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ゲストハウスリレーエッセイ


山形で農家チームが営むゲストハウス『こめやかたゲストハウス』の女将をしています。言わずもがなの旅好きで、世界のあちこちに(珍しく?!)兄と二人で出かけていきました。

そこで出会ったゲストハウスという宿のスタイルはとても便利で面白くまるで世界の交差点のようだと感じました。いつか私もゲストハウスオーナーとしてインドで開業したい。と考えるようにもなりながら月日は流れていったのです。

その流れる月日とともに現実的でない野望がいつしかすっかり薄れていき、心のフォルダの端っこにおさまってしまいました。

旅好きの兄にも私にもパートナーが出来、4人での京都旅行を計画中に日本にもゲストハウスが存在することを知り興奮したのをよく覚えています。(今となっては当たり前なんでしょうけどね・・・)

日本での初めてのゲストハウス体験、それが京都にある胡乱座ゲストハウスさんでした。

ネットで得た情報はいたってシンプル。個室とドミトリーがあり、シャワー、トイレ、キッチン共用。エアコンなし。京都駅から徒歩〇分など。違う仕事をされていらっしゃるオーナーさんのお住まい兼ゲストハウスのためチェックインもチェックアウトも時間がきっちり決まっていたけれど朝早く夜行バスで到着する我々の荷物は預かってくださいました。

ウナギの寝床のような京都らしい町屋つくりも写真をみて気に入りました。
普段違う仕事をされていらっしゃるオーナーさんのお住まい兼ゲストハウスという性質の為、オーナーさんは過度のリップサービスもないですが、こちらが質問すれば気持ちよく答えてくださる、つかず離れずの本当に居心地の良い対応でした。

そこには旅人の欲するものがきちんとあり、過度なサービスがない。私にとってとても気持ちの良い空間。まさに、海外で自由な旅を手に入れるために利用していたゲストハウスの姿が胡乱座ゲストハウスさんにはありました。

その宿泊体験で、あぁ、日本でもゲストハウスってできるんだ!日本にもゲストハウスがあったらもっと旅が自由になる!そんな風に思えた京都旅行は、お寺に行くことよりも、庭を眺めることよりも、能を鑑賞することよりもずっとずっと私の心を揺さぶったのでした。

京都のように観光地でなくとも日本全国を気軽に旅することが出来るゲストハウスが各地にあればもっと旅が面白くなる!!世界中の旅人がもっともっと日本を住人レベルで楽しむことが出来る!!

そうだ、山形でゲストハウスをやったらきっともっと山形に足を運んでくれる人がふえるはず。選択肢の多さはきっと旅を自由にする。

それから月日はさらに流れ流れて2014年5月KOMEYAKATA GUESTHOUSは暮らす人々の息遣いが聞こえる宿として山形の片田舎にオープンしたのでした。

こめやかたゲストハウス    女将   坂井 奈緒



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