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#昔のお父さんがイケメンすぎる

いつから始まったのかわからないのだけど、TikTokで両親の若かりし頃の写真を子どもたちが投稿している。 #昔のお父さんがイケメンすぎる #卒あるお父さん  などと検索すると結構な数のビフォーアフター写真が出てくるのだ。

それらの投稿を見てると、人はみな平等に年をとるのだなあと感じる。それこそ今見てもびっくりするようなイケメンも時が経てば、ザ・中年。お腹がぽっこり出た愛くるしいお父さんになっているし、イケメンに渋さが足され、いわゆる「イケおじ」になっているお父さんもいて、ヒトの容貌変化に興味が沸き、時間を忘れてTikTokを見まくってしまった。

投稿に付けられたBGMはクセのあるKPOPでこれまたユニークさを際立たせているのだけど、同じような両親の若い時を見せてくれる投稿シリーズでBGMに久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」を使用したものがある。TIKTOKユーザーの両親はほぼ90年代に青春時代を過ごした私と同世代の方も多く、久保田の歌声と共に目前で流れる両親の恋人時代や若かりし頃を切り取ったTikTok投稿は、心臓をえぐられるほど突き刺さった。

子供にせがまれ、棚の奥から探し出してアルバムからひっぺがしたであろう写真は色あせながらも、フィルム特有のザラっとした質感が残っている。そこには90年代の空気が色濃く写し出されていた。キムタクに憧れた世代でもあるのでロン毛やアメカジの男性が多く、バブルの残り香がするような女性も。ルーズソックスのコギャルもいれば、ボンタン長ランといった不良な制服姿もあり、懐かしさに身もだえしてしまった。

ドラマ「ロングバケーション」はリアルタイムで見ていなかったが、それでも主題歌の「LA・LA・LA LOVE SONG」がめちゃくちゃ流行っていたので、曲を聴けばあの頃をいやでも思い出す。

誰かを好きになって、付き合って、別れて、また好きになっての繰り返し。そのなかで、たった一人、人生を共にする相手に出会い、結婚して、子どもが生まれて。私にとってまったく面識のない人たちだけど、TikTokを通じて、どれひとつとして同じ内容がない貴重なドラマを見せてもらえた気がするのだ。私にとっても、もう2度と戻ることのないあの瞬間を。


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