びよーん

生ぬるい車内。後ろから2番目の左奥の席。
何となく外を見たけど、雲やばいな。空一面雲。

発車しまーす

はーい。

バスが走ると、だんだん空が暗くなってきた。日没にしては早過ぎないか。それにちょっと暗すぎない?どうしちゃったの世界。

ぐわーんって、前に座ってる人の間からなんだか大きいものが向かいから走ってくるのが見えた。肌色?顔っぽいものも見える。巨人かな。そうだよな。暗くなってきたし、そろそろ彼らも帰る時間だ。彼?彼女?よくわからないけど。

でも、ぶつかりそう。急ブレーキ!

あーあ、ぶつかった。と思ったら消えた。事故の後が残ってないかなーと思って前の人達の間から覗き込んだけど、よく見えない。ギリギリ避けれたのかも。気になるけど、あんまりきょろきょろするのははしたない気がしたので見るのは諦めた。前の方に座れば良かったな。

仕方がないから代わりに窓を眺めた。
ニョロニョロ、ふわふわ、もこもこ、発光。
色々流れていく。さっきの巨人の残骸も落ちてた。やっぱりぶつかってたんだ。

でっかい犬が手を振ってくれたので、私も振り返した。ちょっと幸せな気持ちになった。

ベンチが飛んでる。風強いのかな。嫌だな

駅前の地下駐車場の入口。

終点の、駅前です

我先に降りていくみんな。私も降ろしてー!
お先にどうぞ?あ、ありがとうございます。

降りたらやっぱり曇りだった。でも風も強くないし、雨も降ってない。良かったー。

よく考えたら、風が強くてもベンチが飛ぶわけないよな。なんだったんだろうあれ。



以上。今日の帰り道

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