2023年7月26日

 2016年以降、毎年7月26日にこの場所に文章を書くことを続けています。

 今年の現時点で、僕は余裕がない状態になっています。これは、2016年のことと直接は繋がっていません。つまり、過去でも、現在でも、施設で生じたことが自分の状態に直接影響を及ぼしているわけではないということです。
 
 現在、僕は様々な場所で臨床をする日々になっていて、決まった場所に一週間のほとんど滞在する過ごし方をしていません。いくつかの場所で携わっている診療の中の一つの場所で生じたことに、今の自分は大きく影響を受けています。

 臨床の中で生じたことなので、詳しいことは全く書けませんが、自分が人とかかわる上で大切だと信じてきたことは、本当にそれでよかったのだろうか、という気持ちが頻繁に湧いてくる状態です。

 人のこころとかかわるというのは、とても難しいことだと感じます。どんな時でも、その人の思いがあり、その人の思いを教えていただいて、それに添いたいと考えています。時には、その思いが、医療的にみたらその人が苦しむ状況を強くしてしまうように感じられるものだったりします。でも、医療的な視点はこちらの視点でしかないわけで、それに基づいてかかわるこちらが行動することは、その人が望むことと食い違うことがあるのです。

 そんな時に、どんなことが自分にできるか。普段、医療者というより人としてかかわりを続けたいと強く思っていますが、自分が医療者であるという側面をどれくらい強く押し出すべきなのか。望むことと食い違うことを医療者としてすすめる時、どのように自分の気持ちに整理をつけていくのがよいのか。

 たくさんのことがぐるぐるしながら、自分のこころの余裕が少なくなっていくのを感じます。

 対人支援をするというのは、このような葛藤を抱え続けることだと思っています。思っているし、思ってきたけど、余裕のない局面になると、迷いは大きくなるものです。

 こんな時に、自分が安心して相談ができる安全な場所があるといいのにと思います。こうやって、とってもぼやかしながらでも書いているだけで、少し整理されてくることもあります。そして、それを実感するとさらに、あぁ、話がしたいなぁと思うことが分かりました。

 今僕がかかわっている全ての現場で、一生懸命対人支援にあたっている人がいます。困りごとのある人とかかわろうとする人にも困りごとがあります。考えてみると、これはずっと繋がっていくものなのかもしれません。だから、もっと支え合える形があるといいのに、と思っています。

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