麗な石だ。他にもなにか秘密がありそうな気がする。</>

出目【2】『苦いポーション』(bitter potion)
魔力が込められた苦い木の実をすり潰して煎じた飲みもの。ひどい臭いと吐きそうになるくらい苦いが、副能力値(魔力、幸運、筋力、器用)を1d3点回復する。

</>ひどい臭いがする薬だ。こんなものを飲むなら泥水のほうがマシだと思える</>

出目【3】『安心サーヴァント(Peace of Mind Servant)』

アンシーン(見えざる)サーヴァント(従者)ではなく、安心サーヴァント。この人形は戦う従者へのダメージを代わりに受ける。戦闘中任意の戦う従者の前に放り投げると、戦う従者に似た背格好になり、ダメージを身代わりし、戦う従者へのダメージを無かったことにする。(戦う従者がダメージを受けた後でも可能)1d6回のダメージを受けることが出来、全てのダメージを受けた安心サーヴァントは単なる泥になる。

</>小さな泥人形がある。「なんだこの汚い人形は?」この人形が大変役に立つことは、この時はまだ知らない。</>

10:できごと


○出目11
『迷路のような裏路地(Labyrinth of back alleys)』
進めど進めどあちこちにくねり、まるで巨大迷路のような裏路地に入り込んでしまいます。周りは窓もない建物でどんどん狭くなっていきます。不安になって振り返るとそこは行き止まりで、さらに振り返るとそこも行き止まりになっています。主人公たちは狭い空間に閉じ込められてしまいます。
【器用ロール(目標値:4)】に成功すると目の前の壁に小さな穴があり、金貨を入れると、壁が開いて大通りに出られます。(いくら金貨を入れたら壁が開くかは1d6✕2枚で決めます)
※リコがいる場合、金貨と同じ形の石を入れる為、金貨は必要ありません。

失敗するか、入れる金貨が足りない場合、狭い空間に閉じ込められたまま座ることも寝ることも出来ずに1日が経ち、ふと気がつくと大通りでぼんやり立っています。生命点を1減らして街の探索を再開してください。
2度目に訪れた場合も同じできごとが起こります。


○出目12
『怪しげな占い師(shady fortune teller)』
地面に絨毯を敷いて座っている人物がいます。どうやら占い師のようです。

「お前さんは外から来なすったね。困りごとはないかい?占ってあげるよ」

占い師は指を3本出します。金貨3枚で占いをしてくれる意味です。

占いを受けるなら1d6をして結果を見てください。
※リコがいる場合、占い師は「ちっお前さんか。さっさと行きな!」と占い師に追い払われる。

1〜4「宿を探しているのか。この街の宿は場所が変わるからね探すのは大変だよ?この道を真っ直ぐ進みなさい。振り返ってはダメだよ。道に食われちまうからね」
※次に出目11と出目21が出た場合には、振り直しができます。

5〜6「街を出たいのか。そいつは難しいね。何故かって?お前さんはすでにこの街に魅了されているからさ。ケケケ。」
※『魅了されている』状態になります。

占いを終えると占い師の姿は一陣の風が吹くと忽然と消え失せています。
2度目に訪れた場合、絨毯だけがあります。

○出目13
『空から降ってくるガラクタ( junk falling from the sky)』
大通りを歩いていると突然ガラクタが降ってきます。近くの建物から道にゴミを捨てているようです。
【幸運ロール(目標値:4)】に成功すると、ガラクタの中に目ぼしいものが見つかります。宝物表1d3を振って品物を決めてください。
※リコがいる場合、宝物表1d3+1になります。

失敗したらガラクタが頭に当たり、生命点が1点減ります。また、何もみつかりません。
2度目に訪れた場合も同じできごとが起こります。

○出目21
『壁の巨大な口』(huge mouth on the wall)〈強いクリーチャー〉
反応:【死ぬまで戦う】出現数:1 レベル:5 生命点:7 攻撃回数:3(ベロによる攻撃)宝物:ふつう タグ:怪物

裏路地を突き進むと行き止まりです。目の前には壁があります。建物の壁か街の城壁なのかはわかりません。
主人公たちが行き止まりで戻ろうとすると、巨大な口が現れます。
「dead end!(行き止まり)」
巨大な口がそう叫びます。

戦闘中、偶数ラウンド(2、4、6……)に巨大な口は主人公たちを飲み込もうとします。【器用ロール:難易度5】に失敗すると、主人公たちは巨大な口に食べられ、大通りに排出されます。生命点を1点減らして街の探索を再開してください。
2度目に訪れた場合も同じできごとが起こります。
※リコがいる場合、口に飲まれたほうが良いことを知っているので、戦闘をせずに口の中から脱出できます。生命点は1点減るのは変わりません。

○出目22
『幻の宿』(Phantom inn)
大通りにある宿を見つけて主人公たちは泊まります。久しぶりの温かい食事、お酒、おフロを堪能し、清潔なベッドで横になりました。
目が覚めると墓場で寝ていました。生命点や副能力値は全回復していますが、気味の悪い思いをしたので、次のできごとで【判定ロール】をする機会がある場合、−1の修正がつきます。
2度目にこの場所を訪れた場合、崩れた家屋を見つけるだけです。
※リコがいる場合、事前に墓場で目覚めることを教えてもらえるため、【判定ロール】−1の修正はなくなります。

○出目23
『バンザイゴブリン(ゴブリンの突撃兵)』〈弱いクリーチャー〉
反応:【死ぬまで戦う】出現数:1d3+1 レベル:6  攻撃回数:1 宝物:なし タグ:悪の種族

大通りを歩いていると、「おうさまばんざーい」という声と爆発音が聞こえてきます。
ゴブリンの突撃兵は、導火線に着火した状態の爆弾を手にしており、主人公たちに向かって己の全てを賭けた突撃を仕掛けてきます。
このクリーチャーに限り、キャラクターは魔法あるいは射撃用の武器でしか攻撃することができません。

第0ラウンドで倒せなかった場合、誰か1人をランダムで選びます。その対象は爆発によって2点のダメージを生命点に受けてしまいます。(従者なら2人倒れます)
このとき〈ゴブリンの突撃兵〉は死亡します。

キャラクターが【炎球】或いは【電撃】を使った場合は、誘爆を引き起こすため、自動的に〈ゴブリンの突撃兵〉を倒すことができます。

【障壁】はこの場合に限り、このできごとを振ったあとでも効果があるとします。(遠くから「おうさまばんざーい」の声を聞いて準備ができていたのです)

【隠密行動】は、バンザイゴブリンの行動は【不意打ち】ではないですが、この場合に限り有効とします。(0ラウンドで倒せなくても主人公たちにはダメージはありません。バンザイゴブリンが道連れにする相手を見つけられずに、勝手に自爆するからです)

【聖洗脳】【改心】は普通に効果があります。(0ラウンドに一回だけ試せます。効果は1体のみ)

2度目に訪れた場合も同じできごとが起こります。
※リコがいる場合、バンザイゴブリンに出会わない道を通るので、このできごとは起こりません。

◇出目31
『回復の泉』(fountain of recovery)
大通りの真ん中に噴水があります。傷ついた者や動物に混じってゴブリンなどのモンスターもその噴水で身体を癒やしています。
主人公たちもその噴水の水を身体にかけると、生命点、副能力値が全回復します。どこか怪しげに感じて回復しないことも選択できます。
この効果は一回のみで、水筒などで持ち運ぶことはできません。
2度目に訪れた場合は喧嘩もせずに黙って身体を癒やしている人間とモンスターの姿を見るだけです。
1点でも生命点、副能力値をこの泉で回復してしまうと、最終イベントで『魅了されている』を選択してください。
※リコがいると、「この泉は危険よ。街に魅了されてしまうわ」と回復することをやめるように忠告されます。忠告を守り回復を諦めるか、忠告を聞かずに回復するか1d6で決めます。
1〜4 忠告を聞いて回復をしない。
5〜6  忠告を聞かずに回復する。(『魅了されている』状態になります)

◇出目32
『エルフの輩』(elf gang)〈弱いクリーチャー〉
反応:【敵対的】出現数1d6+3 レベル:4 攻撃回数:1 宝物:ふつう タグ:善の種族

スラム街を歩いていると、エルフの集団に襲われます。彼らの中に魔術師もいて、1ラウンド以降に奇数ラウンドに『炎球』を唱えてきます。
【幸運ロール:目標値4】に失敗すると、1体に1点のダメージ、ファンブルすると2体に1点のダメージがあります。

主人公がエルフの輩を倒した時に1d6を振って1〜3の場合、魔術師が倒されたことになり、以降呪文を唱えてくることはなくなります。
2度目にこの区画を訪れた場合、戦闘で半数以上エルフを倒しているなら彼らの反応は【中立】になります。

【聖洗脳】【気絶】はエルフの輩を捕虜にします。

※リコがいる場合、エルフの輩が「なんだお前か。行けよ」と何もせずに通してくれます。

◇出目33
『乞食』(beggar)〈強いクリーチャー〉
反応:【ワイロ(従者か弱いクリーチャー1体)】出現数:1 レベル:5 生命点:8 攻撃回数:2 宝物:+1 タグ:希少種族

大通りの地べたに座っている乞食を目にします。「お恵みを……」弱々しく声を出す乞食に恵みの金貨か食料を渡そうとすると、「違う」と言われ、従者か弱いクリーチャー1体を差し出すよう言われます。断ると、【敵対的】になり、乞食は砂色のドラゴンに変身して襲ってきます。このドラゴンは体長5mで、巨大生物と言えないので、希少種族です。1ラウンド目以降、奇数ラウンドで砂色のドラゴンは炎のブレスを吐きます。【器用ロール:目標値5】に失敗したら、1d61〜4は主人公、5〜6は戦わない従者も含めた従者に2点のダメージがあります。(つまり、従者は2人倒れます。ランダムに決めてください。)炎のブレスを吐いたラウンドは他の攻撃はしません。砂色のドラゴンは倒されると、主人公たちに呪いをかけます。(『魅了されている』状態になります)
【ワイロ】で従者を乞食に差し出すと、乞食は砂色のドラゴンになり、眼の前でボリボリと【ワイロ】を食べてしまいます。このことで他の従者は主人公の元から離れていきます。

【聖洗脳】【改心】はこの砂色のドラゴンには効果はありません。

2度目にこの場所を訪れた場合、砂色のドラゴンを倒していれば何も起こりません。砂色のドラゴンが【逃走】したり、【ワイロ】を渡していれば、反応は【中立】になります。

※リコがいる場合、乞食は「忌々しいやつめ!あの時の恨みを晴らしてやる!」と反応に関係なく戦闘が始まります。この時の反応は【死ぬまで戦う】です。

砂色のドラゴンは1d6の1〜3でリコにしか攻撃しません。砂色のドラゴンにリコが倒されてしまうとそこでこの冒険は終わります。戦士の【かばう】僧侶の【防衛】などでリコを守りながら戦うことになります。

11:中間イベント

『囚われの少女』(captive girl)
主人公たちがロロリス街を探索していると、ひとりの少女に声を掛けられた。

「あなた方は外から来た人ですか?わたしをこの街から連れ出してください」

服は簡素ながら、その佇まいはどこか高貴な感じがする少女の話を聞くと、少女は砂漠の民で、集落を移動中に砂嵐が襲い、行き場を失い彷徨っている時にこの街に入ったと話す。
命は救われたが、この奇妙な街から離れたいと主人公たちに訴えてくる。

主人公たちは自分たちも砂嵐に巻き込まれて彷徨って街に入ったことを伝えると、一緒にこの街を支配する者を倒そうと提案される。少女の話によると、街の支配者を倒すと街を出られるらしい。

主人公たちはリコと名乗った少女と一緒に街の支配者の住む館に出向くが、そこには館を守るゴーレムの姿があった。

 【砂のゴーレム】(sand golem)
反応:【死ぬまで戦う】レベル:5 生命点6 攻撃回数:2(殴る/打撃) 宝物:魔力の石1個 タグ:ゴーレム
砂でできたゴーレム。館の主人を守るために破壊されるまで戦います。内部に魔力の石があり、それによって動いています。身体が砂でできているため、斬撃武器、射撃武器はクリティカル或いは2点以上のダメージ以外ではダメージが与えられません。打撃武器、魔法攻撃は普通に攻撃できます。
砂のゴーレムが倒されると、館は場所を移動してしまいます。

リコは戦う従者として戦いに参加します。
リコ 剣士 技量点1 生命点1  打撃武器

この中間イベント以降、リコは戦う従者として参加します。その際、従者点は無視します。リコが倒されてしまった時にはその時点で冒険は失敗します。

「館が……消えた?」
移動した館を探しに再びロロリスの街の探索が始まった。
※以降5、6、7区画のd33はリコがいる場合のできごとになります。

12:最終イベント

『街の主』(lord of the city)

ロロリスの街を探索し、街の主が住む館を見つけた主人公たちは、その扉を開けた。
中はがらんどうで家具すらない広間がずっと続いている。

「訪問者か。珍しいな」

そう声が聞こえてきた。

床の大理石を靴で鳴らしながら現れたのは見事な衣装を纏った初老の紳士だった。

「わたしになんの用か?」

初老男性は笑みを浮かべている。ゴーレムが倒され、館が移動したのを知りつつ、あえて目的を聞こうという態度だ。

「この街を出たいの!あなたを倒せば街を出られるって噂を聞いたの」

異様な雰囲気を醸し出す紳士に、リコは震えながらもそう答えた。

「そうか。街を出ていくのか。それは残念だ。」

 “倒す”という言葉をわざと聞いていないフリをしながら、紳士は天を仰いだ。

「気に入ってくれていると思っていたよ、リコ」

紳士はリコの名前を呼ぶ。

「君たちも出ていくのか?」

主人公たちの名前を一人ずつ呼ぶ。この主は街にいる全員の名前を知っているのだろう。

「仕方がないな。しかし……」

紳士は両手を広げた。

「わたしは構わないが、しかし、“本当に街を出ていきたい”と思っているのかな?」

その言葉に主人公たちは不思議な感覚に囚われた。


選択『魅力されている』
主人公たちが『魅力されている』のであれば、ここでのできごとは起こりません。紳士にリコを殺すよう命じられた主人公たちはその命令を実行した後は、紳士に頭を下げて街へと戻っていきます。

そうでなければ、紳士は態度を変え、「ならば死ねい!」と襲ってきます。

【街の主】(lord of the city)
反応:【死ぬまで戦う】 レベル:5 生命点:5 攻撃回数:1 宝物:+1 タグ:善の種族
魔法によってこの街を作り出した魔術師です。魔力を求めすぎたせいで、すでに正気は失っています。

街の主は1ラウンドに呪文を唱えると、砂のゴーレムが現れます。

【砂のゴーレム】(sand golem)
反応:【死ぬまで戦う】レベル:5 生命点6 攻撃回数:2(殴る/打撃) 宝物:魔力の石1個 タグ:ゴーレム
砂でできたゴーレム。館の主人を守るために破壊されるまで戦います。内部に魔力の石があり、それによって動いています。身体が砂でできているため、斬撃武器、打撃武器、射撃武器はクリティカル或いは2点以上のダメージ以外ではダメージが与えられません。魔法攻撃は普通に攻撃できます。

砂のゴーレムを倒さないと街の主への攻撃は射撃でしかできません。
街の主は1ラウンドと2ラウンドに【氷槍】を主人公へ(2人の場合にはどちらか決める)唱えます。
【幸運ロール:目標値5】2失敗すると、生命点に2点のダメージを受けます。

3ラウンド以降は杖による攻撃へと変えます。また、主人公たちが【氷槍】【招天】などの攻撃呪文を唱えるのであれば、1回目は【魔法迎撃】を使います。

【魔術ロール:目標値5】に失敗したら、その攻撃呪文は効果はありません。

砂のゴーレムより先に街の主を倒したのであれば、砂のゴーレムは生命点が残っていても崩れ去ります。

街の主を失った館は砂へと姿を変え、サラサラとゆっくり風に飛ばされていく。
街は砂へとは変化しない。魔力を失った街は、今後は幻のように消えたりせず、この場所に残るだろう。
本当にドゥノス砂漠のオアシスとして、この場所に。

13.冒険の達成

『幻惑の街ロロリス』の主を倒した君たちが街を外から眺めていると、砂漠の民がラクダを引きながらやってきた。

ラクダの背にはテントの材料が積まれている。こうやって砂嵐を避けながら移動している民族なのだ。

「探しましたぞ」

口ひげの男がリコに言った。

「よくご無事で、王女」

王女?

君たちがリコを見ると、リコは満面の笑みを浮かべた。

おてんば王女リコと砂漠の民との旅はもう少し続く。

『幻惑の街ロロリス』の冒険を終えた主人公たちは1経験点を得ます。


AIイラストくんで作成

参考文献
【できごと】の『バンザイゴブリン(ゴブリンの突撃兵)』の本文は、FT書房ローグライクハーフシナリオ『黄昏の騎士』の『ゴブリンの突撃兵』の本文を参考、引用いたしました。

「ローグライクハーフ」基本ルール+1stシナリオ「黄昏の騎士」 | FT書房 https://ftbooks.booth.pm/items/4671946


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