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梅毒

病原体:Treponema pallidum(スピロヘータ)
感染経路:性行為感染(1,2期梅毒、早期潜伏梅毒)もしくは母子感染

検査
トレポネーマ検査でスクリーニング、非トレポネーマ検査で治療をモニタリング。トレポネーマ検査は感度・特異度共にトレポネーマ検査より優れる
疑う場合はSTS法(RPR)とTP法(TPHA)を同時に提出しても良い。
梅毒を診断したら必ずHIVを含む他の性感染症の検査を実施。

床像第1期梅毒:およそ「

臨床像
第1期梅毒:潜伏期およそ3週間。
接触部位(陰部、肛門、咽頭など)の下疳(無痛性潰瘍)
この時期はトレポネーマ、非トレポネーマも偽陰性

第2期梅毒:下疳のあと、およそ3~10週間で発症。発疹、局所あるいは全身性リンパ節腫脹。発疹は手掌、足底にみられるのが特徴的。
この時期はトレポネーマ、非トレポネーマも陽性。

第1、2期ともに自然軽快し、潜伏する。
神経梅毒はどの時期にも生じるため注意が必要
神経梅毒に関して
いつ髄液検査をするか?
・神経所見/眼所見がある場合:全例必要
・神経所見/眼所見がない場合:HIV陽性例、血清RPR32倍以上、梅毒の治療抵抗例などで髄液検査実施検討

治療(第1,2期)
第1選択:ベンザシンペニシリン筋注(ステルイズ240万単位単回筋注)
第2選択:経口ペニシリン(アモキシシリン)による代用もしくはドキシサイクリン(第2選択として確立)

治療期間
早期梅毒(第1期、第2期、早期潜伏梅毒)14日間、後期梅毒(後期潜伏、第3期梅毒)28日間(この治療期間は MMWR Recomm Rep 2021;70:1-187 の記載されているもので、日本のガイドラインではより長い期間の推奨)

処方例
ドキシサイクリン100mg 1日2回内服
アモキシシリン500mg 1日3回 + プロベネシド(商品名:ベネシッド)250mg 1日3回内服(梅毒診療ガイド2018
アモキシシリン1000mg 1日3回 + プロベネシド(商品名:ベネシッド)250mg 1日3回内服 

第3期、神経梅毒の場合:ペニシリンG点滴静注 10-14日間
(処方例)ペニシリンG点滴静注 400万単位 4時間おき点滴静注

フォローアップ
3,6,9,12,24カ月に非トレポネーマ検査を測定。
第1、2期梅毒では6カ月で4倍以上の低下、1期では12ヶ月で陰性化、2期では24カ月で陰性化
およそ2割では4倍未満の低下にとどまる(Serofast)
治療効果が乏しければ、髄液検査を行い神経梅毒除外のうえで再治療を考慮する。

Jarisch-Herxheimer反応:メカニズム不詳。第1期では半数、第2期ではほとんどの症例で発症。梅毒治療後初回投与24時間以内に発熱、筋肉痛などの全身症状を生じるため、患者にあらかじめ注意勧告しておく。

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