ローグライクハーフd33シナリオ「戦乙女の迷宮」Version1.2


お絵描きばりぐっどくんで作成

「ローグライクハーフ」d33シナリオ『戦乙女の迷宮』
2024.4.25 Version1.0
2024.4.28Version1.1 
2024.4.29Version1.2
作:ghostwriter

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   1:「ローグライクハーフ」d33シナリオ『戦乙女の迷宮』
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ライセンスロゴ

これは「ローグライクハーフ」のd33シナリオです。少し経験を積んだレベルの主人公1人と従者、または相棒を連れているか、主人公2人での冒険に適しています。

・ジャンル:ファンタジー
・難易度:普通
・形式、:シナリオ(d 33)
・世界:オリジナル

・ゲームマスター:不要
・プレイヤー数:1-2人
・プレイ時間:20-30分
・適正レベル:13〜15
・対象年齢:10-99歳

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   2:「ローグライクハーフ」を遊ぶにあたって(ライセンス表記その他)
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 「ローグライクハーフ」はルールを確認した後に遊ぶゲームです。新ジャンルではありますが、区分するなら「1人用TRPG」にもっとも近いといえます。ルールは下記アドレスで確認することができます(無料)。

ライセンスロゴ
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg

https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_BasicRuleSet.txt

 PDF版は下記アドレスで入手可能です(要BOOTH会員登録)。

https://ftbooks.booth.pm/items/4671946

 また、紙の書籍でのルールを入手したい場合には、こちらから購入が可能です。紙の書籍には1stシナリオ『黄昏の騎士』が収録されています。

https://ftbooks.booth.pm/items/4671945

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   3:プロローグ
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「戦乙女を知っているか?」

酒場で出会ったドワーフの戦士は唐突にそう言った。

「俺たち戦士が『一番会いたい存在』で『一番会いたくない存在』だ」

赤ら顔のドワーフが木のジョッキを一気に飲み干す。中身は火が付く程に強い蒸留酒だ。

「戦乙女は強いやつをいつも探している。神々の戦いに駆り出す為さ。神話で語られる神と悪魔の戦いはまだ続いてるって話だからな」

ドワーフは、ゴブリンやオークを倒すのには飽き飽きしているようで、「悪魔の軍勢相手ならいくらでも戦ってやる!」とテーブルを叩いた。

「一番会いたい理由はそれさ。英雄として選ばれて悪魔と戦えるのは戦士冥利に尽きる」

鼻息荒く、ドワーフは17杯目の蒸留酒をそばを通りかかった赤髪のウェイトレスに注文する。

「だがな、戦乙女にはなかなか会えない」

ドワーフは塩ゆでしたひよこ豆を口に放り込むと、ウェイトレスが乱暴に置いたジョッキで流し込んだ。

「栄誉ある死。戦場で死ぬことが戦乙女に会う条件なのさ。死なないと会えないなんて『一番会いたくない』よな」

ドワーフは苦々しい顔をした後に、ニヤリとした。

「……しかしだ。『戦乙女の迷宮』に挑んで踏破できたら、そしたら『生きながらにして神々の戦いに参加』できるのさ」

ドワーフは酒臭い顔を君に向けた。

「生きながらにして神々の戦いに参加できるなんてこんな名誉はないぜ?」

そう言うと、ドワーフは胸に下げている大きな鍵を君に見せる。

「これはな、『戦乙女の迷宮』の門の鍵だ。俺はこないだある人物にあったんだよ。そして、この鍵を渡された。そいつは、『戦乙女の使い』って名乗ったのさ」

自慢気にそんな話をしたドワーフの戦士はその日、酒場での乱闘に巻き込まれ、瀕死の重傷を負った。

側にいた君にドワーフは弱々しく言う。

「俺はどうやら神々の戦いには呼ばれなかったようだ。代わりといっちゃアレだが、ここであったのも何かの縁だ。俺の代わりに『戦乙女の迷宮』に行ってくれ。そして、英雄になってくれ」

君に鍵を渡すと、ドワーフはそのまま息を引き取った。

奇遇な運命で『戦乙女の迷宮』の鍵を貰い受けた君は、占い師や旅の騎士、賢者などから情報を集め、ある遺跡に辿り着いた。

ドラグロス山と呼ばれる山の麓にある崩れかけた巨大な門にドワーフから貰い受けた鍵を掲げると、門は音を立てて開いた。

内部は冥界の入口かと思うほど、暗い。

君は後ろで息を呑む仲間に言った。

「覚悟は決まったか?」

それは、仲間への言葉であり、また自分への言葉だった。

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   4:ゲームの概要
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 「ローグライクハーフ」へようこそ。このゲームは1人(または2人)で遊べるTRPGのようであり、ゲームブックのようでもあり、ダンジョンハック系の電源ゲームをアナログゲーム化したようでもあり……。ゲームマスター(GM)はいてもいなくても遊べます。つまり、1人から3人までで遊ぶゲームです。
 プレイヤーとしてゲームに参加する場合、あなたは自分の分身である「主人公」を作成します。これは「冒険者」とも呼ばれる、万能ではないが十分に強いキャラクターです。プレイヤーが(つまり主人公が)1人の場合、7人前後の従者とともに冒険を開始します。または、『戦乙女の迷宮』の冒険についてくる相棒2人から一人を選択してください。プレイヤーが2人の場合、従者なしで冒険を行います。
 冒険はd33を振り、出目に対応したできごとを確認していくことで成立します。ある地点に到達すると中間イベントや最終イベントが発生して、物語が進行します。

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   5:ゲームの特徴
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 「ローグライクハーフ」のシナリオは、短い時間でTRPGで遊んだような満足感を与えてくれます。部屋を探索し、ワナをかいくぐり、敵を蹴散らして、最終的な目的へと臨みます。
 しかし、気をつけてください。冒険の一部はランダムで形成されているため、必ずしも成功するとは限りません。判断を誤り、運に見放されたとき、あなたの大切なキャラクターは冷たい墓石の下で、永い眠りにつくことになるでしょう。

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   6:ゲームに必要なもの
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 筆記用具と六面体サイコロ1個があれば、すぐにもゲームをはじめられます。「冒険記録紙」をプリントアウトしておくと、手もとで情報を管理できて遊びやすいでしょう。

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   7:ゲームの準備。従者、相棒、故郷について。
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7-1 ゲームの準備
「ローグライクハーフ」のd33シナリオである本作『戦乙女の迷宮』をはじめる前に、あなたは主人公(と、必要なら相棒や従者)を準備してください。
 冒険を進めるためのルールを読むか、いつでも読めるように手もとに置いてからゲームを開始します。
『戦乙女の迷宮』を冒険するには、キャラクターのレベル13以上を推奨しています。他の冒険をしてレベル13以上になったキャラクターを使用してください。
新たに作成する場合は、初期金貨10枚に、レベル毎に金貨50枚を追加して装備や従者を揃えてください。(経験レベル13のキャラクターを作成するなら、初期金貨10枚+150枚の金貨を持っています)

7-2従者

『戦乙女の迷宮』に挑むにあたり、従者は基本ルールの従者が雇えます。また、故郷ルールを使用するなら、〈都市ファスタ〉で特殊な従者が雇えます。

7-3相棒

『戦乙女の迷宮』に挑むにあたり、相棒は以下から選択できます。相棒を雇うには金貨7枚、従者点7点がかかります。

隻眼の剣士キルト 技量点1 生命点7(板金鎧+2を含む)
筋力点4
装備品:両手武器(斬撃) 板金鎧
特殊技能:全力攻撃、全力防御、かばう、麻痺抵抗

左目に眼帯をしている剣士。目を失ったわけではなく、オッドアイを隠す為です。【麻痺】に抵抗ができます。(麻痺に対する【幸運】ロールに+1のボーナス)


白髪の魔術師マージ 技量点1 生命点6(布鎧+1を含む)
魔術点4
装備品:両手武器(打撃)、布鎧
特殊技能:速撃、氷槍、呪い返し。

若者ですが、魔術の影響なのか髪が白髪になっている魔術師。特殊技能【呪い返し】は、【呪い】に対して抵抗ができます。(【呪い】の対魔術ロールに+1のボーナス)

7-4故郷

『戦乙女の迷宮』で故郷のルールを使用する場合、以下の都市を使用します。

〈都市ファスタ〉

《希少な装備品》
冒険の初めに【幸運ロール】(難易度:6)に成功すると、以下の希少な装備品が手に入ります。

  1. 狂戦士の剣 片手武器(斬撃) 金貨60枚

この希少な装備品は魔法の武器で、見た目は何の変哲もない剣です。(最初の攻撃の【攻撃ロール】に+1のボーナスがつきます。1回の戦闘につき1回だけです)
刃に魔法の文字で「Urrrry!」と書かれていて、戦闘時にそれを叫ぶと、その戦闘中、好きなタイミングで攻撃ロールに+1のボーナスが付きます。
(戦乙女の迷宮のプレイ中に、プレイヤーは周りに配慮しながら、攻撃のダイスを振る際に「Urrrry……!」と叫んでください)

2.ヒカリゴケの木盾 盾 生命点+1 金貨30枚

この希少な装備品は木盾に特殊な技術でヒカリゴケを定着させた盾です。木盾と同じように生命点に+1のボーナスが付きます。
そして、地下迷宮などでランタンの代わりに明かりとして利用できます。(ランタンがない場合のすべての判定ロールに-2のペナルティはなくなります)

防御ロールでファンブルをした時に【幸運ロール】難易度:4に失敗するとヒカリゴケが剥げてしまい、普通の木盾になってしまいます。以降はランタン代わりには使えなくなります。

錬金術師は再びこのヒカリゴケの木盾にヒカリゴケを定着できます。【魔術ロール】難易度:5。(同じヒカリコケの木盾に定着できるだけで、普通の木盾をヒカリコケの木盾にできるわけではありません)

3.祝福の入墨 特殊 金貨40枚

僧侶の祝福と同じように、「呪い」「石化」「麻痺」うちいずれかの効果をひとつ打ち消す入墨です。
効果をうち消した後の入墨は薄くなり、効果を失っています。
キャラクターの身体に祝福の入墨は3回まで彫り込めます。

《従者》
◯戦う従者

重戦士 技量点1 生命点1 筋力点1 金貨7枚
厚い鎧を着て、両手武器(打撃か斬撃かを選択)を持った戦士。特殊技能【かばう】を使用できます。

戦略家 技量点0  生命点1 幸運点1 金貨7枚
戦略に長けた者です。特殊技能【防衛】を使用できます。また、逃走する際にクリーチャーからの攻撃に対して全員に防御ロール+1のボーナスがあります。攻撃をする時には軽い武器(打撃か斬撃を選択。攻撃ロール-1)で攻撃します。

◯戦わない従者

歩荷 技量点0 生命点1 金貨7枚
荷物持ちのプロ。装備品を6つまで持たせられます。

探検家 技量点0  生命点1 金貨7枚
ランタン持ちと斥候の両方を兼ねている探索のプロ。ランタンを持ち、斥候として技量点0で【察知:器用ロール(難易度:4)】が行えます。また、宝物表も主人公とは別に振れます。

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   8:ゲームの進行と手がかり
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8-1 『戦乙女の迷宮』は一本道モード」で遊びます。
 本文中に【フレーバーテキスト】と書かれた文字がある場合、それは主人公たちが今いる場所の状況について語った文章です。読まなくとも物語の進行に影響はありませんが、読むとよりいっそう気持ちが入ることでしょう。

8-2手がかりについて

冒険の途中に「手がかり」が手に入ります。これは装備品に含まれません。 
手に入れた「手がかり」によって中間イベントと最終イベントが変化します。

手がかりの数を記録しておいてください。

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   9:一本道モード
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 一本道モードでは、あなたは分岐を気にすることなく、d33によってマップを決定していきます。このモードでは、あなたは〈できごと〉を一定回数体験する(マップをめくる)行動の後に、中間イベントや最終イベントにたどり着きます。
 1枚目から3枚目のタイルをめくり、マップタイルに付随するできごとを体験した後に、4枚目の中間イベントのタイル(固定)に進みます。5枚目から7枚目の体験の後に、最終イベントへと進みます。

・1-3枚目……出目表に対応した〈できごと〉が発生
・4枚目……〈中間イベント〉
・5-7枚目……出目表に対応した〈できごと〉が発生
・8枚目……〈最終イベント〉

 一本道モードで遊ぶ場合、【逃走】を行なったさいには、めくったマップタイルは枚数にカウントしません。主人公たちはその部屋には進まず、ひとつ手前の部屋に戻り、別の扉を開けたことになります。プレイヤーは改めてマップタイルをめくり、別の部屋へと進んでください。
※中間イベントおよび最終イベントでは、逃走を行うことができません。

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   10:冒険とゲームの勝利
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 このゲームの勝利とは、シナリオにおける使命を達成することです。
 この作品は1回の冒険に対応しています。「冒険」は〈最終イベント〉までひととおりの〈できごと〉を体験する(かゲームオーバーになる)ことを指します。

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   11:地下迷宮と隊列。明かり
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 11-1 本作における戦闘には、隊列という概念はありません。主人公と「戦う従者」や「相棒」は、敵を好きなように攻撃できます。
 敵側の攻撃は、主人公が2人の場合には均等に攻撃が分けられます。
 主人公が1人の場合には、攻撃の半分を主人公が受けてください。残りの半分は従者や相棒が受けます。
 いずれの場合でも、余った攻撃をどちらが受けるかは、プレイヤーが決めてください。

例:インプ7体が主人公と「戦う従者」である兵士3人を攻撃した。インプの攻撃は合計で7回である。プレイヤーは攻撃のうち3回分を主人公が、残りの4回分を従者が受けることに決める。従者である兵士は【防御ロール】に失敗するたびに1人ずつ死亡する。

11-2 「戦乙女の迷宮」内部は明かりがありません。ランタン持ちや主人公がランタンを装備していないとすべての判定ロールに-2のペナルティが付きます。

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   12:ゲームの終了(冒険の成功と失敗)
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 主人公が1人死亡したら、冒険は失敗で終了します。最終イベントを終えた場合にも、ゲームは終了します。そのときに条件を満たしていれば、冒険は成功に終わります。
 冒険が成功した場合、主人公はそれぞれ1経験点を獲得します。冒険に失敗した場合には、これを得ることができません。死亡していない主人公は、改めて冒険に出ることができます。

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   13:出目表(d33)
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 この冒険における出目表は、十の位のために1d3を、一の位のために1d3を振って〈できごと〉を決定します。

  〈できごと〉
出目11:〈泥に塗れた戦場〉
出目12:〈戦士の休息〉
出目13:〈戦乙女の信仰者〉
出目21:〈鉄を喰う虫〉
出目22:〈一騎打ちの行方〉 
出目23:〈死体に群がる者〉
出目31:〈老兵は死なず〉
出目32:〈石像の部屋〉
出目33:〈怪我をした男〉 

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出目11 〈泥に塗れた戦場〉

広い場所に出ます。地面が泥濘んでいて、あちこちに死体が転がっています。
ゴブリンやオークなどのクリーチャー、人間やエルフ、ドワーフなどの死体が泥に塗れています。

【器用ロール】(難易度:4)に成功すると、泥に塗れていてなお輝きを放っている短剣(輝きの短剣)が見つかります。短剣は軽い武器で、攻撃ロールに-1のペナルティが付きます。ただし、この短剣で攻撃して当たった場合、光の残像が攻撃の軌跡を示すため、他のキャラクターが同じクリーチャーを攻撃する際に攻撃ロールに+1のボーナスが付きます。

【フレーバーテキスト】
泥に塗れて死体が転がっている。戦場で死ぬということは、けして綺麗なものではないことを物語っている。

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出目12 〈戦士の休息〉

土を盛っただけの墓に、墓標代わりの武器が刺さっています。

どこかで武器を失っている場合、この武器を持っていくことができます。その場合、片手武器の打撃武器か斬撃武器かを決めてください。

この場所で休息を取ると、生命点と副能力値が1点回復します。

【フレーバーテキスト】
墓標代わりの武器がある。戦士の休息は死ぬことだと教えてくれている。

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出目13 〈戦乙女の信仰者〉

部屋の中央に祈りを捧げている僧侶がいます。
近づくと、「新たな挑戦者ですか」と祈りを中断します。

戦乙女の信奉者との会話で、「手がかり」を得られます。

この僧侶に金貨50枚、または同等かそれ以上の魔法の品を渡すと、祝福の呪文をかけてくれます。【呪い】【石化】【麻痺】のひとつの状態が解けます。(戦う従者全員が【呪い】状態の場合、全員の【呪い】を解きます)
手がかりをひとつ消費するなら、金貨や魔法の品がなくても祝福を唱えてくれます。(呪い、石化、麻痺のどれかひとつの状態にある全員を解除してくれます)


【フレーバーテキスト】

「戦乙女を信奉することは、他の信奉者とは違いますよ。この手を見てください」

そう言った戦乙女の信奉者の手には、武器を扱うことによる胼胝(タコ)が出来ていた。
戦の神の僧侶よりも、歴戦の戦士のそれよりも厚い。

「面白いことを言う御仁だ。俺もちょうど戦乙女の信奉者の実力を知りたいと思っていてね」

キルトが武器に手をかけた。

主人公はキルトの前に手を出し、それを止めた。

「今はそれをするべきじゃないと思う。冷静になれ、相棒」

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出目21 〈鉄を喰う虫〉

部屋中に溶けて変形した武器が散乱しています。

中央にはダンゴムシに似た巨大な虫が一匹いて、武器に特殊な消化液をかけて食べています。

虫は主人公たちの方を見ると、身体を震わせて襲ってきます。

鉄喰い 出現数:1  レベル:4 生命点:5 宝物:ふつう+鉄の糞 タグ:虫
【反応表】常に敵対的

鉄喰いの攻撃が当たると、【幸運ロール】難易度:4をしなければなりません。
失敗すると、鉄喰いが口から吐いた消化液が鎧にかかります。丸盾、鎖鎧、板金鎧の生命点へのボーナスが1点減ります。(防御ロールへのペナルティはありません)魔法の丸盾、鎖鎧、板金鎧には効果がありません。

また、鉄喰いへの接近攻撃がクリティカル以外で当たると、【幸運ロール】難易度:4をしなければなりません。
失敗すると、武器に消化液がかかり、【斬撃】武器は溶けて使い物にならなくなります。【打撃】武器は鉄部分が溶けますが、まだ使えます。(攻撃ロール-1のペナルティ)魔法の武器には攻撃は効果はありません。斬撃武器を失った場合、攻撃ロールに-2のペナルティが付きます。

鉄喰いを倒すと、鉄の糞が手に入ります。これは魔法の品扱いになり、魔法屋や雑貨屋で金貨60枚で売れます。
鉄の糞はかなりの重さがある為、持って行くには装備品2枠かかります。

【フレーバーテキスト】
巨大なダンゴムシのような虫がこちらを向いて身体を震わせた。“新鮮なエサ”の匂いに興奮しているようだ。
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「鉄喰いだ。生け捕りすると、国で高値で買い取ってくれる。こいつを敵国の武器庫に投げ込んだら、戦力を奪うからな。ある意味最強の兵器と言える」

鉄喰いを倒した後、キルトは苦々しく言い放った。何か因縁があるようだ。


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出目22 〈一騎打ちの行方〉 

部屋に黄金色の鎧を着た騎士が立っています。騎士は主人公達を見ると、武器を構えます。

「我こそは戦乙女に仕える騎士、ゴールデン卿である!」

主人公側の一人を指して、一騎打ちを申し出ます。(主人公、相棒、戦う従者から一人を選んでください)

黄金騎士 
出現数:1 レベル:4  生命点:特殊(戦う従者に対しては1、主人公や相棒には4) 宝物:+1 タグ:善の種族

黄金騎士の生命点は一騎打ちをする相手によって変わります。戦う従者には1、主人公や相棒には4です。

弓矢での攻撃はせず、接近戦のみです。主人公側は弓矢や魔術での攻撃をしても構いませんが、その場合、宝物は得られません。黄金騎士が美徳とするのはあくまで接近戦だけなのです。

接近戦で黄金騎士の生命点を0にすると(黄金騎士は死にませんし、主人公側も生命点0になっても死にません。この戦闘が終わると、部屋に入ってきた状態に戻ります)、黄金騎士は主人公側の相手を褒め称え、宝物を差し出します。

もし黄金騎士に負けると、黄金騎士はため息をついてこの部屋から出ていくように言います。

戦闘に勝った場合、「手がかり」も得られます。

【フレーバーテキスト】

「参った。さすがは戦乙女の迷宮に呼ばれた者だな」

黄金騎士は武器を捨て、両手を上げた。

「これをやろう。役に立つはずだ。貴殿が飛び道具を使っていたら、この報酬は無かった」

騎士は正々堂々の一騎打ちが似合う。戦場での一騎打ちは正に花形だ。

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出目23 〈死体に群がる者〉

部屋中に死臭が充満していて息が詰まりそうです。

部屋には数多の死体が山になっていて、グールが群がっています。群がるグールが一斉に主人公達を見ます。

グール
出現数:1d3+3 レベル:5  宝物:+2 タグ:アンデッド
《反応表》常に死ぬまで戦う

グールは《炎》に弱点があり、《炎》特性の攻撃は【攻撃ロール】に+1のボーナスがつきます。

グールの攻撃の【防御ロール】に失敗すると、「麻痺」する可能性があります。(タグ:アンデッド、ゴーレム、植物以外)【幸運ロール】難易度:5に挑戦してください。
この【幸運ロール】に失敗すると、「麻痺」します。“つぎのできごと”が終わるまで、すべての【判定ロール】に-1のペナルティが付きます。

グールを倒すと、「手がかり」が得られます。

【フレーバーテキスト】

「身体が……」

初めての感覚だった。意識はハッキリしているが身体が思うように動かない。

これが、「麻痺」するというものなのか。

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出目31 〈老兵は死なず〉
部屋に横たわっている数体の戦士がいます。死体のように見えます。

老兵
出現数:1d3+2体 レベル:5  宝物:ふつう タグ:善の種族
《反応表》1-2劣勢であれば逃走 3-6敵対的 

この老兵はアンデッドではなく、“生きた人間”です。死体のふりをして騙し討ちをしてきます。

倒した老兵の数を記録しておいてください。

【フレーバーテキスト】

死体が折り重なっている。弔いの祈りをしようと近づくと、マージが何かに気がついて叫んだ。

「こいつら、まだ“生きている”!」

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出目32 〈石像の部屋〉

部屋中に石像があります。まるで生きているかのような精密な石像です。

部屋の中央に何か蠢くものがあります。
主人公達は全員【器用ロール】難易度:4をしてください。失敗したキャラクターは【対魔法ロール】難易度:4を行ってください。成功すると、その蠢くものの視線、【邪視】から身を躱すため、何も起こりません。【対魔法ロール】に失敗したキャラクターは、その視線、【邪視】で「石化」し、僧侶の祝福で解除してもらうまでは、移動や攻撃などあらゆる行動ができなくなります。

部屋の中央にあったのは、メデューサの首です。生きてはいませんが、回転する台に載せられ、石像にする罠として利用されています。

回転するメデューサの首 出現数:1 レベル:4 生命点:4  宝物:なし タグ:建造物

メデューサの首は攻撃をしてきません。偶数ラウンドに、攻撃として「石化」させる視線を浴びせてきます。【対魔法ロール】難易度:4をし、それも失敗したキャラクターは「石化」します。

「石化」したキャラクターは自分では動けないので、荷物持ちや歩荷に担いでもらわないとこの部屋から出られません。
主人公が祝福を唱えることができるか、出目13〈戦乙女の信奉者〉に出会うことがあれば、祝福で〈石化〉を解除でき、パーティーに復帰します。

主人公が「石化」したら、この冒険は失敗します。死んだわけではありませんので、荷物持ちや歩荷に担いでもらって街に帰り、僧侶の祝福で「石化」解除してもらうと「石化」は治ります。再度戦乙女の迷宮に挑戦することはできます。

従者に荷物持ちや歩荷がいなければ、主人公を迷宮から連れ出す方法は無いため、冒険は失敗します。別な主人公で戦乙女の迷宮に挑戦してください。(僧侶のキャラクターで救出することにしてもおもしろいかもしれません)

従者が不足しているのなら、僧侶のキャラクターが部屋にいる「石化」した者に祝福を唱えると、従者が得られます。戦う従者、戦わない従者を補充できます。(【幸運ロール】難易度:6に成功すると、戦乙女の迷宮の故郷ルールにある特殊な従者も補充できます)

「石化」したキャラクターは荷物持ちや歩荷が運べますが、装備品3枠を使用します。(荷物持ちはひとりの「石化」したキャラクター、歩荷はふたりの「石化」したキャラクターを運べます)

【フレーバーテキスト】
石像になってしまった仲間をどうやって連れて行こうかと思い悩んでいると、歩荷の従者が石像を軽々と持ち上げた。

「旦那、あっしらに運べないものはないですよ。大ボラ吹きの太った大臣だって、その大ボラの話ごと運べますや」

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出目33 〈怪我をした男〉 

冒険者と思われる男が地面に座っている。
足を怪我したようだ。

「良かった。こんな迷宮で怪我をして困っていたところです。助けてくれませんか?」

男は痛みと不安が混じった顔で主人公達を見ます。

【対魔術ロール】または【幸運ロール】難易度:5に成功すると、この男の姿が二重に見えます。幻影で悪魔が人間の姿をしているのを見抜きます。

失敗すると、幻影を見抜けずに男の魅力的な笑顔と話術の虜になり、治療を施したり、食料を分けたりしてしまいます。(治療のポーションがあれば男に使います。食料もひとつ渡してしまいます)そして、手がかりをひとつ失います。

悪魔だと見抜いたら、男はコウモリの翼を生やし、悪魔の姿を現すと、主人公達に襲いかかります。

中級悪魔 出現数:1 レベル:5 生命点:8 攻撃:2 宝物:ふつう タグ:悪魔

《反応表》常に敵対的

攻撃特性《炎》の攻撃を2回します。生命点が半分になると、中級悪魔は逃走します。

【フレーバーテキスト】

「ホントに助かったよ」

男の笑顔は魅力的だった。
男性に対しては柔らかな女性的な笑顔に見え、女性に対しては美青年の笑顔に見える不思議な魅力を備えた男だ。

この男の為に、命さえ投げ出してしまいたくなる。

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   16:○宝物表(Treasure Table) ≪1d6で決定≫
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  【宝物表】
出目【1以下】 金貨1枚
出目【2】   1d6枚の金貨
出目【3】   2d6枚の金貨(下限は金貨5枚) 出目【4】   1個のアクセサリー(1d6×1d6枚の金貨と同等の価値)
出目【5】   1個の宝石・小(1d6×5枚の金貨と同等の価値。下限は金貨15枚の価値)
出目【6】   1個の宝石・大(2d6×5枚の金貨と同等の価値。下限は金貨30枚の価値)
出目【7以上】 【魔法の宝物表】でダイスロールを行う。

  【魔法の宝物表】
出目【1】 『魔法のつるはし』(☆) 
出目【2】 『治療のポーション』(☆)
出目【3】 『幸運のコイン』(☆)

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   17:●魔法の宝物表(Magic Treasure Table) ≪1d3で決定≫
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●【1】 『魔法のつるはし』(☆)

これは魔法がかけられた採掘道具である。  〈魔法のつるはし〉は、採掘や壁を掘り抜くさいに用いることができる。1回分を消費することで、そのような状況においての【判定ロール】に自動的成功する。  1本の〈魔法のつるはし〉につき、3回分だけ使用できる。  主人公はこれを、間に合わせの武器として使用していい。  〈魔法のつるはし〉は【斬撃】の特性を持つ「両手武器」として扱われるが、武器としてのバランスが悪いため【攻撃ロール】のボーナスは得られない。  武器として用いたときは、例外的に使用回数を減らさなくてもいい。

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●【2】 『治療のポーション』(☆)

この瓶に入った薬を飲んだキャラクターは、最大値まで生命点を回復する事ができます。
戦闘中であっても、1ラウンドのアクションを消費することで使うことができます。

ただし、各主人公は一度の冒険につき1回しか『治療のポーション』を使用することができません。

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●【3】 『幸運のコイン』(☆)

この古い時代の金貨は、持っているキャラクターに幸運を授けます。【幸運ロール】に+1のボーナスが付きます。
主人公、相棒、従者に持たせられます。コインの受け渡しはいつでもできますが、戦闘時にそれをすると、【器用ロール】難易度:5に挑戦しなければなりません。失敗すると、手からコインが落ちて永遠に見つかりません。

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   19:中間イベント:
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明るく、広い場所に出ます。天井からは光が差し込み、空気も清浄です。
広場の中央には、神と悪魔の戦いが描かれた石のモニュメントがあります。

モニュメントの絵を見ていると、絵が動き出し、一体の悪魔が飛び出してきます。

鎖を振るう悪魔
出現数:1 レベル:特殊 生命点:7 攻撃数:特殊 宝物:+2 タグ:悪魔
《反応表》1-4敵対的 5-6 死ぬまで戦う

鎖帷子を着て筋骨隆々とした悪魔です。重そうな鎖を鞭のように振るってきます。

鎖を振るう悪魔のレベルは、現在の生命点の値と同じです。攻撃数は現在の生命点の半分になります。(端数切り捨て)
この悪魔は聖水でダメージを受けます。主人公側が0ラウンドに聖水を投げつける(【器用ロール】難易度:レベル)に成功すると、悪魔は2点の生命点を失います。

2ラウンド目に、鞭を振るう悪魔は、冥界から死者を呼び出します。

呼び出されるのは、出目31で倒した老兵のアンデッドです。

アンデッド老兵
出現数:特殊 レベル:5 宝物:なし タグ:アンデッド
《反応表》常に死ぬまで戦う

アンデッド老兵の出現数は、出目31で倒した数になります。(出目31のできごとを経験していなければ、1d2体のアンデッド老兵が出現する)

戦闘後、キャラクター全員は難易度6(「手がかり」の分難易度を引いてください。「手がかり」がふたつあると難易度は4になります)【対魔法ロール】をしてください。失敗すると【呪い】にかかります。

【呪い】は失敗したキャラクターに効果を示し、(戦う従者はひとりが失敗すると、戦う従者全員が【呪い】状態になります)どこかで【呪い】を解除してもらうか、僧侶のキャラクターが【祝福】を唱えない限り、【防御ロール】に-1のペナルティが付きます。

【フレーバーテキスト】

悪魔は倒した。しかし、なぜか身体が重い。
身体が鎖に縛られているようだ。

倒した悪魔の振るっていた鎖が、見えない枷となっているように思える。

「呪われたようだな」

誰ともなしにそんな言葉を発した。

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   20:最終イベント:
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迷宮の最奥と思われる場所を抜けると、それまでの昏い場所が急に開けます。

眩い光にようやく目が慣れると、神殿が見えます。

簡素ですが、堅牢な作りの神殿の前に、青い鎧の女戦士が立っています。

女戦士は主人公達に無表情な顔で「さて、何人目かの挑戦者だったか」と言います。

この女戦士が戦乙女です。

「迷宮を抜けてきたのは難儀だったな。神と悪魔の戦いに出れる実力はあるようだ」

そう言うと、戦乙女は武器を抜きます。

「最終試練を言い渡す。私と戦い、私を倒せ」

戦乙女
出現数:1 レベル:特殊 生命点:7 幸運点:4  攻撃数:特殊 宝物:+2 タグ:神霊

戦乙女は神の使いで、戦場で死んだ戦士や迷宮などで死んだ冒険者の中から、神と悪魔の戦いに出れるような力のあるものを「戦士の庭」と呼ばれる霊的領域に連れて行く役目を負っています。

この戦乙女の迷宮を生きて出れた者は、死ななくても神と悪魔の戦いに出れると言われています。

戦乙女と戦うのは生きながら「戦士の庭」に行ける最終試練です。

戦乙女は0ラウンドに「氷槍」(幸運点で使用します)を主人公に唱えます。主人公側の飛び道具への回避ロールに失敗した場合、「そらし」で割り込んで飛び道具攻撃を回避します。
その後「防衛」を唱えて防御ロール+1のボーナスを得てから、2ラウンド目から槍で攻撃をします。槍は魔法の斬撃の両手武器(攻撃ロールに+1、最初の攻撃ロールは+2)です。

「手がかり」の数によって戦乙女のレベル、攻撃数は変化します。
「手がかり」1つ以下→レベル5、攻撃数3回
「手がかり」2つ→レベル4、攻撃数2回
「手がかり」3つ→レベル3、攻撃数1回

戦乙女を倒すことができたら、21.エンディングに進んでください。
負けたら、主人公の冒険は終わります。


【フレーバーテキスト】
倒された主人公は薄れゆく意識の中、戦乙女の顔を見た。それは先程までの威厳のある顔ではなく、涙を流すただの乙女の顔だった。

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   21:エンディング
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戦乙女はどこか恍惚とした表情で倒れ伏した。

その死体はすぐに神々しい光に包まれ、戦乙女はゆっくり立ち上がる。

「よくやりました。あなたを〈戦士の庭〉の住人として招待します」

眼の前の風景がゆらりと靡くと、そこには数多の勇者達が、酒を飲み、豪華な食事をしている場所が現れた。

悪魔との戦いの僅かな合間に英気を養う場所、〈戦士の庭〉だ。

「……ですが、あなたたちはまだやるべきことがあるようです。この者達に混じって、生きながらにして悪魔との戦いに参加するにはまだ早いようですね。猶予を与えることにしましょう。あなたたちがやるべきことを成し遂げた時、その冒険の最中に命を落としてしまった時、その時にわたしがあなたをこの場所に正式に呼びましょう」

戦乙女がそう言うと、眼の前の風景がゆっくり消えていく。

その刹那、〈戦士の庭〉で飲み食いする戦士の中に、どこかで見たことのあるドワーフの姿を主人公は見た。

酒場で主人公に戦乙女の迷宮の鍵を渡して息絶えたあのドワーフが〈戦士の庭〉にいた。

ドワーフは、こちらをちらりと見ると、照れくさそうに笑い、そして風景は消えた。

各主人公は1点の経験点を得ます。

この冒険以降、主人公が他の冒険の途中で死んでしまうことがあれば、戦乙女は主人公を〈戦士の庭〉に呼び寄せます。

そして、神と悪魔の戦いに出るのです。(ルール的に何かあるわけではありません。主人公が単純にロストするわけではないことを表現するものです)



引用元

魔法のつるはし
ローグライフハーフd33シナリオ「雪剣の頂 勇者の轍」より名称、説明文を引用。

治療のポーション
ローグライフハーフ基本ルールより名称、説明文を引用。

鎖を振るう悪魔
ローグライフハーフWiki クリーチャー 悪魔 冥界の拷問人より能力値、説明文の一部を引用。

グール
ローグライフハーフWiki クリーチャー アンデッド グールより、能力値、名称、説明文を引用。

中級悪魔
ローグライフハーフWiki クリーチャー 悪魔 中級悪魔より、能力値、名称、説明文を引用。

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