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目標と設計

冷戦期、アメリカとソ連は宇宙開発競争をしていた訳ですが、その目標は少し異なっていました。主に誰が宇宙に行くのかという点において。

アメリカ:選ばれたパイロットが宇宙へ向かうこと
ソ連:誰でも宇宙に移住できるようにすること

この違いは両者の宇宙船に色濃く反映されています。下の写真を見て下さい。

↑マーキュリー宇宙船(アメリカ)

↑ヴォストーク宇宙船(ソ連)

アメリカのマーキュリー宇宙船の壁がスイッチや計器だらけなのに対して、ソ連のヴォストーク宇宙船内はさっぱりしています。

実は、マーキュリー宇宙船は手動で、ヴォストーク宇宙船はほぼ自動操縦なんですよね。

アメリカでは分厚い説明書を理解した専門のパイロットが宇宙に行けばいいので手動でも構わないのですが、ソ連では誰でも宇宙に移住できることを目標としていました。そこで、専門外の人も宇宙へ行けるようにするには、自動操縦によって人が行う操作を簡単にすることが求められます。

目標が違えば設計やその形も異なってくるのだということが、二つの宇宙船から見て取れます。そして、資本主義国アメリカが「個人」、社会主義国ソ連が「みんな」を宇宙に向かわせようとしたように、目標は少なからずその思想やイデオロギーと関係しているということを考えれば、これらの宇宙船は両者の思想・イデオロギー対立を表しているとも言えるでしょう。

思想と目標、設計は繋がってるんだなー

現在これらの宇宙船は「宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋」で見ることができます。写真はそこで撮ってきました。場所は石川県。金沢市のちょい北あたり(ざっくりだな)。近くには世界でも珍しいらしい波打ち際を車で走れる海岸国道、千里浜なぎさドライブウェイもあることだし、行ってみてはどうでしょうか!

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